【コラム】Webトーク時の視線と、その効果
どこを見て話すのか?また、それはなぜなのか?
コロナ禍以前から、プレゼンではどこを見て話せばよいか分からない…という質問が多かったです。
(それはまた別の記事で解説します)
今は、Webトーク時(オンラインでの商談・MTG)でどこを見て話すのか?ずっとカメラ目線は慣れない…という相談です。
今回はこれを解説します。
どんな時どこを見ると、どう映るのか?一つの参考になさってください。
視線4パターンと、その効果
(1) カメラ目線
終始カメラ目線でいる必要はありません。
接続開始時・本題に入るとき・特に強調したいとき・話の結び・接続退出時はカメラを見ている方が良いです。
それ以外は、カメラ目線にこだわらず、カメラから少し目線を下げてPC画面の中央、つまり相手のお顔を見ながら話していても大丈夫です。
そしてまた時折カメラを見る、この繰り返しと思うと話すのが楽になります。
余計な力が抜けて、話の内容に集中できたり、表情から不安な様子が消えて安定したり良い効果があります。
カメラ目線をリアルな会話と例えると、相手と目が合っている状態です。ずっと目が合った状態で長く会話をしていないですよね。
ずっとカメラ目線にこだわる必要はなく、上に挙げた「ここぞ」という5シーンを留意して楽に会話をすることです。
(2) 画面中央
意外と不自然ではありません。
カメラ目線がリアルで例えると相手と目が合っている状態だとすると、PC画面中央を見ることはリアルでは相手の口元あたりを見ているイメージです。
目から少し下に視線を下げても「目は合っていなくても、ちゃんと自分を見てくれている」印象を与えています。
リアルな会話でもやっているごく自然なことです。
Webトーク時はカメラを見るよりも画面の中の相手のお顔を見ている時間が長くても良いのです。
カメラ目線を意識すると、無理して表情を作りこみます。
「ここぞ」というときは良いのですが、終始これでは親近感がわきません。
本音を引き出すのも難しいです。
一方、相手のお顔を見ていると、表情は柔らかくなります。
また、Webトークと言えど「会話」であると考えると、相手の表情や頷き具合、ちょっとした仕草を見ることで
「伝わっているようだ」
「ちょっと今の話はピンと来なかったかもしれない。補足しよう」
など、自分の話の展開を合わせていくのが理想です。
カメラ目線ではこの確認ができず、一方通行になりがちです。
相手の反応は会話を深く展開させる上でとても大切なことです。見落とさないようにしましょう。
ちなみに私は「あ、今頷いてくれた!あるあるだったんだ、嬉しい!」など相手の小さな反応で達成感を感じたり伝わる喜びを感じたりしています。
(3) カメラレンズの横
カメラレンズから下に落とすのは良いのですが、左右はなるべく避けてください。
こちらを見ている印象はなく、どこか不安そうにも見えます。
説得力に関わりますので、日頃から左右に視線をずらす癖を解消するように努めましょう。
細かいですが、Webトークをしながらデータを探す際やPCを操作する時もあまりキョロキョロしないようにします。
ということは、日頃からデータの整理も必要ですね。
(4) 上を向くと…
考えながら話す、何かを思い出そうとするときに人は目線が上にいく傾向があります。
これも不安そうに見えます。
(3)と同じく普段の友人や家族との何気ない会話から「上に目線が動かないようにする」と決めて話すようにしてください。
リアルでの会話も同じ
今回解説したポイントは、そのままリアルでの会話にもあてはまる部分が多いです。
既に書いたように普段の会話から意識しているとWebトーク時の訓練になりますし、そのままリアルの会話も良いものになっていきます。
気をつけなきゃいけない点がどんどん出てくる…大変ということではなく、本質的なこととしてこの機会に取り入れてみてください。
アナウンサー・スピーチトレーナー
三浦由起子