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「読解力」向上に欠かせない『語彙力(漢字)』と『傾聴』

2021.06.23 06:05

【教育コラム】 日本の数理は世界レベルだが、「読解力」が弱い。TIMMSやPISA等で示されている。


ドラマ「ドラゴン桜/TBS」を監修する現役東大生・西岡壱誠(丙子)が記事『東大生が断言「勉強は絶対漢字から着手すべき」訳/東洋経済』を寄稿した。東大模試で全国四位の実績。昨年にカルペ・ディエムを会社設立し、高校生に思考法や勉強法を教えている。偏差値は三十五だった。


西田は、偏差値三十五から東大に合格する為に最初にすべき事を「答えは『語彙力』です。ハッキリ言って、勉強ができない理由の殆どは、言葉を知らないからです。言葉の力がない状態で勉強したって、絶対に上手くいく訳は無いのです。」と断言した。そして、主因を「漢字」とした。



<漢字の強み>

 私も同意見だ。漢字が分からない。熟語等の意味が分からない。日本語の文が読めない。答えを考えられない。これが読解力の低さとなる。


言論機関である報道機関を筆頭に、世の中は平仮名を多用し過ぎである。政治家でさえも名前を態々(ワザワザ)、平仮名に変えている。これでは知能指数が下がるのは当たり前だ。報道府の記事では漢字を多用する。知能指数を上げる為に他ならない。平仮名が多いと読み易いとされているが、本当であろうか。漢字は「表意文字」なので、理解に掛かる時間のコスパが良い。平仮名は「表音文字」なので、一度は漢字に変換せねばならず、コスパが悪い。


彼は漢字の重大さを悟った。漢字が読めないなら、漢字の意味が分からないなら、読解力が低くて当たり前だろう。



読むと聴く

 これは読む、という点の切り口。故ピーター ドラッカー(己酉)は人の学習において二種類の人がいると指摘した。「読んで分かる人」と「聴いて分かる人」。どちらかが長けている、という事だ。かと言って、どちらかだけで良い訳ではない。あくまでもバランス。


読むという切り口では前者である。聴くという切り口の後者では「人の話をよく聴く。最後まで聴く。言葉の真意を測る。」と傾聴する事が欠かせない。これも読解力であろう。


スマホでニュースを読むと同じで、思った以上に人は読んでない。理解した気になっている。その証左にニュースを覚えてない。ニュースを要約できない。同様に人は、人の話を思った以上に聴いてない。聞き流すが正確だろうか。“聴く”と“聞く”ではまるで異なる。聴くは全身全霊で、記者会見にて同時に文字起こしする記者の如く、頭・心・体の三位を傾けて始めて聴くとなる。英語では「リスニング」と「ヒアリング」で分かれている。


これもコスパの問題だ。傾聴はコスパが良い。

一を以て万 (バン) を知る/論語、一を聞いて十を知る/諺



二つの対策

 十人の話を理解したという聖徳太子も、同時に聴いたというより、十人の訴えたかった事や真意を理解した、と捉える方が現実的であろう。彼は傾聴力が高かった事を伝えているのではなかろうか。


聞き流すと何回も確認せねばならず、その人の真意を推し量れない為にミスをしてしまう。コスパが悪い。人の話は真剣に傾聴した方が労力という点でもコスパが良い。


よって、傾聴しない者は読解力が低いとなる。



以上より、読む力は漢字や言葉の『語彙力』、併せて人の話という日本語の文章を理解する『傾聴力』の二つを以て、読解力は磨かれるのではないだろうか。


対策は以下の二点だ。

  1. 明治から昭和初期の様に漢字の多い文章に触れ、語彙力を増す努力をする事
  2. 口語より文語(熟語を多く含む)で話す人の言葉に触れ、傾聴力を高める努力をする事

記事:金剛正臣

引用:東洋経済