ZIPANG TOKIO 2020「経済産業省 適正な象牙取引のための製造事業者向け講習会開催」のご案内
象牙柿の木猿彫図印籠/江戸時代作 (印籠美術館・所蔵)
豊臣秀吉も象牙工芸の茶器を用いていました。
象牙工芸は、古く奈良時代から伝えられています
日本へ象牙が伝わったのはいつ頃でしょう。すでに奈良時代(8世紀)には正倉院宝物の中の“紅牙撥鎮尺”などに象牙が含まれており、その頃には象牙が伝来していました。
この事実から、日本でも技法を学ぴ、櫛などを加工していたと思われます。
その後、安土桃山時代、茶道具などに多く用いられ、東南アジアや中国との交易が盛んになるにしたがい、技術的にも大きな発展を示しました。その中には豊臣秀吉が所蔵したと伝えられる“唐物茶入の紹鴎茄子”や、干利体が記した「利休百会記」などから種々の茶道具に象牙が用いられた様子が伺えます。
また、江戸時代初期には根付・印寵・櫛・簪などが日常の生活用品として一般化し、17世紀後半(元禄)から18世紀前半(文化・文政)頃にかけ、多くの象牙工芸品が武家・庶民に愛用されました。
その工芸技術は明治・大正時代に象牙彫刻として隆盛期をむかえ数多くの名工を生み出します。それらの工芸美術晶は海外へも多く輸出され、高い評価を得ています。長い年月に培われた、その卓越した伝統工芸技術は、芸術的彫刻品として世界的に認められ、現在へ受け継がれています。
※紅牙撥鎮尺(こうがばちるしゃく)…象牙を磨き、その表層を紅・紺・緑などの色で着色。
これに文様を「はつり彫り」して白との対比効果を意図した技法。この技法を用いた定規。
保存上の注意
装身具については特別の注意はいりませんが、比較的大きな置物について「温度を急に変えるとヒビが入る事があります。」従来の日本の御家庭では先づヒビの入る心配はありませんが、冬の寒い時に室内をストープやスチームで温め暑くなり過ぎて、窓を開けて急に冷い外気を入れたりするとヒビが入ることがあります。
象牙を畳に置くと割れるとか、象牙を持って竹の林に入ると割れるとか言いますが、是は冬の畳は冷えているもの夏の竹林はヒヤリとするもの、つまり温度の急変が時に象牙にヒビが入る事を言ったものと思われます。象牙製品が汚れた時はぬるま湯で、プラシに石げんをつけて洗えばきれいになりますが、乾かす時は日陰乾にして、決して風で乾かしたり火の上で乾かしたりしない事が肝要です。(日本象牙美術工芸組合より引用)
象牙彫刻の代表的な工芸品 である「根付」は、江戸時 代から伝わる伝承芸術品で す。その繊細な根付技法は 長い研鑽と洗練された技術 により、現代でも多く愛好 されています。
作品名「小犬とわらじ」
ご存じですか? 象牙加工製品に、政府認定シールが付きました。 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存を、 より効果的に行うため「種の保存法」が施行 されています。これにより適正に入手された 象牙から製造された象牙加工製品には、政府 公認の認定シール(標章)が添付されています。
本象牙工芸品の伝統美をご堪能ください。 永いときに亘り、受け継かれてきた伝承の技と悠久の美。 心深く伝わる高貴な光沢、その気品を生かす繊細な 細工技術が、時代を越え価値ある芸術品として高い 評価を受けてまいりました。 本象牙ならではの深く荘重な趣をご堪能ください。
「適正な象牙取引のための製造事業者向け講習会開催」のご案内
適正な象牙取引のための製造事業者向け講習会を開催します 経済産業省は、関係団体及び環境省とともに、象牙及び象牙製品の取引を行う製造事業者向けに、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)を遵守した適正な象牙取引のための講習会を開催します。伝統工芸に関わる皆さんや工芸・デザインに携わる皆さんご参加されては如何ですか。 1.開催日時・場所 日時:平成29年1月27日(金曜日) 14時00分~16時00分 (休憩15分間含む) 場所:経済産業省本館17階第1共用会議室 東京都千代田区霞が関1-3-1(東京メトロ霞ヶ関駅A11b出口直結) ※当日は、経済産業省本館1階ロビーに専用受付を設置します。 2.主催・共催 主催:日本象牙美術工芸組合連合会 共催:経済産業省、環境省 3.プログラム (1)象牙を取り巻く国際的な状況 (2)国内の象牙市場の状況 (3)事業者による象牙・象牙製品の取引管理の制度等 (4)その他 4.参加者 象牙製品の製造事業者(種の保存法に基づく届出事業者及び今後届出を行うことを予定している事業者) 5.参加登録 事前に参加登録が必要となります(定員100名、先着順)。 別紙の参加登録用紙に必要事項を記入の上、1月24日(火曜日)17時00分(必着)までに以下及び別紙に記載の連絡先まで、e-mail又はFAXでお申し込み下さい。 ※参加登録に対する返信はしません(定員超過でご参加いただけない場合を除く。) ※当日は受付で名刺を頂戴します。 <参加登録の申込み先及びお問合せ先> 日本象牙美術工芸組合連合会事務局 小泉 電話: 03-3841-2533 FAX: 03-3841-2557 e-mail: jiaivory@jcom.home.ne.jp
協力
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
環境省 〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館 TEL 03-3581-3351
日本象牙美術工芸組合〒111-0035 東京都台東区西浅草3-26-3 TEL 03-3841-2533