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この道往けば act2

旧北陸本線隧道群 扁額編

2021.06.29 14:27

旧北陸本線隧道群

僕の隧道好きの根幹ともいえる、敦賀市が誇る鉄道遺産です。


古い重要な隧道には扁額と呼ばれる、名札が付けられます。

それも隧道名だけではなく熟語が飾られることもあり、隧道に個性を添えるものにもなっています。

詳しくは上記リンクから見ていただければわかると思いますが、旧北陸本線隧道群にも扁額がある隧道があります。


歴史的に見れば当然といえば当然ですが、あってしかるべき隧道にこの扁額がないこともあり気になっていました。

というか正直に言うなら、その行方は知っていました。

なかなか来れなかっただけで。

今回ついに彼の地を訪れたので、紹介させていただきます!

長浜鉄道スクエア

長浜市最大の観光地である黒壁スクエアに程近い場所にあるこちらの博物館。

その入り口配置されているものこそ、我らが北陸本線隧道群の扁額たち。

一つひとつ確認させていただきましょう!

こちらは実は未登場の隧道の扁額です。

子不知隧道(こしらずずいどう)

新潟県糸魚川市に現存する隧道です。

特筆すべきはこの隧道、なんと現役です。

シェッドと繋がれているとのことなので、扁額は日の目の見える場所にという配慮でしょう。

廃隧道となっている親不知隧道(おやしらずずいどう・レポ未)や大崩隧道(おおくずれずいどう・レポ未)とは対照的ですね。


大亨貞(だいきょうてい)

伏羲著と言われる古代中国の書である「易経」の「大いに亨(とお)り貞(ただ)しきに利(よ)ろし」の一文で鉄路事業を治めて大いに通ずるという意味だそうです。

隧道の扁額に掲げるには相応しい言葉ですね。

そのお隣にあるのが皆さんご存じ、旧北陸本線隧道群の盟主である山中隧道の今庄側に掲げられていた扁額です。

外された理由は判然としませんが、やはり危ないからですかね?

かなり重量はあるでしょうし。


徳垂後裔(とくすいこうえい)

徳(とく)は後裔(こうえい)に垂(た)れると読み、この鉄道を完成させた徳は子孫代々まで伝えられることになるという意味となります。

ちなみに揮毫者は第2代内閣総理大臣黒田清隆によるもの。

この隧道の重要度がうかがえます。

こちらも山中隧道の扁額ですが、こちらは敦賀側に掲げられていたものです。

巧和干時(こうかうじ)

この隧道は必要な時に求められて創られたという意味になるようです。

こちらの揮毫も黒田清隆によるもの。

続いてこちらは葉原隧道敦賀側に掲げられていた扁額。

與國咸休(よこくかんきゅう)

揮毫者は再びの黒田清隆。

同盟国が悉く盛んになるという意味だそうです。

なんかいかにもって時代背景ですね。

次は当然葉原隧道今庄川に掲げられていた扁額。

こちらも当然の如く黒田清隆の揮毫。

永世無窮(えいせいむきゅう)

いつまでもこの隧道が役立ちますようにという意味だそうです。

これは何となく漢字から意味が分かるな・・・。

そして最後の扁額は柳ヶ瀬隧道の木之本側に掲げられていたもの。

萬世永頼(ばんせいえいらい)

こちらの揮毫者は知らない人の方が少ない歴史上の偉人、初代内閣総理大臣伊藤博文です。

末永く頼りとなる隧道で合ってくれという願いが込められています。

今なお現役である柳ヶ瀬隧道、願いは130年の時を超えて果たされていますね。


ちなみに柳ヶ瀬隧道の敦賀側扁額は現地に飾られています。

写真撮り忘れましたが・・・。

まぁここはいつでも行けるし・・・。

しかしこっちにあった方が幸せなんじゃないかというレベルの放置です。

柳ヶ瀬隧道、車オンリーだからなぁ。

こちらは柳ヶ瀬隧道敦賀側にあったという石碑。

柳ヶ瀬隧道の歴史的経緯が書かれているのですが・・・、誰が読むことを想定していたのか・・・。

いくらSLが電車より遅かろうと車窓からこの文章量は読めんだろ(笑

人が見に来れるようになってたのかしら。

どうなのかしら。

ここに来て正解でしたね。


しかしここ、以前から気になっていたのですが、見に来てよかった場所でした。

まぁ仕事できたんですけどね。

またコロナが明けたらじっくり観覧したいもんです。


以上、旧北陸本線隧道群 扁額編