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鑑賞ノート『グリーンライ~エコの嘘』

2021.06.20 01:00


衝撃の映画でした!!!

多国籍企業の多くがいかに“真実”を隠しているか?

これは私たちが目を向けるべき問題だと感じた。

テスラ・モーターズ、イケア、BP、ユニリーバ、RWE…

世界に名立たる多くの企業がサステイナビリティを謳いながら、

実際は途上国などで環境を破壊している。

さらに、そこに住む人たちを、搾取している。

その実態を淡々と次々と暴いていく映画でした。


まずは、映画で取り上げられたいくつかの真実、

そして参加者の感想もご紹介したいと思います!



▶パーム油の真実

ユニリーバにパーム油を供給する農園の実態を語るインドネシアの人の言葉、

「パーム油はインドネシア人の血でできている。」

この言葉は胸に刺さった。

パーム油は日本においても様々な製品に使われている。

マーガリン、パンやポテトチップスなどの加工食品、洗剤など…

なぜ使われているか?

それは安いから。

なぜ安いか?

それは低賃金・強制労働によって人を酷使しているから。

それは原生林を破壊して、単一栽培によって環境を犠牲にしながら栽培しているから。


▶すべてが“グリーン”の世界

環境への関心が高まるとともに、企業は“グリーン”をマーケティングに活用している。

本気で地球環境のことを考えているわけでもないのに、

本当は環境破壊を進めているにもかかわらず、うわべだけの“エコ”を謳う。

こうした問題は“グリーン・ウォッシュ”と呼ばれている。

一般的に“エコ”とされて推奨されている電気自動車でさえも、

環境に非常な負荷をかけている実態があるという。

人類は誰かが作った物語の中に生きている。

現代の物語を創っているのは、“企業”や“経済”だろう。

彼らが語る“環境”や“持続可能性”は、

新たなマーケットを創造するための、新しいルールでしかない。

私たちは、もっと賢くならないといけない。

そして、消費者ではなく、人間として、市民として生きるべきだという。

そのために私たちにできることを、ノーム・チョムスキーは語る。

「企業が民衆の下にあるべきだ。」「そのためには体制を変えなければ。」

「民主主義や公民権運動などの歴史上の達成と同様に、不可能はない。」


▶参加者の声

「今の私が、どれだけの犠牲の上に存在しているのかと知り、心が痛くなりました」

映画の中では、”罪悪感”という言葉が使われていました。

そして、何も知らなければ、罪の意識を感じなくて済むようになっていることが、

現代社会の問題の根源なのかも知れないとかんじました。

「真実が表に出なければ嘘がまかり通る。知らないことが多すぎると実感した」


これだけ環境に興味を持っていても、知らないことが多くある。

隠されていることが沢山ある。そのことに気付かされる映画でしたね。


「ちょっと難しかった」


すみません!確かに、初回の上映会から難しいテーマを選びました。

でも、これが一番見たかったので選びました!


「私が衣食住を行うことは、大企業の恐ろしい環境破壊、人殺し、あらゆる悪を手助けしてしまっていることを知りました。」

「漠然と遠くに感じてきたものが身近になり、自分自身が選んで生きなければと強く感じました。」


本当に、そうですよね。こうした現実を見なくて済むようになっていることが、社会の根本にあることに気付かされました。


こうした背後にある現実を見るのは辛いこともありますが、

思いやりのある社会をつくるためには、

そこまでの想像力を持たなければならないのだと感じました。

また、できるだけ現場が見えるもの、できるだけ知っている人たち、手の届くところから、

本当に信じられるものを”選んでいく”ことから、始めたいと思いました。

▶次回のイベント

次回の映画は『1日1ドル生活』です!

グアテマラの貧困地域を旅したアメリカの若者たちが1日1ドルで生活する様子を記録した実践ドキュメンタリー。

ムハマド・ユヌス(ノーベル平和賞受賞者)が「極度の貧困の中で人生の困難と希望を見出せる必見の映画」と評する映画です。

豊かであっても希望が見いだせない人の多い日本にあって、きっと希望について考えるヒントにもなる映画だと思います。