帰り道。
2017.01.08 15:00
本当のことは悲しみに属してる
って、昔読んだ小説に書いてあって
そのときはピンとこなかったけど
なんか最近ちょっとわかるような気がする
また違うお話には
人間に心なんて存在しない、心は脳の中の神経細胞のネットワークに流れてる化学物質の質や量のことだ
って書いてあって
物語の筋にたどり着く前に
丸一日考えてもよくわからない事実
大人になるにつれて、わかってきたこと
知りたくなかったこと、受け止めなきゃいけない日々
冷えたホームで疲れ切った背中の後ろに並ぶ
あったかいココアを飲みたいところだけど
糖分を気にするもう1人のわたしが首を振る
ようやく来た電車の椅子のヒーターは
容赦無くふくらはぎだけを狙って燃える
あったまることって、
こんなに難しかったっけ
ふくらはぎが燃えて来たので立ち上がると
おばあちゃんがその席に座った
最寄りの駅までまだ5駅もあることにちょっとうんざりしながら
この雨が止むまで降りたい気分でもなし
最寄りの駅の2つ前で
疲れてるだろうにありがとうね、って言いながらおばあちゃんが立ち上がる
譲ったのではない、と思いながら適当に笑うと
そんなことどっちでもいいのよ、って言いたげにおばあちゃんが会釈して降りていった
電車を降りても雨が止むことはなかったけど
心、があるはずないその場所が
じんわりと確かにあったまっていく
帰ろう。