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[初心者向け] 連結式履帯(キャタピラ)の組み立て方

2017.01.17 11:00

連結式履帯って…気が重いですね!戦車を組み立てるので精一杯の人にも容赦なく襲い来る連結式履帯との戦いは、初心者にはつらいものです。1番の解決策は、そういうキットを買わないことですが、直面した以上は後の祭り。やるしかありませんね!



戦車キットの履帯(キャタピラ)概要

戦車プラモのキットに付属している履帯(キャタピラ)は大きく分けて「ベルト式履帯」と「連結式履帯」があります。


ベルト式履帯 (キャタピラ)とは

ベルト式というのは初めから連なった状態になっている履帯でゴム履帯や、ポリ履帯などと言われますね。焼き止めや接着等をして輪っかにして取り付けます。タミヤの戦車キットは大概このタイプで、初心者に優しい作りになっています。一方でたるみ表現の難しさや立体感の乏しさというデメリットもあります。


連結式履帯 (キャタピラ) とは

連結式履帯(分割式履帯という人も)というのはこの反対で、1つずつのキャタピラパーツがバラバラになっていて、これを連結して使うタイプです。古い海外製キットでは多くがこのパターンで、キットに入っている履帯パーツを見てクラっとする恒例のあれです。1つずつランナーから切り離して(切り離された状態ものもある)、ゲート処理をして、それを1枚ずつ繋げていく、という拷問のような作業が待っていますが、うまく仕上がれば自然なたるみも表現できるので、大変満足感のある仕上がりに到達することができます。

連結式履帯には金属製のものや可動式のものもありますが、ここではキット付属の連結式履帯の組み方を取り上げたいと思います。またものによっては履帯の左右に連結用パーツをつけるような悪魔的なキットもありますが(DragonのFireFlyとか)、ここではシンプルに履帯だけを繋げるタイプの話をします。



連結式履帯の組み立て用治具をつくる

組み立て用治具のススメ

連結式履帯はもう2度と作らない!という人でも作ることをお勧めするのがこの治具です。「治具」というのは木工で良く出てくる単語ですが、要は作業用の補助道具のようなもので、特定の作業を行う際にその正確性や効率を高めるための道具です。

連結式履帯を治具なしで気合いで作ると作業も大変な上に、いい感じに破綻してぐちゃぐちゃになって全てを投げ出したい気分になるので(ええ僕はもちろん経験済みですとも!!)これっきりもう連結式履帯なんてやらない、という人でも用意することをお勧めします。簡単に作れます。

またこの治具は1度作っておけば何度でも流用できるので、もはや連結式履帯だからといって怯んだり、悪夢が蘇ったり、「あーもーおわった・・」なんてシャワーを浴びながら絶望したり、こたつでぬくぬくしている猫を引っ張り出して八つ当たりをしたりする必要がなくなって、周辺環境にも優しくなれます。


用意する道具

それではさっそく作っていきます。下記の道具を揃えましょう。

そんなに難しいことはしないので、完成写真を見ていきましょう。こんな感じでマスキングテープの接着面を上にした道具です。このマスキングテープの上に履帯を並べていきます。

1. ダンボールを用意する

少し長めのダンボールを作業しやすいように上のような幅で用意します。履帯を写真にある青い帯(マスキングテープ)の上に貼り付けて並べていくので、履帯1本分の長さは必要です。うちのは余裕を持って70cmくらいです。


2. 両面テープをはる

両面テープ(100均で売っているようなもので十分)を上記写真の青い帯のように2列分貼ります。貼り付けたらシールを剥がしておきます。


3. マスキングテープをはる

マスキングテープ(これも100均のでOK)は接着面を上にしてはりつけます。そのための両面テープなのであります。両面テープの上にマスキングテープをはりつけたら、完成です。


超かんたんですね!!

ちなみに最近の100均マスキングテープは超優秀で、これを1度作ってからもう半年以上が経ちますが、まだ接着力が衰える気配がありません。だもんですから、履帯を作ってもマスキングテープはそのままで、すでにこの治具で手入れもしないまま5輌くらいが作れています。素晴らしい。


連結式履帯の組み立て方法

それでは履帯を組み立てましょう!ざっくりなステップは下記です。

  1. 履帯を準備する
  2. 履帯を並べる
  3. 履帯を接着する
  4. 履帯を車体に巻きつける

ではいってみましょう。


1. 連結式履帯を準備する

これはもう気合と根気で何とかするしかないやつですね。。履帯のゲート処理はもう面倒なので諦めることもあります。。ゲート処理なしで済ませるならタミヤの薄刃ニッパーがオススメです。ニッパーのくせに2000円するという生意気な輩ですが、すっと切れて跡少なめなので、履帯のゲート処理はちょっと無理、、という人はお試しになると良いかと思います。塗装してしまえば気にならないレベルです。

こんな感じにアイスのカップに入っています。


2. 連結式履帯を並べる

それでは履帯を並べていきます。1本を作るのに必要なパーツ数が分かっていれば問題ないのですが、分からない場合(説明書に書いていないことも結構ある)は、おおよそ半分よりちょい少なめくらいです。どちらにしても、接着したパーツ数を数えておかないと何枚接着したか分からなくなるので、数えやすいように並べていきます。

並べ方は単純でマスキングテープに沿って並べていくだけです。向きには注意しましょう。マスキングテープが適度に固定してくれるのでガタガタ動かずに安定して繋げていくことができます。接着剤はまだ使いません。テープだけで固定している状態です。

僕はかっちり5個ずつをまとめて並べていくようにしています。5個ずつなら一目で個数が判別できるので非常に効率的です。また並べる前に予定している分だけ5個の山を用意しておけば、全部繋げたらそれがつまり片側の完成、ということになります。

途中で何個まで行ったっけ。。。となって何度も数え直すような頭悪い感じの事態はこれでもう起こりません。

いい感じに並んできました。並べていくだけなら40分ほどで2本くらい並べられます。

両側とも並べ終わりました。気持ちいい。


3. 連結式履帯を接着する

続いて接着します。使うのはタミヤの流し込み接着剤す。緑のキャップが目印ですな。通常のタミヤセメントと違い、粘度が低くさらっとした接着剤で、隙間に付属の刷毛を当てると隙間に接着剤がすうっと入っていきます。

今回のように履帯と履帯をくっつけた後でその隙間に接着剤を流し込んで固定するような際には、この流し込みタイプが最適であります。連結式履帯を1つ1つタミヤセメントで接着するのは拷問に近いので、持っていなければ購入をお勧めします。

さて流し込む前に注意ですが、一度流し込んだら、そのまま車体への巻きつけまで一気に行くことになります。作業時間が足りない時や、車体を塗ってから巻きつけたい時はご注意ください。ちなみに僕はまだ連結式履帯をよしなにウェザリングする方法を見出していないので、諦めてとりあえず巻いています。

それでは接着を始めます。流し込みタイプの接着剤をキャップに付属しているハケを使って1つ1つの隙間に流し込んでいきます。両側とも一気にやっちゃいます。

この接着剤はすぐにカチカチに固まるわけではないので、流し込んでから1時間くらいは接着部分を動かすことができます。この特性を利用して、40分ほど経ったところで車体に巻きつけます。完全に固まる前のタイミングでやるのがポイントです。

というわけでまずはマスキングテープから引っぺがします。

綺麗に剥がれました。なるべく一部分に力がかかり過ぎないように、そろりそろりと外していく感じですね。ここでバラバラになってしまうようだと接着が足りないのでもう一度流し込み接着剤で入れるか、通常のタミヤセメントで接着して次に進みましょう。


4. 連結式履帯を車体に巻きつける

それでは最後に履帯を巻きつけます。履帯のたるみを表現したいの上部からやっていきます。

まずは乗せて、ピンセット等を使ってたるむようにカーブをつけていきます。

最後に下側で両端をつなげて完成です!ちなみにこの時は履帯パーツ4個分が長さ的に余ったので、取り除いて繋ぎ合わせました。短いよりは長い方が最後の調整は楽です。

これをもう一方もやります。

以上で完成であります!

また連結式に挑む可能性がある人は、製作に使った治具は捨てずに取っておきましょう。マスキングテープもそのままでOKです。僕のはそろそろ1年経ちますが、元気に稼働しています。



まとめ

今回は連結式履帯の組み立て方について解説をしてみました。最初はかなり絶望的なのですが、治具を使うなどして工夫をすると、連結式に対する苦手意識は徐々に消えていきます。それどころか、こっちの方が良いと思うようにもなってきます。

この記事が連結式履帯に心を折られていく各位のお役に立てれば幸いです!