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「宇田川源流」 情報機関がアフガニスタンが今後半年以内で崩壊するという中でアフガニスタンを撤退するアメリカ

2021.06.30 22:00

「宇田川源流」 情報機関がアフガニスタンが今後半年以内で崩壊するという中でアフガニスタンを撤退するアメリカ


 「なぜアメリカはアフガニスタンと戦っているのか?」このことに正確に答えられる日本人は意外と少ない。

 もともとは、戦後王制であったアフガニスタンは、1973年、旧バーラクザイ王族のムハンマド・ダーウードがクーデターを起こしてザーヒル・シャー国王を追放し、共和制を宣言して大統領に就任。ザーヒル・シャーはイタリアで病気療養中で、そのまま亡命した。アフガニスタン社会の近代化と軍事近代化を目指し、ソ連に接近してイスラム主義者たちを弾圧する。しかしその弾圧から逃れたイスラム教徒たちはパキスタン国内で、亡命政府を作り、徐々にアフガニスタンの中に入り込んでいた。1978年4月、アフガニスタン人民民主党主導による軍事クーデター「四月革命」が発生し、ムハンマド・ダーウード大統領一族が処刑される。しかしその後社会主義政権が樹立し、これに対して全土でムジャーヒディーン(イスラム義勇兵)が蜂起、アフガニスタン紛争 (1978年-1989年)が始まる。1979年12月24日、ソ連はアフガニスタンへ軍事侵攻を開始した。ブレジネフソビエト連邦共産党書記長はソ連国内へイスラム原理主義が飛び火することを恐れての侵略であるといわれている。

 1989年、ソ連軍撤退完了後、各国からのムジャーヒディーンの多くも国外へ引き上げる。戦後には武器が大量に残され、ムジャーヒディーンからタリバーン政権が誕生し、さらにはアルカーイダが誕生した。

 2001年10月2日、アメリカ同時多発テロ事件を受けてNATOがアルカーイダを匿うターリバーン政権に対して自衛権の発動を宣言。10月7日、アメリカ軍が不朽の自由作戦の名の下で空爆を開始、イギリスも参加。北部同盟も地上における攻撃を開始。これが現在まで続く「21世紀のアフガニスタン紛争」ということになる。

 要するに、一度社会主義化し、そしてイスラム教集団と対立して紛争している者の中で、イスラム原理主義集団ができ、その中で海外で活躍する集団ができ、その集団のテロリストとして、行ったテロに対して、「テロとの戦い」を行っていたということになる。

 この内容を見てみればわかるが、「王制」がありその後混乱の中から「社会主義」ができ、そしてその社会主義性に対してテロとの戦いとして強引に民主主義が出来上がった。その民主主義を支えていたのは、アメリカ軍であったが、イスラム原理主義者たちは、対ソ連であっても、対アメリカであっても戦いは同じである。

 そして、その政権がどのように維持されるのかということになる。

アフガニスタン政府、半年で崩壊も=米情報機関が分析―WSJ紙

 【ワシントン時事】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は23日、米情報機関による分析結果として、アフガニスタン政府が駐留米軍の完全撤収後、早ければ半年程度で崩壊する可能性があると報じた。

 情報機関は当初、アフガンのガニ政権が米軍撤収後、2年程度は持ちこたえると予想していた。だが、反政府勢力タリバンがアフガン北部などで攻勢を強めており、最新の分析では6~12カ月で崩壊する恐れがあると指摘しているという。

 アフガン政府とタリバンの和平交渉は停滞し、政治的解決の見通しは立っていない。一方、米軍は既に5割以上の部隊を引き揚げており、早ければ7月に撤収を完了する。米政府内には基地の引き渡しを延期し撤収ペースを落とすべきだという意見もあったが、バイデン大統領が許可しなかった。

 カービー国防総省報道官は21日の記者会見で「状況は流動的で、撤収ペースや規模を変える必要があれば、それに対応すべく柔軟性を維持する」と強調した。ただ、同時テロから20年の節目を迎える9月11日までの完全撤収という目標を変える計画はないと明言した。 【時事通信社】

2021年06月24日 08時40分 時事通信

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12145-1123159/

 そもそも、ブッシュ元大統領が提唱した時の「テロとの戦い」という標語が、私には違和感があった。そもそも「テロ」とは、民衆の中において民衆に紛れ、その民衆の姿を借りたテロリストが、爆発や何らかの犯罪行為を行い、その国の人や世界に恐怖を与え、祖いて、その恐怖をもとに自分たちの政治手法を通そうとする行為である。ある意味で、戦争のような手法の中において、少ない人数の殺傷により、恐怖心をあおって、自らの主張を通すという手法であり、戦争の類似行為でありながら、正規軍のような戦い方ではなく、また、多数派でもないということになる。

 よって、まともに戦えば、かなうはずがないのであるが、それが「民衆に紛れる」ということを中心に行っているので、正規軍が叩くこともできないし、また民衆そのものをすべて換金拘束するわけにもいかない。つまり「敵は少数であるが、察知することができない」ということになるのである。よって「テロと戦う」ということは「何が(または誰が)テロであるのか」ということを特定できるということであり、それは終わりのない戦いになるのである。

 ブッシュから、オバマ、そしてトランプというように変わってくる中において、トランプ政権までは「テロとの戦い」の旗を降ろさなかった。つまりテロとは何かということが見えていなかったのか、あるいは戦う相手を探いsていたのかもしれない。

 トランプ大統領は、私はこの意味では優秀であると思っているのであるが、ロシアと同盟を結びテロリストに武器を提供していた中国とイランを叩き、そして、アフガニスタンやイラクなど「テロと戦っていた現場」の引き上げを行った。しかし、そのことによってイランや中国の反対によってバイデンが政権を取ったのである。

 バイデンの最も異なるところは、「中国に圧力をかけ切れていない」ということと「ロシアを敵と表明した」ということになる。

 当然にロシアが敵であるということは、アフガニスタンの歴史から見れば、「イスラム教化」か「社会主義化」を目指すことになり、少なくともアメリカ的な民主主義は生き残る可能性が少ない地うことは見えてくる。ましてや、これまでアメリカが敵対的であったということを考えれば、民主主義であっても社会主義化するということになる。その時にロシアの協力を得ることができないということになるのである。

 それでも9・11までのアフガニスタン完全撤退をするという。バイデン大統領の世界戦略はどのようになるのか。このままでは中国によって染められるイスラム教の国々が増えるだけなのである。なお、日本はなぜかこのようなことには無関心である。