「宇田川源流」<現代陰謀説> いかに情報が大事なのかがよくわかるイギリスの「EU離脱後の通貨」
「宇田川源流」<現代陰謀説> いかに情報が大事なのかがよくわかるイギリスの「EU離脱後の通貨」
金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。私自身は本来陰謀よりもじょうほうというようなことを中心に物事を行いたいのであるが、日本では「情報」といってしまうと、どうもコンピューターやネットの話になってしまうので、その辺がややこしい。もちろん「陰謀」というと愚にもつかないサブカルチャーの話にしかならない場合があるが、完全にまじめな世界でも誤解されてしまう「情報」という番組に比べて、はるかにそちらの方が書きやすいと判断して「陰謀説」としている。
なぜこんな話をしたのかというと「陰謀説」でも当然に「情報」ということが重要になってくるのであり、情報がなければ陰謀を仕掛けることもまた陰謀を見抜くこともできない。つまり「陰謀」とは情報の集積でありまたその情報における「解釈力」の勝負ということになるのである。
この「情報」に関する内容は何も今になって重要になったわけではなく、昔から情報ということは非常に重要視されている。世界で最も古い職業は「売春」といわれるが、同時に「スパイ」もあったといわれている。ヨーロッパではどこに多くの獲物がいるのか、そのことがわからなければ首領社会において村全体が飢えてしまう。そのように考えてしまえば、隣の村に行ってそのような「情報」を聞き出すということは、そのまま自分たちん集落の生死を分けることになってしまうのである。
情報というのはそのように重要なものなのである。
英、暗号解読者チューリングの新50ポンド紙幣発行
【AFP=時事】英国で23日、新50ポンド紙幣が発行された。第2次世界大戦(World War II)中の暗号解読者アラン・チューリング(Alan Turing)の肖像が描かれている。23日はチューリングの誕生日だ。
数学者だったチューリングは、現代のコンピューター科学の父と呼ばれる。1941年、ナチス・ドイツ(Nazi)の暗号機「エニグマ(Enigma)」の解読チームを率いた。
英中央銀行であるイングランド銀行(Bank of England)のアンドルー・ベーリー(Andrew Bailey)総裁は、「同性愛者でもあり、そのせいで過酷な扱いを受けた」チューリングを新紙幣に採用することで「その功績と、チューリングが象徴する価値観をたたえる」と説明している。
【翻訳編集】AFPBB News
2021年6月23日 12時41分 AFPBB News
https://news.livedoor.com/article/detail/20414066/
さて、読者の皆さんはチューリングという人物を知っているであろうか。
アラン・マシスン・チューリングは、イギリスの数学者、暗号研究者、計算機科学者、哲学者であり、電子計算機の黎明期の研究に従事し、計算機械チューリングマシンとして計算を定式化して、その知性や思考に繋がりうる能力と限界の問題を議論するなど情報処理の基礎的・原理的分野において大きな貢献をした。
ただそのような話よりも最も有名なのは「誰も解読することができない」といわれたドイツ海軍の暗号「エニグマ」を解析したことで有名なのである。
暗号解読というのは、主に2つの作業と実証から行われる。一つは暗号の基本を理解すること。もちろん解読はプロであるが暗号がどのような形式で変換されているのかということである。例えば有名な「ニイタカヤマノボレ1208」という暗号がある。真珠湾攻撃を行う日が12月8日であるということであるが、これは「ニイタカヤマノボレ」という言葉が事前に真珠湾攻撃のことであるということを知らなければ、解読できるものではない。しかし、他の暗号であれば「A⇒Z」のように、何か文字を変換する内容なのか、あるいは対照表があるのかというようなことでその暗号の性質が変わってくる。
「ニイタカヤマノボレ」のような場合は、それが意味することをスパイを使って解読しておかなければならない。日本の場合、これが「MI作戦」」というような暗号を使い、それがミッドウェイであるということがばれて空母4隻を失うことになるのである。その内容の言葉が「意味すること」を知るタイプなのか、文字変換型なのかによって、全く異なるということになるのである。
その基本を行った後は、その暗号を数多く集め、そしてその解読を行うということになる。もちろん暗号電信をそのまま入手するということだけでも大変である。もちろんその内容を知らなければできないということになる。エニグマは、まずはあhん号電信が行われていただけではなく多層構造の乱数表を使い、その時にどの乱数表を使うかの指示が流れた後に、暗号文が届くという方式であった。
それを解いたのがチューリングである。
このエニグマを解読したために、「D/DAY」つまり史上最大の作戦といわれる反転攻勢を仕掛けることができ、そのことから連合軍が一気に勝利に近づくのである。ミッドウエイもD/DAYも、いずれも戦争に負けたことになるが日本とドイツは「情報戦」に負けたのである。
この功労者、つまり現在の「連合国(国連)平和体制」を作った功労者チューリングが50ポンド札の肖像画になった。まさに、このことこそ、イギリスが「情報」を重要視していることの証左なのである。日本も明石元次郎・甘粕正彦・藤原岩市など伝説の人々がいる。そのような人々が受け入れられる日はいつ来るのであろうか。その日になれば、日本は情報大国になっているはずなのである。