広島市平和推進基本条例の可決成立にあたって
広島市役所の公式サイトによると、2021年6月25日に、「広島市平和推進基本条例」が広島市議会において可決されたとのことであります。2021年1月15日から2021年2月15日にかけて、「広島市平和の推進に関する条例(仮称)素案に対する市民意見募集」が行われましたが、弊社も、ミャンマーにおいて政変が発生した日の翌朝にあたる2021年2月2日未明に修正意見を提出させていただき、さらには、世論の喚起を図るため、この内容をネットで公開した上で、条例案の行方に関心を寄せて参りました。
政策立案検討会議は、2021年6月8日に、検討結果を議長に報告したとのことであり、「政策立案検討会議 検討結果報告書」によれば、条例の内容は一箇所につき表現上の修正がなされ、条例素案の題名の名称もまた若干の修正がなされたにとどまったことが分かります。
また、2021年6月21日に公表された「広島市平和の推進に関する条例(仮称)素案に対する市民意見募集の結果及び提出された意見の概要と政策立案検討会議の考え方」には、提出者総数約600人・団体、意見総数約1000件の内、主な意見に対する見解が記されており、この内、弊社等が提出した「軍都としての歴史」や経緯、「過去の不正義」「平和の構築」「体系化及びソフトパワー化」等の文言の加筆修正意見に対して、「被爆体験から平和を希求する被爆者の思いに基づいた平和の推進に関する施策の継続的な実施を確保するということが、本条例の制定目的である」「「盛り込んでもいいのではないか」という意見もありましたが、被爆都市である本市として、本条例を通して、何より「『絶対悪』である核兵器の廃絶」を目指して市民の皆様と共に取り組んでいただきたい」等との理由により、結果的に不採用となったことを、非常に残念に思います。それでも、「平和教育」「平和研究」等は、それぞれ第7条第2号、第4号等によってカバーされているとの見解が示されたことにより、当面は一側面に留まるかもしれないとしても、「平和教育」「平和研究」等への支援に対して法的根拠が与えられたことを、評価したいと思います。
さて、戦後3世代以上の時が流れた今でもなお、日本社会において過去の完全直視が難しいという現状について、その構造的な原因を明らかにし、日本社会に対して徐々に根本的な変化をもたらすかもしれないのみならず、他地域にとっても大いに参考となるかもしれないのが、例えば、幕末期に、平和や議会開設を唱えて暗殺され、その後も長らく闇に消されていた「赤松小三郎」という人物の生き様であるかもしれません。
ミャンマーの一件等、厳しい世界情勢が続く中で、弊社は、一般的なビジネス業務のみならず、国境の壁を超えられずに特定の地域に留まっている優良作品を掘り起こし、出版翻訳、著作権代理等の形にて、世界に向けて平和を発信することを通じて、世界平和のために貢献して参りたいと思います。
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