エジプト〜カイロ編 12【ナイルの輝きは今何処? 1】
高校生の時、国語の時間でしたか、「頭に浮かぶ言葉何でも良いから一つ取り出してイメージを説明するように」との課題を出された時にひらめいたのは、≪ナイル≫だったのです。
少女時代から歴史や古代文明、万物の生成などに非常に興味を抱いていて、音楽家にならなかったら考古学者を目指していたのでは、と思うほどです。
エジプトという国はその歴史の多様さからずっと憧れていて、一度は訪れたかった国でした。
それもあって、つい≪ナイル≫という河の名を口に出してしまったのですが、実際に見たものでないとダメという事で却下されました。。
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数十年の歳月が流れて、遂にナイル河のほとりに立った時は流石に感無量でした。
そこに見出した現実は、私の≪夢のナイル河≫とはかけ離れたものでしたが、しっかり目を閉じて現代の車の騒音や喧騒から耳を塞いで、はるか彼方の過去へ心を飛ばした時、ナイルの氾濫による土壌の豊かさに支えられた人々の生の営みが見えて来るような気がしたものです。
正直言って実際のナイル河は近くでその川岸を見ると、美しいとは到底言えません。
片付けられていないゴミが溜まりよどんだ嫌な臭いのする河岸に過ぎないのです(特にカイロ市内を流れるナイルは、です)。
限られた滞在時間の関係で、ルクソールやアスワン、アブシンベル神殿へ向かうナイル河クルーズは出来なかったのが、本当に心残りです。南へと旅して行くにつれ、人々のもっと素朴な生活があり、ナイルの水もより澄んだものであるようですから。
そして、かのピラミッドを実際にこの目で見た時は畏怖の念ともいうべき感動を覚えました。
写真や映像で余りにも見慣れた建造物を手で触れる程間近な距離で接し、その一つ一つ積み上げられた石の大きさ(一番下の石は私の背よりも高い!)、完全な角錐形、一体どの様にしてこのの巨大なピラミッドが完成し得たのか(この答えはエジプト古王国が滅びた後の内乱や多くの戦いの最中に失われてしまったのです)、に今一度想いを馳せました。。。
地球上の他にも散らばる謎の建造物~イギリスのストーンヘンジ、イースター島の巨石群、ナスカの地上絵、等々と共に、ピラミッドの秘密は未だに現代の人類には解明出来ていない挑戦として、立ちはだかっているようです。
どんなに現在の科学が進歩しつつあるとは言え、これらの数多く残る謎の事象を前に我々人類には手の届かない大いなる宇宙の存在があるのは疑いようもない、という気がします。