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アトリエSHO彩

朝の光を描く

2017.01.19 08:38

新年始めのアートサロンとみんなのクラスは、「朝の光を描く」。

真っ暗な暗闇から光が差していく夜明けの場面。

みなさんの心の記憶にある夜明けのシーンをお聞きするところから

セッションは始まります。この導入の時間を私はとても大切にしています。

一人ずつお聞きすると、その方の見たもの、感じたことを私自身そして、参加者同士で共有する時間になります。


アフリカに行った時に見た、広大な大地。

建物が全くなく木々が点々と立っている地平線。光のない真っ暗な夜には

満点の星空が輝き、夜明けとともに熱い日の光が差し込む壮大な情景。

そんな体験をされたのは、青年海外協力隊にも参加経験のある女性の方。

真っ黒の紙を、天と地に切りわけて、少しずつずらしながら夜明けの光の印象を決めています。

夜明けの光の色から、時間がたつにつれて天と地にまで広がる朝の光。

オイルパステルで表現していきます。朝と夜が混在する空間です。

他の参加者の方の作品もご紹介。

阿蘇の山々の透き通るような空気感の中からの夜明け。水色やペールグリーンを混ぜて清らかなイメージで描かれています。

水平線に近い田んぼの風景からの日の出。

太陽が黒抜きのため、オレンジの周りの光が明るく見え、温かく感じますが

外側は逆に、寒色系で描かれており、温度が低くミストのような空気の流れが印象的です。

朝日を見るために、大分まで自転車に乗りながら見た情景。

自分は自転車をこぎ、夜明けの光はどんどん明るくなるという、互いに動きを感じ高揚感が

伝わる力強い作品。まるで絵の具のような厚塗りで、色を重ねることで生み出されたグラデーションが印象的です。

マンションの高層階の自宅から見た夜明け。

あまり高くはない山々から上る太陽の光と、これから去り行く明けの明星。

自然の神秘をも感じる清々しい作品です。

看護師の方は、救命の現場に勤務した後見たビルの合間からの日の出を描かれています。

ビルの線が光に照らされて形がゆらいでいるよう。

大きく描かれた光がこちらまで朝の始まりを伝えてくれます。仕事を終えた後の朝日は、疲れを一瞬で消し去ってくれるかのよう。

こちらも看護師の方。

病棟の勤務の時に見た奈良の山のシルエットから上る日の出。

夜勤だった夜を無事に乗り超え、患者さんも医療従事者としても朝が迎えられることへの

安心感と幸福感を描かれています。ピンクの太陽が安堵感、優しく包み込むようなタッチとやわらかな色彩、そして縦にのびる光が高くまで上った朝をイメージさせてくれます。

一人ひとりの心の記憶に残る夜明け。

単に写生するのではなく、その時の空気や温度、どんな状況で

どんな感情でいたのかを思い出し、それを色彩やタッチで見事に表現されています。

みんなの作品を前に貼ると素敵ですね。「おお~みんな同じ画材で同じ工程なのに全然違うね~」そんな声がいつも上がるのがこのクラス。


そして、アトリエでのみんなのクラスも。

親子での参加と大人の方のごちゃまぜクラスですが、ご家族で今年の初日の出を見に行かれたそうです。

小学5年生の女の子。

山の稜線に乗った空気の流れもよく表現されています。

寒い中、今か今かと待ち望んだ日の出です。お母様の作品。光の向きが太陽から広がるように描かれ、とても生命力がありエネルギーを感じます。

小学3年生の女の子。暗くて見えませんが、手前には川も流れています。

タッチが残り、星も輝いて美しいです。

学校に行く前に見て行かれると元気が出そうですね。

山の稜線がとても動きがありますね。遠景を描かれた作品です。


夜明けは、生命のエネルギーが目覚める瞬間。

全ての始まりです。


今年1年が、皆さまにとって日の出のように、輝かしい1年となりますように。

※~私自身の作品~ 朝日に照らしてみました