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Workshop Vuovdi / 東京下町の小さな森の工房

半矢の鹿に対する敬意とビバークの心構え

2021.06.21 23:05

まずは自分の狩猟スタイルを話しておく必要があると思う。私はこの5年間、一泊以上猟場に滞在する単独忍び猟に取り組んで来た。以前は巻狩にも参加することはあったが現在行っているのはほとんどが単独での忍び猟である。


出猟日の流れであるが一日目の午前中はキャンプの買い出しから始める。一旦山に入ってしまうとそう簡単には街には戻れない。必要日数分の食料と水を出猟前に準備してから出発する。猟場への移動は軽四駆を使って山へ入る。ベースキャンプはなるべく車から近いところに設定する。一日目の午後はベースキャンプの設営と薪集めに時間を費やす。出猟は二日目早朝から。獲物が獲れたら現場解体でブロック肉にしてベースキャンプへ運ぶ。朝晩はだいたい氷点下になるので保冷剤は夜のうちに外に放置しておけば日中はクーラーボックス内を適温に保てる。基本は一泊であろうが三泊四泊であろうがその繰り返し。


現場滞在型の狩猟でも私の場合はベースキャンプから出猟するので出猟日の装備内容は日帰り狩猟の人の場合と全く同じである。私のようなヘタレジジイには装備はできるだけ軽量にして行動力を上げたいのが本音w


だがそこに銃猟では『半矢』という落とし穴が存在する。野生の生命力というのは人間が想像する以上のものであって鹿の生へのこだわりと言うか執着心のようなものは計り知れないものがある。私も過去数回経験しているが積雪が少ない地方では情報量も限られているので半矢の鹿を追うことは並大抵のことでは収まらないことが多い。


単独忍び猟では自分自身で全てを決定する自由と義務がある。半矢の鹿を追うのか追わないのかを決めるのも全て自分次第なのだ。


そこでビバークが必ず必要なのか?と言われればそうでもない。半矢の鹿をその日中に見つけ出すことが出来れば良い話である。しかしそれが出来なかった場合には諦めて下山することになる。


私の場合だが猟場滞在型なのでその時間の許す範囲で半矢の鹿を追うことにしている。必要であればその場にビバークして2日目も捜索にあたる。それが鹿への敬意と感謝の表れと言えばカッコ良いが、それをやるかやらないかは本人のスキル次第だ。しかし森のレンジャーたるハンターならば心構えくらいは持っていたいと思う。


そこで次回は日帰り装備の狩猟でのビバーク方法を紹介するのでお楽しみに!