母親から卒業するためには
カインコンプレックス
兄弟、姉妹間で抱く競争心や嫉妬心はカインコンプレックスと言われます。
兄弟、姉妹間が親から差別的に愛情を受けたことから生まれる苦悩。
それはその後の人間関係に強く影響します。
兄弟、姉妹間で母親の愛情をめぐって見えない攻防戦が続く環境で育つと家族や家庭を冷たく感じ居場所もなくなり、絶えず自己否定するか早々に外の世界に飛び出そうとする事になります。
こういう女性はとても多いのです。
母親の欲求不満やコンプレックスはもろに長女に刻み込まれ そこから妹達とは別のものの見方考え方が始まります。
セラピストが女性カウンセリングする中で親子関係のねじれから生じる相談が最も多いと言うのも頷けます。
母は私を愛してくれなかった。
母に認めてもらうため一生懸命いい娘をやってきたのに
父じゃなく母が必要なんです、母じゃないとダメなんです。
もう親から卒業しましょう。
ある心療内科の医師は
母親に愛されたいと言う欲求が満たされないまま大人になった女性たちの中には30代40代になっても母親の布団に潜り込む人もいるそうです。
大人になっていかに社会で活躍上が経済的に自立しようが自分が満たされるまで母の愛情を求め続けると言うのです
私は私、そんな親孝行もある。
自分がまず幸せになりましょう。親にはその1部を差し出して。
常に自分を下に置いて行動すれば多少押し付けがましくなろうとも気が楽です。
親孝行に縛られると 親が望む自分であろうとして、無理を重ねる結果にもなりかねません
そのような犠牲的献身は被害者意識のもとになり、なぜ私はこれだけしたのに親は返してくれないのと無念さが募るばかりです。
自分がまず幸せになり親にはその1部をギフトする。
それは決してエゴではなく自立の王道だと思いませんか?
ずいぶん割り切りが良いと思われますが ここまで整理しても何かと引きずり回されるのが親子関係。嫌なこと悲しかった事を切ってゼロにすることは不可能です。
そこに翻弄されてはいけない。
しかし意識する中でかなり気持ちが落ち着きます
(井形慶子さん『母親に愛されたい娘たち』(成美文庫 2010/12)