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地域特性を活かしつつ「食と健康づくりの拠点」となるセンターに――令和3年度第2回市議会一般質問②

2021.06.27 07:35

6月議会レポートその2、6/11おんじょう議員の一般質問です。

議会録画から書き起こしたもので、正式な議事録ではありません。


●公明党おんじょう由久議員

おんじょう議員:

中学校給食のセンター整備の考え方についておうかがいします。中学校給食の件につきましては、22番議員(いわせ議員)より質問がございましたが、私からは、給食センターの機能やコンセプトについてお伺いしたいと思います。

昨年9月定例会において、我が党松葉議員の質問に対し、市長より、新たな給食の提供方法についても検討する旨、ご答弁をいただきました。

このご答弁を機に中学校給食の検討が大きく動き出し、求めていた防災機能、「おうちでごはん」事業や高齢者への配食など、給食センターを中学校の生徒の皆さんためだけではなくて、全世代に向けた、また、地域全体の拠点に向けたご検討を進めていただいていると認識しております。地域づくりの視点で、公共施設をつくることが大切であります。こうした地域づくりという視点で、給食センターを位置付けるうえで、方針やコンセプトをしっかり決めて進めていくことが大変重要でありますし、また、町田市ならではの取り組みにも期待をしているところでございます。そういう意味において、本件はぜひ、市長にもご答弁をいただきたい、こう思っております。そこでお伺いします。

中学校給食のセンター整備の考え方について(1)全世代に向けた地域の食の拠点を目指すべきと訴えてきたが、どのようなコンセプトで検討をしているか。(2)仮称町田市中学校給食センター整備基本計画の策定スケジュールは。


市長:

おんじょう議員のご質問にお答えをいたします。

(1)についてでございます。中学校での全員給食を導入するに当たりましては、安心安全な給食提供、このことはもとよりでございまして、市内3ヶ所に配置する給食センターを、それぞれの地域の中で食を通じた地域みんなの健康づくりの拠点として、機能させていく考え方でございます。

新しい給食センターにつきましては、調理場という生産機能にとどまらず、地域の方々が気軽に立ち寄って、みんなで食事をして交流したり、食について知ったり、学んだりできる空間とすることで、健康づくりやコミュニティ形成の拠点にしていくことを考えております。食を中心とした地域の健康づくり活動は、食べる・知る・学ぶ・交流する・運動するなど、多面的にとらえることができます。

2021年度、今年度取り組む「仮称町田市中学校給食センター整備基本計画」の検討に当たりましては、例えば、地域の施設や団体に給食を届けたり、栄養士や調理技術者の専門知識を生かした講座や情報の発信、さらに、そこから発展して健康教育や健康相談の場としてなど、給食センターが多種多様に活用されるよう、ハード・ソフト両面からの工夫や取り組みの方向性について検討をしてまいります。

今回、建設候補地として選定をいたしました3ヶ所は、団地内であったり、公園や恩田川、広場などのオープンスペースと一体的な空間であったり、それぞれ固有の立地特性がございます。この立地特性を生かしまして、例えば旧忠生第六小学校跡地につきましては、食とスポーツの視点を複合した健康づくり活動の拠点。東光寺公園では、恩田川沿いの散策やランニング、公園遊びなどの休憩スポットなどとして、それぞれの地域ならではの給食センター整備に取り組んでまいりたいと考えております。

また、給食センターの担う食に関する防災機能といたしまして、3ヶ所に分散配置するということを活かして、災害時の食料備蓄の拠点とするとともに、災害時の炊き出し機能を備えることや、消防団との連携なども有効であると考えております。

次に(2)、「町田市中学校給食センター整備基本計画」の策定におきましては、「食と健康づくりの拠点」をコンセプトに据えまして、より具体的な取り組み策も想定をしながら検討を深めてまいります。いずれの給食センターも地域の皆様のご理解が必須であることから、今定例会の後、すぐに基本計画の策定に着手するとともに、地域の皆様との意見交換を重ねてまいります。

基本計画の中では、給食センターの規模や必要となる基本性能を整理するとともに、食育・地産地消・地域連携・環境配慮など、多様な視点・観点からの取り組みの方向性を検討いたします。また、これと並行いたしまして、PFI導入可能性調査によりまして、有効な事業手法を選定し、これらを踏まえまして、概算事業費を含めた財政計画をまとめてまいります。

これらの検討結果につきましては、2021年、今年の12月までに計画案として取りまとめ、市民意見募集を実施してまいります。


おんじょう議員(再質問):

3項目めの中学校給食のセンター再整備の考え方について再質問させていただきます。

先ほどは市長より、給食センターを食を通じた地域みんなの健康作りの拠点として、様々なお考えをお示しいただきました。生徒のための施設であると同時に、地域みんなのための施設であること。給食のための施設であると同時に、知る・学ぶ・交流する・運動するための施設である。こうしたコンセプトで付加価値の高い施設、あるいはそうした機会をつくりあげていく。そういった地域づくりの視点で施設をつくることの試金石になってくるというふうに思っております。地域と繋がりを持つ町田市ならではの、給食センターを目指していただきたいと思っております。

そこで、給食センターが食を通した地域交流や健康づくりなどについて、具体的には、どんな活動イメージを描いているのか。まずはお聞かせいただきたいと思います。


学校教育部長:

給食は栄養士の手による栄養バランスも優れた食事であり、給食を食べることによる健康づくりの点から、まず給食センターの中で、多くの皆さんに、実際に給食を味わってもらう場を設けまして、子どもたちや保護者のかたへの試食会なども催していきたいと考えております。また、子どもの施設や地域の会合、スポーツクラブをはじめ、子どもや高齢者の食を支える既存の取り組みとも連携し、ご要望に応じて食缶に入れた給食をお届けすることができないかとも考えているところでございます。

栄養士や調理の技術を生かした、食を知る学ぶ機会といたしましては、離乳食や幼児食をはじめとするクッキング講座や、食や栄養に関する健康教育講座、そういうものなどを展開していきたいと思っております。さらに食で体の機能を高める面からは、まちトレなどの活動や専門機関とも連携し、食生活、生活習慣、運動などの健康づくりに関する幅広い情報発信や、体験提供の取り組みを模索してまいります。

現在関係各部との間で、これらの活用アイディアを検討しているところであり、民間事業者の提案も受けながら、地域のニーズに応じて、幅広に対応してまいりたいと考えております。


おんじょう議員:

町田市ならではの、というところを感じるお話でしたけれども。もともと給食センターを防災面での拠点にしていくことを軸にですね、多機能化の提案させていただいておりましたけれども、防災面での取り組みについては、具体的にどのようなイメージかお聞かせいただきたいと思います。


学校教育部長:

まずは、給食用にストックしてある食材を地域に迅速に提供することから始めて、これに加えまして、専用の食材や炊き出し用備品を備え、炊き出しによる温かい食事を提供いたします。さらに被災の状況に応じて、地域の災害拠点に食事を配送することなども考えられます。

被災地での事例を見ますと、被災直後に施設内のトイレやシャワーなどの設備を地域の皆様に使ってもらえるようにすることから始めた、ということも聞こえております。いずれにしましても、災害時に給食センターがどのような役割を果たせるかを幅広に検討いたしまして、できる限り柔軟な対応を図っていこうと考えています。


おんじょう議員:

ぜひ、今回の給食センターについては、公共空間の新たな活用方法として検討いただきたいと思いますし、新たなコミュニティの核、あるいは地元愛に繋がる拠点といった視点から、先駆的な取り組みをご検討いただきたいと思います。それと地産地消というお話も冒頭ございましたけれども、地産の「産」のほうにも目を向けてですね、全員給食を機に、子どもたちをはじめ多くの市民の方の協力を得てですね、町田市の農業の活性化に繋げていくという視点でもですね、ご検討いただくのは手ではないかななんて思ったりもしています。こうした地域づくりといった視点でですね、取り組みは様々あろうかと思いますが、先駆的な取り組みという観点において、お考えのことがあればお聞かせください。


学校教育部長:

はい。これからの公共空間は、空間をフレキシブルに柔軟に使える多機能性が重要となります。給食センターでは、例えばキッチンがついた多目的スペースを併設すると、先ほど申し上げました、食べる・知る・学ぶ・交流する・運動するといった様々な活動のフィールドとなり、多世代が食を通して交流活動することができると考えております。

また、議員のおっしゃる通り、地産地消の点からは中学校給食での取り組みにおいて、市民が町田の農業に関わる機会を多く設けることで、町田の農業への市民理解を醸成し、さらには町田の農業を支え、農業の活性化に繋げるという波及効果を期待することができます。

公共プロジェクトにおいて、異なる分野との連携を効果的に仕掛けることにより、多くの分野の活性化に繋げる点で、給食センターが先駆的な取り組みとなれればと考えております。他市での参考事例をよく研究しながら、地域に喜ばれ、かつ地域産業の活性化に繋がるような空間にしてまいりたいと考えております。


おんじょう議員:

お話通りですね、こうした地域との繋がりですとか異なる分野との連携とか、これらを通した市民サービス向上という視点から、事業スキームとしていわゆるPFI手法を候補とすることは大変有効だと思っておりますし、よく研究していただきたいと思います。PFIの導入可能性調査を行うというお話もございましたけれども、給食センターの整備また運営における民間活用ということにおいては、どのような期待をされているか、確認をしておきたいと思います。


学校教育部長:

はい。先行他市の整備事例を見ましても、給食センターにおけるPFI手法導入の事例は多く見られます。給食センターは特殊で専門的な機器や設備を配置しつつ、衛生的で効率的な作業動線を設定する必要のある工場施設であり、設計時点から、実際に運営する側が参画し、調理作業の仕方や納入機器を想定しながら、計画整備することが効果的であると考えております。

またPFI手法では、地域を含めた他分野の事業者が連携する体制を構築することで、分野横断による新しい取り組みや事業の拡大可能性を期待できます。


おんじょう議員:

ありがとうございます。そういった意味で民間、それと地域、こういったところといかにコラボレートしていくかというところが一つポイントになってくるかと思います。大切になってくるのはやはり地域づくりという視点で考えますと、地域の声をしっかりと聞いていく。これが大変重要であります。

3つの拠点それぞれの地域で特徴出しの要素も織り交ぜていくことを、冒頭で伺いましたけれども、地域との丁寧な対話をぜひお願いしたいと思っております。地域の声を聞く取り組みについては、現在どのようにお考えでしょうか。


学校教育部長:

すでに町内会、自治会をはじめ関係者の方々と少しずつお話を進めさせて回ってございます。計画策定時に限らず、給食センター稼働まで、継続して地域の多様な主体の方々にご相談しながら、また子どもたちをはじめ、いろいろな世代、多世代の方々に関わっていただきながら、今後丁寧に進めてまいりたいと思います。


おんじょう議員:

はい、ありがとうございました。基本計画の策定スケジュールとして、今年12月までに計画案を策定するというお話でした。早期実現を求められている中で、日程感としてもスピーディーに進めていくお考えだと思っております。すでに実現させたい時期も公表しておりますし、密度の濃い検討や議論が必要でしょうし、選択を迫られるというシーンも出てくるものと思います。複合的な給食センターの設計に向けてハード面、ソフト面、両面で工夫検討を行うということでありましたけれども、ソフト面での拡張性を保持しながらですね、ハード設計の日程を確保しうる格好で、しっかりと推進をお願いしたいと思います。

地域に歓迎される、地域が求めるそんな給食センターを目指してですね、関係者皆さんのご尽力に期待しつつ、以上をもって、本件並びに本日の一般質問を終了したいと思います。ありがとうございました。

(了)