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司法書士田中康雅事務所(川崎市麻生区新百合ヶ丘稲城市の相続手続登記相談)

認知症で遺言! 大丈夫?

2021.06.23 06:27

認知症だからといってすべての遺言が無効

とういうわけではありません


遺言能力があるかどうかで決まります。

認知症でも、遺言内容を理解できれば有効です。


ただ、個々の事例ごとに判断するしかなく、

形式的、画一的に決めることはできません。


一つの判断要素として挙げられるのが、

HDS-R(改定長谷川式簡易知能評価スケール


裁判でも有効無効の判断材料の一つとして

使われることがよくあります。

20点以下の場合は特に注意が必要で

個々の事情により有効無効が左右されます。


他の要素も考慮し総合的視点から判断されます。

たとえば、

・遺言作成時の心身の状態、病状 

・遺言の内容、複雑性(理解できるかどうか)

・遺言作成の動機、経緯

・遺言者の人的関係

・遺言書作成当時の診断書、鑑定結果

・遺言者の日記等(判断能力の記録)

・担当医師の見解、供述

・施設関係者等の看護日誌、供述


できるだけ有効な証拠資料を残しておく。

これ本当に大事です。

争った場合最終的に判断するのは裁判所ですから


公正証書遺言を作成してしまえば、

認知症でも大丈夫。

と思っている方も結構います。

しかし、

公証人は遺言者の心身の状態を

すべて知っているわけではありません。

遺言能力がないと判断されれば、無効です。

公正証書遺言の否認例少なからずあります。

公正証書遺言も100%有効はないのです。


認知症の方が遺言書く場合は、

有効無効につき、

他の相続人との間でトラブルが

多くなると予想されます。


せっかく書いた遺言、

後で無効にならないためにも、

相続の専門家や公証人には、

事前に症状等を伝えたうえで遺言作成して下さい



ちなみに、実現は難しいと思いますが、

成年被後見人の方も、

判断能力が一時的に回復していれば

遺言を書くことはできます。

この場合、医師2人以上が立ち会しをし、

その医師が判断能力をあった旨を

遺言書に付記して署名押印するのが必要です。




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