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”ぐるじあん”のグルジア趣味日記

グルジア軍とアーセナル社製MG-1M

2017.01.14 21:36

今回はグルジア軍絡みのウンチクです。
グルジア軍といえばソ連製兵器!という印象の方がほとんどで、一部にはそのイメージが先行しすぎて、決して関係が良好とはいえないロシアから主に武器を輸入していると思っている方も珍しくはないのではないでしょうか。
実際のところはストックホルム国際平和研究所といった公開された情報を見る限りは独立直後にわずかな量の武器をロシアから取得しているものの、ほぼ全てチェコやウクライナといった東ヨーロッパ諸国から購入して得た物と、旧ソ連軍からの引き継ぎ品となっています。
そんな中で、グルジア軍の中ではXM15ライフルやIMI ネゲヴと並んで比較的最近導入された武器がブルガリア、アーセナル社製MG-1M機関銃になります。

従来のグルジア軍もAK74などをブルガリアといった東欧諸国から導入していました。
しかし2007年にアメリカ製のXM15が、2011年にイスラエル製のIMI ネゲヴが、と欧米製小火器が続々と新しく導入される中、MG-1Mは東側の血を引いた数少ない新式の小火器という面白い立場にあります。
ちなみにXM15はAK74の、ネゲヴがRPKの後継に当たりますが、MG-1MはPK、PKMの後継にあたります。

MG-1Mの特徴は、まずは弾薬が7.62x54mm弾の他に7.62x51mm弾が使用できる2種類のモデルがあります。
現在のグルジア軍でも少数のPK,PKMが運用されているため、弾薬を共通化しているのか、それとNATO弾に変更しているのか、ハッキリとはわかりませんが、小火器オタクの方だと弾薬を見れば分かったりするかも?

さて、見た目上の最大の特徴とも言えるのはバレルです。
メーカーの売り文句によれば、冷間鍛造加工したクロムメッキバレルによって冷却効果を増大しているとのことで、従来のPKに対して30%ほどバレルが長持ちするそうです。
見ての通りPKのような溝に合わせてジャギジャギが入っているのがわかりやすい見た目上の特徴ですね。
次にグリップとストックが耐性ガラス繊維強化ポリカプロアミド(機械翻訳まんま)製になっています。
電動ガンで言うとA&K PKMの無印に似ていますね。
PKやPKMが一般的にはベークライトの木製ストックが取り付けられている事を考えると、この点も特徴的です。
また、全体的なデザインをナウい感じにしているそうです。
(私はそこらへんはかなり疎いので黒いジャギジャギしたバレルのPKに見えちゃうんですがね)


さて、適当にアーセナル社HPなどで確認した情報なんぞ誰でも見れますので、英語が得意な方は是非そちらを見ていただければ、よりMG-1Mに明るくなれると思いますので、ここからはグルジア軍でのお話です。


グルジア軍がMG-1Mを具体的にいつ購入したか…というのはぶっちゃけ分かりません。近年契約が結ばれたクロタル対空ミサイルや、アメリカから供与されたアイルランド型カッターなどは報道されましたし、各グルジア公的機関も発表はしましたが、さすがに1丁1丁の小火器を買ったどうしたという報道は目にしていません。といってもネゲヴはXM15は国防省が発表した事があるそうなので、国防省NEWSを探れば見つけ出せるかもしれませんが、さすがにそこまで労力が避けませんでした…(国防省HPで色々検索はしてみましたがヒットせず)

一般的にメディア露出するようになったのは2010年からとなっています。
例えば上記の写真は2010年にアフガン派遣を控えた第31軽歩兵大隊の兵士がパレードを行っている物ですが、真ん中といちばん奥の兵士以外はMG-1Mを持っていますね。
XM15はやや早めの2007年に採用されていますが、ネゲヴやガラッツといったグルジア軍の新式小火器も同時期の導入ですので、個人装備を含めて大きな転換を行った2010年前後であることは間違いないかと思います。

こちらは2013年の第31軽歩兵大隊の演習の画像です。
かなーりわかりにくいですが、ハンヴィーにマウントされている機関銃はMG-1Mになっています。
余談ですが、グルジア軍ではハンヴィーに主にMG-1Mをマウントしています。
アメリカのようにM2や、ウクライナのようにDSKHではないのがちょっとした特徴ですね。
イメージとしてはMINIMIをマウントする事が一般的な自衛隊の軽装甲機動車みたいなものでしょうか?(いちおうグルジアは分隊支援火器ではなく汎用機関銃というチョイスですが…)

そして去年の第52軽歩兵大隊の演習です。
個人的な印象ではPK、PKMとMG-1Mの混在はここ最近はほとんど見なくなってきたように感じます。
もちろんAK74といった古い装備を持ち出した演習もありますので、一概には言えませんが、基本的には軽歩兵と機械化歩兵はMG-1Mに置き換わっているようですね。


さて、という事で今回はただたんに2010年以降、軍装的に言えばグルジア軍がマルチカム装備に変わってからの機関銃はPKやPKMではなく、正確に言えばブルガリアのMG-1Mだよということをお伝えしたいだけの記事でした。
ぶっちゃけ私は銃に対する知見はほとんどなく、ベースモデルのPKについても素人同然ですのであまり冴えた記事にはなってないとは思います。
グルジア軍がちょっと変わりどころの機関銃を使っているといった事が伝われば御の字かなと思うところです。


※アーセナル社HPほか、色々参考サイトをリンクしたかったのですが、Amebaに不正なうんぬんかんぬんと言われてしまいましたので、掲載は無しです。ご了承ください。

グルジア軍の海兵隊との合同演習での一幕。冒頭にPK、中盤からMG-1Mが出てきます。