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超人ザオタル(19)道の意味

2021.06.25 00:17

私はその日から岩山で瞑想の日々を送った。

ミスラは消えてしまったが、私の道はまだ終わっていないのだ。

終わっていないどころか、まだまだ先が見えなかった。

私がやっていることも、本当に道の終りへ続いているか分からない。


岩山の上に座って目を閉じる。

私の意識は深いところに落ちていく。

そこで私は自分が在るというところに焦点を合わせる。

それがずれたなら、また自分に戻していく。


自分が在るという感覚はあるが、それは姿形がない。

それは身体や思考ではないのだ。

在るという一種の感覚でしかない。

それでしか認められないものだ。


そのため、私の焦点は心の中の何かを探し出してずれていく。

そこからずれたなら、ずれたと分かる。

そうしてずれると、自分が在ると分からなくなる。

そしてまた、見えもしないその感覚に戻る。


こうしていれば自分は誰なのかを理解することができるのか。

理解できたことは自分とは姿形がない透明な存在だということ。

それでどうだというのだろうか。

それはもう知っているのだ。


これ以上、そのことに関わっている必要があるのか。

瞑想の領域が切り替わるのが分かった。

気づくと私はあの岩山に座っていて、隣にアムシャがいた。

「このまま瞑想を続けていけるのか、ザオタル」


静かな口調でアムシャはそう言って私を見た。

「この道の厳しさは苦痛があるからではない。

この道を行く理由が自分の中に芽生えずらいところにある。

それがなければ、以前の道を選択する場所へ戻ることになる。


ほとんどの人がここを去っていく。

本当の自分を見つけて、それが意味のないことだと結論づけるのだ。

だが、本当の自分の真実とはもっと奥行きがある。

それを知るためには、日々の瞑想が必要だ。


硬い地面を削るように、そこを掘り下げていかねばならない。

その先で真実に到達した時、何かを知るのだ。

表面的な一部の感覚ではない全知になる。

それもいまは信じるか信じないかの言葉でしかないが。


それでも、ザオタル、この瞑想を続けていくか」

私は即座に答えた。

「この瞑想をやめるつもりはありません」

ここまで来たら、最後まで極めてみるつもりだ。


ミスラがここまで導いてくれた。

それが何の意味もないとは思えなかった。

それに私はその意味の一端をつかんでいる気もしたのだ。

意味がないと思えることもその一部だ。