"What A Wonderful World!"
サッチモ(Louis Armstrong)が歌う「What A Wonderful World」
邦題は「この素晴らしき世界」。
ドミソドソミ ドミソドソミ…のアルペジオのイントロだけで
曲名は知らずとも「あの曲!」と多くの人が
きっとなんども聞いたことはあるだろうと思う
スタンダードなJAZZナンバーです。
彼のハスキーボイスのイメージが強いので
自分で歌ってみようと思ったことはなかったのだけれど。
ある時ふと耳にした女性ヴォーカルの優しい歌声がとてもよかったので
昨年末からレッスン曲に入れてました。
自分で歌うために歌詞をよくよく読んでみると
これがなんとも味わい深い。
なんてことのない日常の日々を綴って
「あぁ、なんてこの世界は素晴らしいんだろう!」って。
しみじみ感激するような良い詩です。
日本語はyuricoの勝手な意訳です。
原語の意味を生かしつつ、口語とも違って、かなりニュアンスな訳です。
「文法的に違わない?」というツッコミがあるかもしれませんが、
ご興味のある方だけ、どうぞ気分でおつきあいいただければ幸いです。
***
What A Wonderful World
(1968年 Words:George Douglas Music:George David Weiss)
I see trees of green,
Red roses too.
I see them bloom,
For me and you.
And I think to myself,
What a wonderful world.
ぼくには見える。
青々とした樹々や
咲き誇る赤いバラが。
しみじみ思うんだ。
世界はなんて素敵なんだろうって!
I see skies of blue,
And clouds of white.
The bright blessed day,
The dark sacred night.
And I think to myself,
What a wonderful world.
ぼくには見える。
青い空に白い雲
明るく輝く昼の光と
神秘的な夜の闇と。
しみじみ思うんだ。
世界はなんて素敵なんだろうって!
The colors of the rainbow,
So pretty in the sky.
Are also on the faces,
Of people going by,
I see friends shaking hands.
Saying, “How do you do?”
They’re really saying,
“I love you”.
ぼくには見えるんだ。
とても綺麗に空に広がる虹の色が。
行き交う人々の顔にも降り注ぐ。
「ごきげんよう!」と言いながら
握手を交わす友人たちの姿はきっと
本当は「大好きだよ」と言ってるんだろうと、そう思う。
I hear babies cry,
I watch them grow,
They’ll learn much more,
Than I’ll ever know.
And I think to myself,
What a wonderful world.
Yes, I think to myself,
What a wonderful world.
ぼくには聞こえる。
あかちゃんが泣いている声が。
ぼくが成長を見守っていく子どもたちの声が。
彼らはきっとたくさんのことを学ぶだろう。
ぼくが知っている以上のことをたくさんね。
そう。しみじみ思うんだ。
世界はなんて素敵なんだろうって!
だろう?本当にしみじみ思うんだ。
世界はなんて素敵なんだろうって。
***
年末のレッスンの時にこの歌をうたっていたら
「I hear babies cry, I watch them grow....」のところで
急に涙がぽろぽろと…R先生を驚かせました。
明るい歌詞なのになんて切ないんだろうなぁ…
としばし涙声でうたうハプニング。
その後調べてみると、1968年という年はベトナム戦争の真っ最中。
こんな優しい歌の裏には悲しい現実があったのだろうと思い至りました。
50年代のMGMミュージカルもそうですが
戦時中の辛い時期だからこその明るい音楽と映画の文化がアメリカにはあるんですよね。
だからこそ、ただ歌詞の意味を知るだけではなくて
少し深いところも知ると感じることが増えるように思うのです。
…とまぁ、突然音楽話で失礼しました。しかも長々と。
去年一年続けていた暦話から今年はこうしたJAZZの話なども
入れていこうかな、と思っております。
年初はこの曲をギターでの弾き語りをしてみたり。
身近な人たちには好評でしたので、
少しちゃんと仕上げていこうと思っています。
Louis Armstrong のABCレコードでの録音バージョン。
What A Wonderful World (Spoken Intro Version) ABC Records 1970
映画「ジョーブラックによろしく」の挿入曲でも使われていましたっけ。
Israel Kamakawiwo Ole' のウクレレのナンバー。
”Somewhere Over The Rainbow”と
”What A Wonderful World"がメドレーになっていて
これも美しく明るい曲なのに切ないです。
こちらが歌ってみたくなったきっかけのStacey Kentの曲。
そうっと、やさしい。ぜひ、聴いてみてください。