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超人ザオタル(20)個人からの離脱

2021.06.29 23:44

私はまだ個人や世界にとらわれていた。

そこを基準として理解しようとしていたのだ。

個人を基準としていれば、何かしらの利益を求めてしまう。

瞑想をしていれば、そこから何かを手にしたくなる。


世界には宝石が散りばめられている。

それを手にすることは歓びであり、それで自分が高貴な存在になった気がする。

満足や充足があり、誇り高くあり、気持ちは高揚している。

それははっきりしているため、自己も明確化された気になる。


私は誰なのか。

それは宝石が散りばめられた私の姿だ。

美しくきらめき、高貴な存在として世界に君臨する。

だが、それは個人としての枠内に於いてのことだ。


それで満足する人もいることは理解できる。

私は誰なのか。

どれだけ高貴な個人に高められても、個人は終わるのだ。

すべての宝石は世界に戻され、記憶の扉の奥に封印される。


それは現実ではなくなるということだ。

それが現実だったかも疑わしい。

私は眠っている裸の王様かもしれないのだ。

自分が裸であることを知らなければならない。


どこまで裸になれるのかが、本当の自分を知ることだ。

その自分が個人を超えているのかどうかも分からない。

だが、その道だけが私に光をもたらしてくれる。

何かを得るためではない。


何も求めず、何も期待せず、何も持っていないと知る。

その道はここから見えている。

私は個人の枠を超えなければならない。

そうしなければ、無知なまま終わってしまうのだ。


「よくわかったよ、ザオタル。

おまえが後戻りする道はもうないということだ。

このまま進んでいこう」

アムシャは優しい口調でそう言うと微笑んだ。


「おまえがいる場所は本当の自分で間違いない。

そこでそれが本当に自分自身だということを理解しなければならない。

つまり、自分は個人だという概念を破壊しなければならない。

そして自分とはその本当の自分ひとりだけだと受け入れるのだ。


それは個人が求めていたものをすべて捨て去ることでもある。

そうしたとしても、自分が失われないことを認めていく。

そうして世界から何かを求めていた個人から離脱する。

自分とは個人ではないことを瞑想で証明するのだ」


私はこのアムシャの言葉を理解しようとした。

だが、それは記憶できそうでできない言葉だった。

何かが抵抗しているのか。

それとも私の理解が追いつかないのか。