Satoshi motosawa DECOHAIR

重なった色のように。

2017.01.15 07:00

どうやら故郷では寒波の影響で雪が降り積もっているようだ。そんな折、

美容室で、昔一緒に勤めていた後輩が、髪をやりついでに、懐かしい話を土産に持ってきた。



ボクが大変世話になった、同期入社の女性に先日、後輩が久しぶりに会ったと言う。

後輩に子供が生まれたので、顔を見にきがてら昔話や、白髪が増えたとか、お互いの子供の話しやら、盛り上がったのだと。



思い返せばもうその同僚の女性が結婚し、退職してからだから10年以上も経ったんだねと、後輩と話していた。

ボクの話も少し出たらしい。


どうやら美容師はやっていないが、お子さんもいて、御主人の仕事を手伝いながら過ごしているそうだ。





よくその同期の彼女の髪を切ってあげたりしたもんだ。その頃からしたら自分も少しばかりは、技術もつけ、知識もつけて美容師として成長した気がするが、

人間としてはどう映るだろうか、色々ツッコまれそうな気もするが(笑)




とても綺麗な女性だった。

髪が長くて、自分でヘアアレンジするのが上手な人だったのを思い出す。




「淡い色はコロコロ変えずに重ねていったほうが綺麗だよ。」


そんな説明しつつ、後輩の髪をトーンの高めのアッシュに。前回よりも少し深みを増した。



降り積もった雪は消えてしまうが、

重ねていった色は少しずつ深みを増して残る。


重ねて消えないようにする。





例のその彼女が退職する際に、最後に気持ちを込めて握手したのを覚えている。





今でも消えずに思い出せるのは、その気持ちもボクの中で深く重なっているせいだろう。




「ありがとう。幸せにね。」



そう願って、握手をした。

その願いは、叶っているようだ。


後輩の話ぶりから、今日ボクの耳にはそう届いた。