わんちゃん猫ちゃんの「チョコレート中毒」について
たまなわ新聞「のっぽ先生のペットと暮らそう!!vol 209
12月号 をもとに記載しております。
今回は、ワンちゃんやネコちゃんの身近な中毒である
「チョコレート中毒」
についてお話します。
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人では近年、健康食品としても見直されてきているチョコレートですが
一方で、ワンちゃんネコちゃんにとっては有害な嗜好品として知られ、
うっかり目を離したすきに誤食されてしまった・・・・など、
ヒヤリとした経験をお持ちの飼い主様もいらっしゃると思います。
チョコレートには、カフェインと似た成分である、
「テオブロミン」 という物質が含まれており
大脳や呼吸器、心臓、筋肉に対して強い興奮作用を持っています。
テオブロミンはチョコレートの原料であるカカオマス(カカオ豆)や
コーヒー、ココア、お茶、コーラなどにも含まれますが
特にチョコレートは高い含有量を有します。
適量を食すと、人では覚醒効果が得られますが、
ワンちゃんやネコちゃんは、このテオブロミンの分解と排泄に時間がかかり
身体の許容量を超えて中毒症状を発症しやすいことが知られています。
ただし、全てのチョコレートにテオブロミンが含まれているわけではありません。
ミルクチョコレートやホワイトチョコレートはカカオの含有量が少ないため、
テオブロミンの量も少量です。
カカオの含有量が多いビターチョコレートには多く含まれているので、
ワンちゃんやネコちゃんにとっては、より危険であると言えます。
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チョコレート中毒の症状
嘔吐・下痢・発熱・興奮・頻脈・不整脈・運動失調・ふらつき
多尿・パンティング(呼吸が荒くなる)・腹痛 ・・・など、多岐にわたり、
さらに症状が進むと
痙攣・呼吸困難・昏睡状態となり、
死に至ります。
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中毒症状の目安
一般に、食べてから6〜12時間後に中毒症状が現れます。
中毒症状の目安
・軽度な異常は 20mg / kg
・重篤な症状 40〜50mg / kg
・痙攣が起きる可能性 60mg / kg
・致死量 250〜500mg / kg
ただし、チョコレートに含まれているテオブロミン含有量は製品に詳しく記載されておらず、
チョコレートの種類によっても大きな違いが見られ、かつペットちゃんの個体差もありますので
一概にチョコレート何gから危険、と断言するのは難しいのが現状です。
チョコレートに含まれるテオブロミン量の目安
(あくまでも目安です)
・純粋な甘味を加えていない製菓用に使われるベーキングチョコレート
100g あたり 1300 mg以上
・チョコレートとしてよく口にするスィートチョコレート
100gあたり 500mg程度
・ミルクチョコレート
100g あたり 200〜250mg程度
参考
上記に当てはめ、軽い症状が出始める目安
・小型犬(5kg) ミルクチョコレート50g
・中型犬(10kg) ミルクチョコレート100g
・大型犬 (20kg) ミルクチョコレート200g
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対処法、治療など
食べてすぐならば、病院では催吐処置をして吐き出させ、
活性炭や強肝剤の投与などを行います。
併せて血液検査などの精査を行い、点滴をしたり、胃腸薬を処方したり、
症状に合わせた治療となります。
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最後に
ひとにとっては問題がないにも関わらず、
一緒に暮らすワンちゃん、ネコちゃんに毒性を持つ食品は、意外と多いものです。
チョコレートは少量では致死量に至らないとされているものの、
危険な食べ物であるという認識を持ち、
誤食されないように注意して下さい。
2017.1/20(金)
大船「のっぽ動物病院」
たまなわ新聞「のっぽ先生のペットと暮らそう!vol.209」より
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