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The Weekend Traveler

おしゃれとエコロジー 上勝町後編

2021.07.03 11:39

お待たせしました!

誰も待ってなくてもお待たせしました!

徳島、上勝町という単語の次に来るのはKAMIKATZビール。

はい、ビール好きの正常な思考回路です。


徳島行きのもう一つの目的はこのブルワリー、RISE&WIN BREWING CO.。

醸造施設とバーベキュー場とタップルームと宿泊施設がある総じておっされーな場所。

今は中の見学とかはやっていないと聞いたけど、外からタンクを覗き見る。

この外観。

お察しの通り、先のゼロウェイストセンターと同じ建築チーム。もうアート作品と言ってしまおう。

ショップと飲食スペースの照明もくるくるショップと同じ空き瓶シャンデリア。

中にはカミカツビールの瓶と入ってるあたりがにくいねぇ。

シリアルや洗剤の計り売りもやってる。


RISE&WINの運営会社は元々この計り売りで上勝町に打って出たけど、当時はまだ意識高すぎっしょみたいな感じで成り立たなかったんだとか。やっと時代が追いついてきた模様。

醸造所の入り口が親戚の家みたい。

これまた全然違う扉がたくさん使われてるんだけど、不思議な統一感があって、扉一つ一つが自分の意思でそこにいるような自然な存在感がある。

外にはヤギ。

不用意に近づくとうんち踏むから遠くから観察。

宿泊はこのローリングルームと呼ばれるキャンピングカー。

1日1組限定泊なのでこれまた密よけにぴったり。

しかしいちいちオシャレだぜ。

少年だった過去はなくとも冒険心がくすぐられる寝床。


永遠の小学生マインドをお持ちの旦那さんに秒で取られる。

キャンピングカーからの眺め。

広くはないけどわたしみたいなミニマルサイズの人間には何の苦もない空間。

シャワーとかトイレは外だけど、キャンプより快適に不自由を楽しめる。

こーんな夏は暑そうだけど楽しげなBBQスペースがあったけど、この日は天気が崩れそうだったので室内でコースをいただく。

はぁぁぁぁぁぁ!!

待ちに待った命の水との対面。

嗚呼、ありがとう、ブルワーさんたち。



慣れない運転と昼間の山登りでカラカラの心身に沁み渡る。


ありがとう、美味しいカミカツビール。

わたしは生き返りました。

ビールで生気を取り戻してよく見ると椅子も机ももちろん廃材。

ゼロウェイストの土地では当然の選択肢。

シルバー達もみんなバラバラ。

ここまで来るとお洒落野郎たちの洒落の一環に思えてくる。

味ってあんた…


文字通り味のある器もくるくるショップで見つけてきたそう。

ゴミだったものがハイセンス人間に見出されてスーパー愛され存在になる。

味器の中のトムヤムクンはこれ。

100年に1本並みの激辛ししとうを引き当て汗と涙でぐしゃぐしゃのアラフォーおんな。

全てはビールが整えてくれるから不思議なもので。

めちゃくちゃ美味しいファラフェル。

もう好きなものは粉もんですってのやめて、ファラフェルですって言お。今度から。

メインは鯛のアクアパッツァ。


何これ。アクアパッツァらしからぬワイルドさ。


激烈うまいじゃん…

アメリカ人だったらOMG飛び出すくらいの美味しさ。

ここまでなかなかの量を飲み食いして既にお腹はパンパンだったんだけど、食べたすぎて、胃に入らないなら肝臓でも腎臓でもどこでもいいから入ってくれって気持ちで完食。


その後の焚き火を囲みながら飲むビールを買い忘れるくらいの腹パンでこの日は終了。

続けます。



夜になかなかの雨が降って迎えた朝。

ビューティホー徳島。

日本の豊かな風景のお手本みたいな集落の景色。

でもこれは上勝町の人たちが努力で再生させた豊かさってことを昨日学んだのでますます神々しい。

そして朝ごはんの始まり。

昨日、あんなに腹パンだったのに食欲は枯れてなかった。人間てすごい。


朝から昨日も絶品料理を作ってくださったお兄さんがやってきてこれまた絶品朝ごはんがスタート。

バターたっぷり卵サンド。

一から十まで美味い。

東京のなんちゃておしゃれカフェに告ぐ。

ホンモノってこういう事だぞ!!




と、感動しすぎて勝手に息巻く。

ヨーグルトの上のすももたちも地元産。

豊かな土地をさらに魅力的にするのはこういう見せ方の技なんだな。

期待を大きく上回る朝食の後はしこたまビールを買ってチェックアウト。

ショッパーもデザインが統一されててカッコいい。「火の用心」さえおしゃれに見えるからにくいもんだ。

RISE&WINのみなさんは徳島出身じゃない方もちゃんと自分の価値観で上勝町とかゼロウェイストとかを自分の中に落とし込んでいる感じがして、企業としても人間としてもとても信用できる気がした。


押し付けがましくないハイセンスは素直にかっこよくて、廃棄されるものや地元の知られてない産品がおしゃれに生まれ変わる様は魔法と言っても過言じゃない。

エコやサステナビリティって頭ではやるべき事と分かっていてもめんどくさいし自分くらいやらなくても地球は回るだろうって思ってしまいがち。

でも、そんな人が地球上にわんさかいちゃってる結果が過去の上勝町であり最近増えてる洪水や熱波だったりするんだろう。

頭で理解する意識高い、よりも感覚でしびれるかっこいいの方が人間動かしたりする。


体によくても美味しくないと食べたくないのよ、と同じ感じかな。


循環社会とか土地の実りや風土を持って帰りたい!また見に来たい!と思わせるRISE&WINさんのお仕事ぶりに脱帽しきり。


あー、こんなイケてる大人ななりたいな〜と中年に片足突っ込みながらも感じた上勝の旅だった。


おしまい。