ジュリエット、恐るべし その3
2021.06.19 23:40
ある日の早朝のこと。
例によって寝静まった住宅地におっさんの大音量が響く。
ガラガラガラ!(シャッターを開ける音)
ジャー!(水道の蛇口を勢いよく空け、バケツに水を汲む音)
ジャラジャラジャラ!(粒タイプの餌をステンレスの更に盛る音)
そして、おっさんの声。
「ジュリエット! おはよう! どうだ!」
ジュリエットはいつも無言。
「さあ、喰え!」
ジュリエットが激しく餌を食べる音が聞こえる。
猛獣感にあふれている。
ここまではいつもと同じだった。
この日、おっさんは調教を試みていた。
「ジュリエット、シット!」
「座りなさい! シット!」
そしてしばらくするとおっさんは激怒した。
「コラ! 何でウンコするんだ!」
「シット! お座り! 分からんのか?」
寝床でそれを聞かされた僕は思わず噴き出した。
すごいじゃないか、ジュリエット!
おっさんより英語を理解している。
なのにおっさんに厳しく叱られている。
不憫なジュリエット。