イチゴの水耕栽培について
イチゴの水耕栽培について
土を使わず、水だけで植物を育てる方法です。
イチゴを水耕栽培するメリット
水耕栽培のメリットは、土耕栽培との違いを見るとわかります。水で栽培する水耕栽培は草刈りをする必要がありません。植物の根っこ部分を水溶液にひたすことで直接栄養を与えることができるのです。草刈りの手間がはぶけます。また、収穫量が多い、土耕栽培に比べて成長スピードが速い、殺虫剤を使わないなどのメリットがあります。
水耕栽培に必要な道具・設備
イチゴを水耕栽培で育てる場合、そろえる道具は以下のとおりです。
・イチゴを育てるための容器
・イチゴの苗
・苗を支えるための土台
・エアポンプ、エアホース
・水耕栽培用の液肥
・人工授粉に使う綿棒、綿つきの耳かき
・アルミシート
苗について
イチゴの苗がなければ水耕栽培ができません。イチゴの水耕栽培では種ではなく、発芽させた苗を使います。イチゴの苗は園芸店で購入できるでしょう。よりおいしいイチゴを育てたい場合は専門的に苗を育て販売している「育苗農家」からの購入をおすすめします。許可を取得した育苗農家の苗は品質良好です。また、苗の選び方は「ツヤ」「葉と茎の緑色」「茎の太さ」「変色の有無」がポイントになります。できるだけ、ツヤのある苗、葉と茎の緑色が鮮やかな苗、茎の太さがしっかりとしている苗を選んでください。
栽培方法について
水栽培は野菜、果物など植物を簡単に室内で育てることができる方法です。水耕栽培、土耕栽培に限らず、イチゴを育てる際は栽培方法をきちんと把握しておかなければなりません。これから、イチゴの栽培時期、肥料・害虫問題、収穫、注意点について詳しく説明します。
栽培時期について
イチゴの栽培時期は3月下旬~5月下旬、9月~10月までです。すでにできている苗の場合、10月に苗を購入して育てます。水耕栽培は天候に左右されないので土耕栽培よりも早めに収穫できるでしょう。自分で水耕栽培キットをつくる場合は根にスポンジをまきつけて土台をつくってください。苗の土台を固定させた後、宙に浮かせます。ただし、イチゴのクラウンを隠してはいけません。
肥料、害虫などについて
おいしいイチゴを育てるには肥料をしっかり与えていかなければなりません。水耕栽培の場合、肥料は水に溶かした液肥になります。液肥はハイポニカ液体肥料がいいでしょう。基本的な濃度は500倍ですが、イチゴには濃すぎます。そのため、1500倍にまで薄めてください。適度に水替えをしながら追肥していくといいですよ。水耕栽培は土耕栽培よりも害虫被害の心配はいりません。害虫対策としては、こまめに状態をチェックすることが1番の対策です。
収穫について
イチゴの実が赤く色づいてきたときが収穫時期です。人工授粉がうまくいくとイチゴの実がつき始めます。実は重くなればなるほど下にたれさがるでしょう。ほかのイチゴを傷つけないようにわらやビニールをしいて保護すると安心ですね。水耕栽培でもイチゴを収穫するときは、へたの近いところでカットしないことが大切なポイントになります。できれば、へたから2~3cmの離れた部分でカットしてください。また、収穫時期をすぎてしまうとイチゴが固くなっておいしくなくなります。必ず、実が赤くなった時点で摘み取りましょう。
注意点
イチゴを水耕栽培で育てる際の注意点をいくつか紹介します。間違った育て方をしないように、注意点をきちんと把握しておきましょう。
根腐れ
水耕栽培で特に注意してほしいのが「根腐れ」です。根っこ部分はずっと水にひたしているため、根が腐れやすくなっています。イチゴの水耕栽培において液肥は大切ですが、濃度が濃すぎると根腐れが起きるのです。根腐れは根っこが真っ黒になります。水耕栽培の際は、液肥の濃度に十分気をつけてくださいね。
人工授粉
イチゴの水耕栽培は人工授粉が大切なポイントです。人工授粉をしっかりしなければおいしいイチゴができません。人工授粉には綿つきの耳かきや綿棒でしっかり授粉させてあげてください。花の芽にきちんとついたかどうか、確認しながら人工授粉をしていきましょう。もし、授粉がしっかりできなかった場合、変な形のイチゴが出てきます。
病気
イチゴにはかかりやすい病気があります。「うどんこ病」と呼ばれる病気、カビの1種です。「うどんこ病」対策として、適度に水を換えてください。もし、葉っぱが白くなったらうどんこ病にかかっている証拠です。イチゴが全滅する前に薬剤を使用するなど対処しなければなりません。