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退屈と惰性と 改

HGUC ガンダムMkーⅢ レビュー

2021.06.29 05:48

 今回のレビューは、1/144スケール ハイグレードユニバーサルセンチュリー より、

“HGUC ガンダムMkーⅢ” です。


 機動戦士Zガンダムから派生したMSV(モビルスーツバリエーション

企画、“ZーMSV” より、

反地球連邦政府組織、A.E.U.G.(エウーゴ)の試作型モビルスーツ、

“MSFー007 ガンダムMkーⅢ” が、

プレミアムバンダイ限定のHGUCで発売されました。


 RXー78ガンダムの正当な後継機であるRXー178ガンダムMkーⅡは、連邦軍の特殊部隊、ティターンズで運用される予定だったものがエウーゴに強奪されるのですが、たまたまその場に居合わせた少年、カミーユ・ビダンがガンダムMkーⅡに乗り込み、エウーゴに走ったことからZガンダムの物語は始まります。

 ガンダムMkーⅢは、エウーゴに協力する複合企業、アナハイム・エレクトロニクスのフジタ博士がガンダムMkーⅡを研究し、その成果を基に次世代MSの試案として開発した機体という設定になっています。

 型番のFはフジタ博士のイニシャルで、RXナンバーではないことからも、いわゆる正当なガンダムの系譜に連なるものではないと言えると思います。

 Z計画ともとくに関連はないんですかね。

 なお、ゲーム、SDガンダム G GENERATION ZEROのオリジナルMSとして登場したガンダムMkー Ⅳは、MkーⅢのデータを基に開発されたものだそうです。

 また、一般的(?)にガンダムMkーⅢというと今回のものという認識でよいはずですが、ほかにもガンダムMkーⅢと呼ばれる機体はいくつかあるようですね。

 ややこしい・・というか、正直よくわからないので、そういうものもあるらしい、という話だけで終えておこうと思います。

 さて、ガンダムMkーⅢは2015年の1月にRE/100の第2弾キットとして1/100スケールでキット化(リアルスケールでのキット化自体が初)されたわけですが、1/144スケールHGとしてはガンダムビルドファイターズトライに登場するガンダムMkーⅢベースの改造ガンプラ、ガンダムゼルトザームが2019年12月に、その原型とされるガンダムテルティウムが2020年の2月に一般販売されています。

 それらパーツを流用するかたちで、今回オリジナルのMkーⅢがプレバンで限定発売という、最近たまに見かけるパターンとなりました。

 もっとも、RギャギャからRジャジャのときほどの期間は空かなかったので、まぁよしとしましょうか。それでも1年以上か・・

 それに、あっちは待った甲斐もあって(?)一般だったし。


 それでは、レビューしていきます。

 キットはパチ組みに最低限の墨入れ、付属シールでの仕上げです。

 ガンダムと名が付いていますが、少なくとも初代ガンダムや参考にしたはずのMkーⅡとはまったく違う方向性のデザインになっています。

 顔付きはいわゆるZ顔に近く、バックパックの形状や脚部のシルエットなどはなんとなく百式に近い雰囲気もあります。

 このあたりは同じアナハイム製ということで寄せた感じもあるのかもしれません。

 なにより特徴的なのは、ほぼ全身がグレーがかったブルー一色というカラーリング。

 ガンダムといえば白、青、赤のトリコロールカラーのイメージですが、 それも取り入れず、こうなるともうなぜガンダムと名付けたのかもよくわかりません(笑)。

 今回のHGUCではイメージ通りのスタイリッシュなプロポーションに仕上がっています。

 先にも言ったHGBF ガンダムゼルトザーム(およびテルティウム)からパーツを流用しているとはいえ、外装部分の多くが新規造形になっており、かなり印象が変わっています。

 というか、ゼルトザームやテルティウムとMkーⅢの共通点って前腕と腰部くらいなんですよね。

 その腰部にしても、パッと見同じ形状のフロントアーマーも新規造形になってますし。


 頭部アップ。

 マスクはZガンダムと同じでスリットがないタイプですが、顎部分で分割去れてらず、どちらかというと百式に近いタイプになっています。

 カラーのせいか、Zや百式よりも気持ち凶悪な面構えという感じがしますね。

 頬のダクトはシールで再現されています。


 背面。

 大きな箱型のリアアーマーもまた特徴的。

 あまり色数の多い機体ではないこともあり、ほぼ成型色で色分けされています。

 各部センサーのほか、肩のスラスターやバインダーのイエロー、シールドのレッドなどはシールで補完されています。


 膝下の外装を内側にスライドできるようになっており、

そうすることで、膝を深く曲げることができるようになります。

 先の背面画像では右脚の外装だけ沈んじゃってますね・・


 バックパックはメインスラスター左右のビームキャノン基部も兼ねるサブスラスター、さらに外側のバインダーがそれぞれ独立して可動。

 バインダーはボールジョイントでグリグリ動きます。

 バインダー上下のスタビライザーも可動します。

 


付属武器

ビームライフル

 2種類付属します。

 どちらもテルティウムからの流用になるのですが、上のライフルはなんとなく見覚えがあるのですが下のライフルについてはちょっとよくわかりません。

 公式ページでもとくに説明がないし・・

 上のライフルについてはZガンダムのライフルと百式のライフル、両方のエネルギーパックを装着できるというけっこう特殊なライフルのはずで、REではそれがちゃんと再現されていたんですが、今回は銃身下部に装着するZガンダム型のエネルギーパックの着脱のみ再現。

 もう1つのライフルのほうも、同じエネルギーパクの着脱ができます。付けてる状態は外からほぼ見えませんが。

 それにしても、パックがえらく薄い・・

 ともに汎用の持ち手で保持できますが、持たせる際はいちいち手甲パーツを外す必要があります。 

 また、ともに右側面にあるダボでリアアーマーにマウントできます。

 アーマー側のダボ穴は2ヶ所ありますが、一度にマウントできるのは1丁のみ。

 しかも中央の赤いパーツが干渉するのでイマイチカチッとマウントできません・・


シールド

 かなり細長い、独特の形状をしたシールド。

 こんなに防御面積の狭いもの役に立つんだろうか?

 専用のジョイントパーツを介して前腕に取り付けます。

 取り付け向きは固定ですが、シールド自体はは接続部で回転させることはできます。

 表面下部にビームサーベルを2本マウント。

 こんなとこにマウントするの危なくない?


 裏面にはビームライフル用のエネルギーパックを2つマウントできます。

 エネルギーパックは計4つ付属します。


ビームサーベル

 標準サイズのサーベル。

 先の通り、シールドの表面にマウントするという驚きの発想。

 保持には汎用持ち手を使用します。とくに固定されませんが、緩過ぎてすっぽ抜けるということはありません。


ビームキャノン

 バックパックに2門装備するメガ粒子砲。

 基部ごと角度変更が可能で、頭部を挟むような位置関係でほぼ真正面に向けることが可能です。

 また、今回のHGキットオリジナルギミックとして、砲身を取り外しすことでハイパービームサーベルになります。

 サーベル刃はMGサイズのものが別に付属し、持ち手も専用のものが左右分付属します。

 持ち手側のダボをサーベルグリップの穴に挿し込むことでしっかり固定できます。

 確かこれができるのはフルアーマーじゃなかったっけ?

 

比較画像

 RE版と。

 スケールだけでなく、RE版はかなりアレンジが利いており、基本シルエットは共通ながら細部のディティールにはけっこうな違いがあります。


 背面も。

 バックパックの構造やスラスターの配置も違っています。

 あと、REはオリジナルのマーキングも印象的ですね。

 このオリジナルマーキング、けっこう好きだったんだけどなぁ。いつのまにかなくなりましたね。

 デザイン自体のアレンジも控えめになったし。

 というか、もうREは終わったのかな?


  研究素材となったガンダムMkーⅡ(HGUC REVIVE版)と。

 見ためにはツインアイとV字アンテナ、そして胸のダクト周りのレイアウトくらいしか共通点がありません。

 要はガンダムタイプと呼ばれるものの共通点ですが・・

 実際、研究対象となったのは外観ではなく内部構造・・ムーバブルフレームなんでしょうし、外観はあえて似て非なるものにしたのかも。


 Zガンダム(HGUC[U.C.0088]版)と。

 こうして並べてみると、MkーⅢのほうが洗練されてるというか・・単純にディティールが細かいから高性能っぽく見えるんだろうか?

  百式(HGUC REVIVE版)と。

 百式も一応ガンダムタイプMSですが、今回の3機のなかでは1番雰囲気が似てると思います。


以下、画像

 可動はまぁ良好。

 肩はボールジョイント接続で前方への引き出しと上方への多少の跳ね上げが可能。ただ少し抜けやすいです。

 デザインの都合上、肩と上腕の間にロール軸はなく、肘関節部分で回転ができる構造になっています。

 その肘の可動はおよそ90度。

 腹部は前後左右に気持ち捻れる程度。

 膝は先にも言った通り、外装のスライドさせることで深く曲げることができるので、立て膝もわりと自然。

 開脚も180度近くまでできるのですが、足首にさほど柔軟性がないため、接地性はイマイチです。


 スタンドを使って何枚か。

 もう少し上体が反れればいいんですけどね・・


 ライフルは汎用持ち手での保持なので、2丁同時持ちも可能。

 ビームキャノンも正面に向けて。

 バインダーのスタビライザーもここまで可動します。


 続いて、ハイパービームサーベルの二刀流で。

 2刀流ポーズのバリエーションがない・・


 通常サイズのビームサーベルはシールドにマウントした状態でビーム刃を付けることもできますが、

平行でないのでビーム刃が交差してしまいます。

 まぁ、これはこれでアリかも。


 以上、“HGUC ガンダムMkーⅢ” でした。


 先に発売されたゼルトザーム、テルティウムをベースとしつつも大部分を新規形パーツで置換し、ついに本命のガンダムMkーⅢが登場しました。

 まぁ、古い人間としては先にオリジナルを出せよ、という気持ちが強いわけですが、いろいろと事情があるんでしょうよ。

 そのへんのことに思いを巡らせるとまた嫌なことを書いてしまいそうなので、今回はやめておきます。

 単純に格好いい、ガンダムだけどあまりガンダムらしくない、なんとなくMSというよりもHM(ヘビーメタル)っぽい雰囲気もあって、組むのが楽しかったです。

 脛裏の装甲をスライドさせて可動域を拡げたりするところとかも、最近はHGでもこういう小技を組み込んでくることが増えましたね。

 ビームキャノンからハイパービームサーベルの追加ギミックも、フルアーマーを彷彿とさせるよいオマケだと思います。

 そう、ガンダムMkーⅢというとやはり強化型のフルアーマーガンダムMkーⅢへのバージョンアップも気になるところです。

 結局REでは実現しそうもないですからね。

 今回のHGでも、とくに拡張性はなさそうなので、仮にフルアーマーを出すとなるとアーマー一体型の新規造形外装ということになるのかな。

 まぁ、そうなっても1/100よりは1/144のほうがまだ可能性はあるか。

 あとは、ほかのZーWSV関連のMSのキット化もあればいいですね。

 百式改とかは、REVIVE百式の流用でわりと簡単にいけると思うけど・・個人的に欲しいのはメタス改ですが。


 ディジェにイフリート改、そして今回のガンダムMkーⅢと、あまりキット化に恵まれなかったMSがREでキット化されたあと、数年後に今度はHGでキット化される・・そういう事例も徐々に増えてきました。

 そしてついに来月、RE第1弾としてのキット化でファンの度肝を抜いたナイチンゲールがHGUCに降臨します・・

 正直なところ、REナイチンにはけっこう不満もあったので、今度のHGUC版ではきっちりリベンジを果たしてもらいたいと思っています。

 RE自体はどうやら終わった感じですが、未来への礎にはなったはず。

 フルメカニクスは・・どの程度続くのかな?


 最後MkーⅢ関係ない・・


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。