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サードマン現象

2018.06.22 05:05

Facebook・清水 友邦さん投稿記事 「サードマン現象」に写真4件を追加しました。

生きるか死ぬかの極限状況下で遭難者の傍に現われ生命の危機を救ってくれる存在を「サードマン現象」と呼んでいます。

 サードマンという言葉は、T・S・エリオットの詩『荒地』から取られました。

「いつもきみのそばを歩いている第三の人は誰だ?数えてみると、きみとぼくしかいない けれど白い道の先を見るといつもきみのそばを歩くもう一人がいる」

2001年9月11日、ハイジャックされた旅客機が衝突してビルが炎上した時、ワールドトレードセンターのサウスタワー84Fで働いていたディフランチェスコは電話の忠告に従い部屋を出て非常階段に逃れました。

ところが階段で炎と瓦礫に囲まれ途中で動けなくなってしまいました。

暗い非常階段で酸素不足になり意識が朦朧として来た時に突然、心の中で「起きろ」と力強い男性の声がしました。

そして「私について来なさい。君を家まで送り届けてあげよう」と言っているように感じました。

その声に導かれ炎に包まれた階段を火傷をしながら、くぐり抜けました。そして千五百段の階段を下りて地上に到達した瞬間にビルは崩壊しました。

迫って来る灼熱の爆風を必死にかわしてビルの地下に逃れて奇跡的に助かったのです。

女性海洋生物学者ステファニー・シュワーブは夫と死別してから6週間後、バハマのブルーホールの海底洞窟へ研究のために一人でダイビングしました。

いつもは亡くなった夫が命綱に注意を払ってくれていたので命綱を見失うことはありませんでした。

調査を終えた時、帰り道を示す命綱を見失っていることに気づきました。

さらに、20分残っていると思っていた酸素ボンベの空気残量も5分しか残っていませんでした。

彼女は死ぬ恐怖と孤独感でパニックに陥りました。命綱を見失った自分の愚かさと自分を残して夫がいなくなったことに強い怒りを覚えました。

もうダメと諦めかけた時に、突然、真っ暗な洞窟が明るくなって隅々まではっきりと見えました。

その時、傍らに死んだ夫の気配を感じ、頭の中で夫の声が聞こえました。

「落ち着いてステファニー。慌てなくてもいい。大丈夫だ」いつもの夫の優しい声を聞くと彼女は安らかな気分になりました。そして、心を落ち着けてよく見回して見ると、そこに命綱がありました。彼女は九死に一生を得て助かりました。

1997年宇宙船アトランティスに乗船した宇宙飛行士のジュリー・リネンジャーは老朽化した宇宙ステーション・ミールに乗り込みました。

同僚はほとんど英語を話さない二人のロシア人だけでした。

ミールに3ヵ月半過ごしたジュリーは孤独で世界から切り離されているように感じる深刻な危機に陥りました。

毎日1時間のランニング・マシーンで運動を行っている時、突然何ものかの存在を感じました。それはジュリーの父でした。

「視界の端に父が見えました。父は私が宇宙に行く7年ほど前に亡くなっていましたが、確かにそこに居たんです。感じたのではなく物理的に存在していました。

父はそこに居てこう言ったようでした。『ジュリーお前は立派にやっているじゃないか。子どもの頃からの夢を果したなんてすばらしいことだぞ。お前のことを誇りに思っている。』

私の宇宙での体験は、自分の力で父を呼び出したんではありません。私が助けを求めているのを知って父の方から来たんです。私の力ではなくあくまでも父がそう望んだから起きたことです。」

その体験によりジュリーのストレスはすべて消え心は澄み切っていました。

科学的訓練を受けたジュリーはこう述べています。「もっともらしい理屈は付けられます。あれは心理的防衛システムのなせる業だ。私は精神的に孤立し助けを求めていた。そこに現れた父は、精神的な危機を乗り越えるために私自身が作り出したものだ。私も医師ですからその論理は解ります。でもあれは父でした。物理的に存在し、私に話しかけてきたのです」

サードマン現象は神話、民俗学なら精霊、神、守護霊、守護天使、といいたいところですが体験がない科学者は非合理な話なので科学的合理的な解釈をしようとします。

スイスの神経科学者オラフ・ブランケは脳の特定の領域に刺激を与えると女性患者は誰かが居る気配を感じると言い、刺激を与えるスイッチを切るとその存在は消えてしまうことを発見しました。

腕や頭や胴体がどこにあるのかを認識する頭頂葉と自分の身体が空間のどこに位置しているのかを認識する側頭葉の二つが接する部位にあるのが側頭頭頂接合部で空間のなかにある自分のからだの存在を認識します。

そこを刺激すると誰かがいる気配を感じました。

アメリカの脳神経外科医ワイルダー・ペンフィールドはてんかんの患者を治療中に側頭葉を刺激すると被験者が「自分の身体が浮かびあがる」「魂が肉体から離れていく」という感覚におそわれることを発見しています。

神経科学者のマイケル・パーシンガーは脳の右半球の側頭葉に弱い電磁場で刺激を与えるヘルメットを開発しました。防音室で2000人を超える人々にテストをして試験者の80%が何ものかの存在を感じることができたと主張しています。

光と音を完全に排除した感覚遮断室に健康な被験者を入れると多くが幻覚や妄想、抑うつ感を経験します。

そこにあるはずのない物や形、人の顔を見たりするのです。感覚遮断から解放した後に計算や方向感覚や論理などのテストをしてみると、著しく能力が低下しました。

左脳の合理的意識が低下して右脳の側頭葉が活性化するとサードマン現象が生じやすいのです。

極限状態の時には脳の中でそれが起きるのです。脳の誤作動によりサードマン現象が生じると学者は考えました。

そのことから極限状態に陥った時、脳が生き延びるためにとる適応方法だと科学者は合理的に解釈しました。

合理的なマインドでは霊や天使を認める事は出来ないのでサードマン現象は脳の誤作動としたいところです。

しかし物事はそう単純ではありません。側頭葉を刺激したからといって必ずその現象が起きる訳ではありません。海洋生物学者シュワーブは神経科学者の側頭葉の実験に参加しましたが夫の声は聞こえませんでした。

ジュリー・リネンジャーは訓練を受けた健康な宇宙飛行士であり理知的なマインドをもっている医者です。

その彼は父を物理的に存在していたとはっきりと証言しています。

サードマン現象の体験がある人とない人ではこの現象の全体を捉えることはできないのです。

私の脳の中では血液が循環し、神経伝達物質が増減し脳波が出ています。

しかし、その客観的なデータだけを示されても私の心が何を感じて考えているか理解したとはとても言えません。

それは数量で表された物理的な側面でしかなく真実の断片にしかすぎません。脳の現象だけに還元されても体験者には全くリアリティーのない話です。

多重人格性傷害(MPD)を研究している精神科医によると、多重人格性傷害が起きている人物の自己には複数の交代人格が存在しています。

つまり一人の人物に複数の人格が存在しているのです。 オリジナルな人格ではなく否定的な交代人格が支配して手首を切って自殺を図ろうとした時に救済する人格がでてきて救急車を呼ぶ事もありました。

交代人格は治療すると最後は内的自己として統合されます。

しかしMPDの医者にとって説明に困るのはインナー・セルフ・ヘルパー(ISH)の存在です。インナー・セルフ・ヘルパーは患者を健全な精神状態にするべく努力するのですが、 患者に治癒が起きて交代人格がオリジナルな人格の中に統合されてもインナー・セルフ・ヘルパーは内側に完全に独立した人格として存在し続けるからです。

インナー・セルフ・ヘルパーを別な言葉に置き換えればガイドスピリット、指導霊または守護霊です。キリスト教では守護天使、仏教ではターラ菩薩や観音、先住民の世界ではパワーアニマル、祖霊神、精霊です。

ヨガでは意識的に脳を活性化する訓練をします。

外の世界の変化に影響されない状態に入るのが感覚抑制(プラティヤハーラ)で、こころの集中(ダラーナ)により時間と空間を越えた領域にはいるのが瞑想(ディアーナ)です。

そして言語で語る事が困難な領域をサマーディといいます。

「あるヨギの自叙伝」にはヨガナンダが瞑想中に3ヶ月前に葬儀をしたばかりの師であるユクテスワ師の姿を見るエピソードが出てきます。

ヨガナンダが触るとたしかに生前の血の通ったユクテスワ師でした。

師は語ります。「宇宙に偏在するプラーナから全く新しい体を作ったのだ。わたしは復活した。ただし地球ではなくアストラル界にだ。お前も、いつかは私のもとにくるだろう。」

「そこはヒラニャローカと呼ばれる世界でアストラル界の中でも目覚めた魂たちの住んでいる世界だ。わたしはそこで霊的に進んだ人々のカルマを取り除き、アストラル界での生まれ変わりを手助けしている。ニルビカルパ・サマーディーに達したものでなければヒラニャローカにくることはできない。」

ヨーガスートラでは大きくサヴィカルパ・サマーディ(有種子三昧)とニルヴィカルパ・サマーディ(無種子三昧)の二つのサマーディにわけていますが、ニルヴィカルパ・サマーディは「見る者」と「見られる存在」が一つになった状態、主体と客体が一つになった状態と説明されているように、ヨーガスートラではこれ以上の段階はないとしています。

ヒラニャは黄金でローカは世界を意味するのでヒラニャローカを直訳すれば黄金界になります。

「アストラル界には波動の領域の段階があって、無数の精霊がそれぞれ異なった世界に住んでいる。」ユクテスワ師はこのようにアストラル界の様子をテレパシーでヨガナンダに語りました。

ここで注目すべきなのはヒラニャローカがニルヴィカルパ・サマーディ(無種子三昧)の段階に達した目覚めた魂たちが住んでいる世界にもかかわらず、カルマがあり生まれ変わりがあるということ、ニルヴィカルパ・サマーディ(無種子三昧)の目覚めにも段階があることを示唆しています。

地上界の肉体の死は呼吸の停止と細胞の崩壊がともないますがアストラル体の死は構成しているプラーナが消散するとユクテスワ師は語ります。

アストラル体の死を自分の死と思ってしまうと、再び肉体の生死を思う意識に同化し、地上界とアストラル界を輪廻します。

生死に同化している限りは、それは避けられない運命だと言います。

物質的欲望から自由になると地上に戻る必要はなく、あるのは微細身(サトルボディ)のカルマだけです。

「魂は三つの微細身の体を持っている。一つでも体を持っているということは、まだ執着や欲望をもっていることを意味する。微細身のカルマが終わり想念からも自由になると、もはや遮るものはなく永遠の至福の海へととけ込んでしまう。」

ヨーガ文献のヨーガチューダーマニ・ウパニシャッドでは肉体とエーテル体を合わせて粗大身(グロスボディ)、アストラル体などの目に見えない微細なレベルを微細身(サトルボディ)、さらにその奥の精妙なレベルを原因身(コーザルボディ)と大まかに三つの身体に分けています。

ユクテスワ師は語ります。

「お前は地上で夢をみていたのだ。お前が見たのはわたしの夢の体だ。」

「お前はわたしの夢の体を埋葬し、そしてわたしは微細な夢の星で復活したのだ。だが微細な夢の星も微細な夢の体も、夢であるからには消え去ってしまう。あらゆる夢は結局、目覚めとともに消えてしまうのだ。我が子ヨガナンダよ。夢と真実の違いを知る様に。」

「この地上界が神の夢だと悟ったものは、より微細な神の夢でできたこのヒラニャローカに来ることができる。そこで、わたしと再び会えるだろう。」

こう話すと師はヨガナンダの視界から姿を消しました。

目に見えない身体はドリームボデイ(夢の身体)・ライトボディ(光の身体)・サトルボディ(微細な身体)と呼ばれています。

サードマン現象を体験した同時多発テロ生存者の心から恐怖は消え、水中の洞窟でパニックに陥ったダイバーは孤独が癒え心が落ち着つきました。宇宙飛行士はストレスがすっかり消えさり心が澄みきったのでした。

サードマン現象の合理的な説明よりも、それが体験者の心にどのような変化をもたらしたのか、そちらの方が重要なのです。

私たちの本質は時間と空間を超えた全体とつながっています。

それを確認するのが呼吸道です。

「あるヨギの自叙伝」ヨガナンダ著

「サードマン現象」ジョン・ガイガー 著

地球ドラマチック「奇跡の生還に導く声・守護天使の正体は」