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旅のチカラ、旅のカケラ

今日の出会い、明日の別れ

2008.04.17 08:48


「松藩(ソンパン)」という小さな町。

本来ならここから蘭州に向けて北上する予定だったが、

なぜかバスのチケットを売ってくれない。

「没有(メイヨー)」※ない の1点張りだ。

道が通れないだか、チベットの影響だとか…。


仕方なく成都に戻ってまわり道をすることになった。

中国に来て、何度このメイヨーにやられたことか?

宿でメイヨー、食堂でメイヨー、おつりでメイヨー、、、

すべてを台無しにする嫌な言葉だ…。


しかしこんな小さな町でも、

ちゃんとドラマは用意されていた。

まったくブログのネタには事欠かない旅だ。


「黄龍」からこの松藩まで相乗りしたふたり。

日本人の青年で、彼らも長期の旅をつづけている。

人生観ではないが、これまでの行程や今後の進路が主な話題だ。

堪能な中国語、巧みな交渉術、そしてさり気ない気遣い。

ともに宿を探し、食事をとって、短い時間を共にした。


そして朝、扉を叩く音。

貸していた旅の情報ノートを返しにきたのだった。

今からバスで旅立つという。

健闘を祈りつつ、握手で別れを交わす。

ホント、いくつもの出会いがあるが、

いつも別れはこうやってすぐ隣にある。

行き先はそれぞれ違う。きっかけも、目的も。

それでも、お互いの思いが交差する瞬間がある。


旅と人生、やっぱり似てるな。


たとえ一瞬でも、かけがえのない出会いだし、

すぐ隣にある別れを超える“意味”がある。

同じ方向を向いていれば、必ずどこかで会えるだろうし、

違う方向を向いていたって、またいつかまた交差する時が来る。

再び布団にもぐり、眠りについた。


窓から陽光が差し込み、心地よい朝を迎えた。

何気なく貸していたノートをめくると、

パラパラと4枚のメモが滑り出てきた。

そこにはギッシリと中国語のコツや常用単語が。

「今後の旅に役立ててほしい」と、添えられた言葉。


貸していたノートを写す時間よりも、

このメモを作る時間の方がはるかにかかっている…。


―ありがとう―

今はもう、

違う空を見ている彼らに向けて

心からそう届けたいと思った。