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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

アメリカ独立16-米合衆国憲法の制定

2021.06.23 10:21

独立を達成したアメリカだが、その内実は惨憺たるものだった。何よりも独立戦争のために国土は疲弊し、債務は溜まり、各州はバラバラだった。そんな中で1786年にはマサチューセッツで「シェイズの反乱」と呼ばれる貧困農民の反乱が起きた。外敵には対応できた大陸会議も、内乱には対応がうまくできなかった。

こうして13州の連合は、フィラデルフィアで連合規約の改正を論議することになった。が、そこでヴァージニア代表のジェームズ・マディソンは、統一した連邦政府の設立を訴え、統一された合衆国憲法を提案した。こうしてマディソンは「合衆国憲法の父」と称されることとなる。

彼が中心としてヴァージニア州が提案したたたき台は、両院制議会、政府の執行役、裁判官というモンテスキューによる三権分立が盛り込まれていた。彼は、正義を体現する者ではなく、単なる多数が数の力で、国を動かしていくことを恐れて、権力の制限を基本理念にしたのである。

87年9月17日、憲法草案が発表され、フランクリンは演説で、13州議会全州一致での批准を求めた。各州で激しい議論が展開されたが、88年6月21日ニューハンプシャー州が9番目に批准して発効することになる。この憲法の発布後、結局13州全部が批准することになるが、それは90年までかかった。