議廻奇譚16 森繁之議員
議会奇譚、16人目は森繁之議員です。
2007年初当選 4期目
会派:市民民主クラブ
公約の柱は
- 災害に強い相模原
- 総合スタジアム
- 認知症になっても暮らしやすいまちづくり
となっていますが、重点政策に「子育て支援」の文字。
選挙前のタウンニュースのアンケートでは以下のように答えています。
市政において取り組むべき課題はなんでしょうか?
スタジアム整備と企業誘致で財政難を乗り越えられるとのお考えをお持ちであることがわかります。
子育てや高齢者福祉は「市民力」でカバー。
……市民力って、なんですか?
よくわからないので調べてみましたが、辞書には載っていないようです。
検索のトップに出てきた長崎市の説明を引用します。
市民力とは?
本市では、市民力を「市民が自主的・自発的に地域課題の克服に取り組もうとする力」と定義しています。 言い換えれば、「地域にある課題の解決を他人任せにせずに、できることは自分でやろう!」という意志を持った市民の力を指します。 地域にある課題を解決するために、長崎の市民力を発揮していきましょう。
“「地域にある課題の解決を他人任せにせずに、できることは自分でやろう!」という意志を持った市民の力”
相模原市民に少しでも耳馴染みのある言葉に置き換えるとしたら「シビックプライド」と言うことになるのでしょうか。
この定義を踏まえた上で、「子育てや福祉の課題を市民力でカバー」と聞くと……「ちょっと難しくない?」と思うのは私だけでしょうか?
市民の「自分でやろう!」と言う意思だけでは、子育て政策に必要なもの(森議員は具体的には保育所や学童クラブの待機児童解消をあげています)の充実や改善は難しいと思います。
そこで、市民としての要望や困りごとを森議員に伝わるよう、私個人のTwitterアカウントからアクションをしたところ…
ブロックされてしまいました。
市民力を発揮できず、残念です😭
き…気を取り直して……
森議員の議会での発言を見てみます。
給食に関する発言は2回の議会でされていますが、1回は高齢者施設での給食サービスについてでしたので、学校給食に関する方だけを取り上げます。
2017年6月の一般質問の1問目が、素晴らしかったので、そのまま転載します。
次の項目は、食のバリアフリーについてであります。人間が生きていくために、食はお腹を満たすだけでなく、心も満たしてくれます。そんな大切な食に壁があってはならないと思います。そこで、幾つかの質問をいたします。
まず、学校給食についてです。学校給食については、学校給食センターでも自校方式でもアレルギー除去食の対応をしていることは率直に評価をいたします。そこでまず、現在、相模原市内の小学校において管理指導表を出している児童数はどれぐらいいるのか伺います。また、特に自校方式の給食の場合は、アレルギー除去食については学校判断になっていると承知していますが、それぞれの学校がどういう対応となっているのかについて、全体を把握する必要があると思いますが、現在の状況と今後の取り組みについて伺います。
次に、食文化の違いで給食を食べられない子供への対応についてです。例えば、国際結婚をして生まれた日本の小学校に通学している子供の中には、ベジタリアンですとかビーガン、ハラールなど、食文化の違いから普通の給食を食べられない子供たちがいると承知しています。現在の学校給食における対応と今後、配慮を考えている点について伺います。
次に、給食費減免に対する考え方についてですが、食物アレルギーや食文化の違いにより、どうしても学校給食を食べられない子供については、各家庭で自己解決していると承知しています。しかし、食べられないのに、全額給食費を払っているという声も聞きますが、現在の給食費の減免状況はどうなっているのかを伺うとともに、その考え方を伺います。
全ての子供たちがおいしく楽しい給食の時間を過ごすため、あらゆる課題を抽出し、解決に向けた方策を今後とも計画的に進めることが重要です。
また、子供たちがみずから食を考えることも含めて、給食に子供たちの意見を積極的に取り入れるべきと思いますが、現在の課題と解決に向けた取り組み状況について伺います。
『食のバリアフリー』
『食に壁があってはならない』
その通りであると、深く共感します。
福祉分野に力を入れている森議員だからこそ気付ける観点であるとも思います。
相模原市の小中学校のアレルギー対応については、以前のブログにまとめましたが、デリバリー方式の中学校給食はアレルギー対応をしていません。給食を食べたくても食べられないからお弁当を作るしかない家庭もあるでしょう。給食費は就学援助の対象であるにも関わらず支援を受けることができない家庭もあるでしょう。
森議員の質問に対して相模原市は
食文化の違いによる給食費の減免については、定められた基準がないことから、今後、状況を把握し、対応について検討してまいりたいと考えております。
と答えていますが、残念ながら質問から4年が経った今も、ベジタリアン、ビーガン、ハラール対応の給食は実施されていませんし(配膳時に食べられない食材を除去するといった配慮にとどまっています)、アレルギーや食文化の違いで食べられないものがある児童生徒の給食費の減免も実施されていません。
せっかくの良い質問でしたので、その後を問う質問もしていただき、相模原市の子どもたちの「食のバリアフリー」と進めていただきたいと思います。
(※7/11 追記
現在、食文化の違いで食べられないものがある場合の給食費の減免措置はされていると、森議員ご本人からご指摘いただきました。未確認のまま記載したことをお詫びいたします。)
森議員も市民との間に「壁」を作らず、より広い声を集めるためにも、SNSの鍵とブロックを解除して政治のバリアフリーを実践していただけたら嬉しく思います。