栄養学は万能か
こんにちは!
necco舎の はなこ です。
梅雨も佳境ですね><
昨日の午後は久しぶりに普通にお散歩できましたが
ここのところの雨のお散歩は
レインコートの上下が鬱陶しくてテンションが下がります(人間が^^;)
梅雨が明けたら明けたで
今度は猛暑がやってくると思うと
梅雨明けが待ち遠しいような、そうでもないような。
またか、という感じですが
最近ちょっと思ったごはんのことを。
犬のごはんのことばっかり考えているわけではないんですよ。
最近は、むしろごはんそのものよりも
もっと普段の生活全般と、ごはんとのバランスが大事なんだなーと
ごはん以外に学んだことを通して
あるいはウチの子たちを見ていて
実感しているのです。
でも
悪しからず、今日もごはんの話題><
犬たちのごはんの話になったとき
絶対に出てくるワードが「栄養バランス」です。
手作りしていると話すと
「栄養バランスは大丈夫?」
…と聞かれることがたびたびあります。
栄養バランスがしっかりしているからドライフードが安心。
栄養バランスが崩れるから手作りは心配。
そんな声を聞くことも。
私はそんなに栄養バランスを心配したことはありません。
自分自身の食事だって、
大まかには栄養のバランスを考えるけど
いつもいつもバッチリではないはずだし
ちょっといい加減な食生活をしているな、と思ったら
これはイカン!といろんな野菜や果物を摂るように心がけたりして
長い目で見てなんとなくバランスが取れていれば、
それで万々歳くらいに思っています。
…というか、そもそも栄養バランスってなに???
というのも、改めて考えるとよくわからなかったり。
人間の食事も犬たちのごはんも、そしてドッグフードも
いわゆる「栄養学」を元にして考えられることが多いです。
基本の栄養学は、多分みんな学校で学んでいるはずなので
私たちは栄養学的な見方には慣れているし、
そういう目で見る癖がついているのだと思います。
他の分野だってもちろんそうだと思いますが
栄養学って、実はまだまだ発展途上の学問です。
タンパク質は血や肉を作る。
炭水化物は頭や身体を動かすエネルギーになる。
脂質は体温を維持したり、細胞膜の成分になる。
…などなど、
大筋は学校で習ってきた通りだと思うけれど
例えば、カテキンとかアントシアニンとかイソフラボンとかの
いわゆるポリフェノールと言われるものや
一時爆発的に売れたという
コエンザイムQ10のような”補酵素”と言われるものは
その存在も、働きも
わりと最近になってわかってきたものです。
つまり、
今はまだ発見されていない、
その働きもわかっていない栄養素みたいなものはまだまだあって
これからだって、
新たに見つかる「身体にイイモノ」はたくさんあるはず。
一方、
中医学の中の一つの学問である薬膳は
食材に含まれる何か一つの栄養素に注目するものではありません。
この食物全体から得られるものは何か。
それらを、何千年という時間をかけて
実際の治療の中で、繰り返し人(あるいは動物)に食べさせることで
検証してきたのものです。
キュウリは栄養学的に
「ほとんど栄養がない」なんて言われるけど
薬膳では
体の熱を冷ましたり、
余分な水分を外に出したりする作用があって
腫れものを治してくれたり、
高血圧にいいなんてことも言われるとても重宝な野菜。
それは”栄養”という見方からは
見えてこない働きです。
日本でも昔から「食養生」という概念がありましたが
それは個々の栄養素のことだけを言っているのではないはずで
身体に取り入れるものには、
そういう視点こそ大事なのではないかと思います。
栄養学は発展途上、
まだまだ発見に至らない栄養素や成分がある、と言いましたが
でもそういう未知の、まだわからない栄養素たち(あるいは成分たち)
実は私たちはずっと昔から食べているんですよね。
だってそれは普段の食材に含まれているものばかリだから。
カテキンだってイソフラボンだって
あるいはアミラーゼだってβグルカンだって
昔から私たちが飲んだり食べたりしていた
お茶や大豆や、大根や舞茸なんかに含まれているし
アリキシン(ガン抑制)とか
シアニジン(老化防止)とか
ペルオキシターゼ(活性酸素除去)とかいう
ほとんど聞いたことのない栄養素だって
玉ねぎや茄子やごぼうなんかに含まれているんですもの。
大根の中に、茄子の中に、ごぼうの中に、
どんな栄養が詰まっているのかを考えなかっただけで
普通にいろいろな食材を食べることで
身体の中には有用な栄養素や成分がたくさん送り込まれてきたのです。
でも、例えば普段、
こういう原材料を使ったドッグフードをずーっと食べ続けるとしたら
米、魚粉、コーン油、魚油、ミネラル(カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、セレン、ヨウ素、塩素、硫黄、銅、マンガン)、マンナンオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ユッカシジゲラ、コリン、DLメチオニン、ビタミン(A、D3、E、C、ナイアシン、ビオチン、B12、パントテン酸、B2、B6、葉酸、B1、ベータカロチン)、銅アミノ酸キレート、天然トコフェロール(酸化防止剤)、ローズマリー抽出物(酸化防止剤)
アリキシンやシアニジンやペルオキシターゼやあれやこれやは
一生摂取できないですよね?
もちろん、
この原材料に記載されているものがすべて身体に届くのかと言えば
それはまた別の問題です。
いろいろなものを食べていれば
このフードのように、
ビタミンやミネラルをわざわざ添加しなくても
食材そのものに、
タンパク質も脂質も、ビタミン、ミネラルも
必要な栄養が含まれているはずで
それぞれの食材から、
その食材に含まれている有用なものを吸収することができます。
吸収しずらいものは外に出て行ってしまうこともあるでしょうが
過剰に取り入れる心配はありません。
例えばビタミンAは脂溶性ビタミンです。
ビタミンCなどの水溶性のビタミンは
摂りすぎても尿の中に捨てられるため身体に害はありません。
が、脂溶性のビタミンは尿中に排泄されないので
摂りすぎると肝臓に蓄積されて過剰症を引き起こすことがあると言います。
普通の、いわゆる”食材”から自然な形で摂取していれば
必要な分は吸収され、吸収されないものは便として外に出ていくので
例えば人参だけを毎日大量に食べるなどの無茶をしなければ
過剰症を心配する必要はないそうですが
フードに添加されているのがサプリのようなものだとすれば
吸収されやすく加工してあるために血中にどんどん取り込まれ
余剰が蓄積されていく可能性があるそうです。
食材から直接摂るということは、
思いのほか大事なことだと思います。
犬に必要な栄養素は何で、
どんな栄養をどのくらいとればいいのか、
という指針みたいなものは存在しますが
(その指針、誰が作ったの?というのも、いろいろありそうです)
そういう、
巷で「よい」と言われている栄養バランスが、
万人、万犬に共通であるとは限りません。
人それぞれ、犬それぞれ。
みんな同じでいいわけがないと思うんです。
…というわけで
最初はバランスについて書きたかったのですが(笑)
ウルトラ長くなっちゃったので(いつもこればっかり^^;)
続きはまた次の機会に。