鑑賞ノート『グリーンライ~エコの嘘』
衝撃の映画でした!!!
多国籍企業の多くがいかに“真実”を隠しているか?
これは私たちが目を向けるべき問題だと感じた。
テスラ・モーターズ、イケア、BP、ユニリーバ、RWE…
世界に名立たる多くの企業がサステイナビリティを謳いながら、
実際は途上国などで環境を破壊している。
さらに、そこに住む人たちを、搾取している。
その実態を淡々と次々と暴いていく映画でした。
まずは、映画で取り上げられたいくつかの真実、
そして参加者の感想もご紹介したいと思います!
▶パーム油の真実
ユニリーバにパーム油を供給する農園の実態を語るインドネシアの人の言葉、
「パーム油はインドネシア人の血でできている。」
この言葉は胸に刺さった。
パーム油は日本においても様々な製品に使われている。
マーガリン、パンやポテトチップスなどの加工食品、洗剤など…
なぜ使われているか?
それは安いから。
なぜ安いか?
それは低賃金・強制労働によって人を酷使しているから。
それは原生林を破壊して、単一栽培によって環境を犠牲にしながら栽培しているから。
▶すべてが“グリーン”の世界
環境への関心が高まるとともに、企業は“グリーン”をマーケティングに活用している。
本気で地球環境のことを考えているわけでもないのに、
本当は環境破壊を進めているにもかかわらず、うわべだけの“エコ”を謳う。
こうした問題は“グリーン・ウォッシュ”と呼ばれている。
一般的に“エコ”とされて推奨されている電気自動車でさえも、
環境に非常な負荷をかけている実態があるという。
人類は誰かが作った物語の中に生きている。
現代の物語を創っているのは、“企業”や“経済”だろう。
彼らが語る“環境”や“持続可能性”は、
新たなマーケットを創造するための、新しいルールでしかない。
私たちは、もっと賢くならないといけない。
そして、消費者ではなく、人間として、市民として生きるべきだという。
そのために私たちにできることを、ノーム・チョムスキーは語る。
「企業が民衆の下にあるべきだ。」「そのためには体制を変えなければ。」
「民主主義や公民権運動などの歴史上の達成と同様に、不可能はない。」
▶参加者の声
「今の私が、どれだけの犠牲の上に存在しているのかと知り、心が痛くなりました」
映画の中では、”罪悪感”という言葉が使われていました。
そして、何も知らなければ、罪の意識を感じなくて済むようになっていることが、
現代社会の問題の根源なのかも知れないとかんじました。
「真実が表に出なければ嘘がまかり通る。知らないことが多すぎると実感した」
これだけ環境に興味を持っていても、知らないことが多くある。
隠されていることが沢山ある。そのことに気付かされる映画でしたね。
「ちょっと難しかった」
すみません!確かに、初回の上映会から難しいテーマを選びました。
でも、これが一番見たかったので選びました!
「私が衣食住を行うことは、大企業の恐ろしい環境破壊、人殺し、あらゆる悪を手助けしてしまっていることを知りました。」
「漠然と遠くに感じてきたものが身近になり、自分自身が選んで生きなければと強く感じました。」
本当に、そうですよね。こうした現実を見なくて済むようになっていることが、社会の根本にあることに気付かされました。
こうした背後にある現実を見るのは辛いこともありますが、
思いやりのある社会をつくるためには、
そこまでの想像力を持たなければならないのだと感じました。
また、できるだけ現場が見えるもの、できるだけ知っている人たち、手の届くところから、本当に信じられるものを”選んでいく”ことから、始めたいと思いました。
▶次回のイベント
次回の映画は『1日1ドル生活』です!
グアテマラの貧困地域を旅したアメリカの若者たちが1日1ドルで生活する様子を記録した実践ドキュメンタリー。
ムハマド・ユヌス(ノーベル平和賞受賞者)が「極度の貧困の中で人生の困難と希望を見出せる必見の映画」と評する映画です。
豊かであっても希望が見いだせない人の多い日本にあって、きっと希望について考えるヒントにもなる映画だと思います。