Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

フランス革命の道20-弁護士ロベスピエール

2021.06.24 10:32

1788年、この年はイギリスの名誉革命百周年にあたる。イギリスにあこがれる啓蒙知識人はフランスも、と思っていた。ところが百年の時が過ぎ、思想は進化した。フランスはルソーの思想が席捲した。ルソーは、自然状態では人間は平等と言った。啓蒙とは光。その真理の光に目覚めれば、理想が実現すると思った。

三部会が招集されると決まり、それは何か、が問題になった。そしてルソーの「人民」という概念があてはめられた。つまり身分も階級もない、抽象的な人間である。そしてだんだん人民=第三身分ということになってゆく。抽象的な理想が暴走してゆくことは、宗教改革のような変革の時代によく見られる。

さらに復活した高等法院は、出版の検閲制度をやめた。これによって、現代のSNSのような、なんでもありの言論パンフレットが巷にあふれだして行く。そして、世界史の教科書に載っている第一、第二身分が第三身分に乗っかっている、という絵があちこちで形を変えて出ていくのである。

マクシミリアン・ロベスピエールは、アラス州の優秀な若手弁護士だった。三部会と共に国王への陳情書をあげることが許可され、彼は、市井の人の陳情書作りに精を出していた。その中で政治的なパンフレットも作るようになる。そして州の第三身分代表に立候補していくのだ。