映画『ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ』
やっべ映画の世界に入っちゃったー!? しかもしかもこの世界、13日の金曜日めいたスプラッタ映画じゃないのー!? というやつ。『アリス・イン・ゾンビーランド』はゾンビ映画の世界。同じホラーなのであるあるネタに共通点があるのではないかと思われることも多いが、セックスしたら死ぬのがスプラッタ映画で、画面外に近寄ったら死ぬのがゾンビ映画だと覚えてください。アリスではセックスシーンはありません。ごめんね。
お母さんが主演していたスプラッタ映画の世界に入ってしまった。殺人鬼を倒さない限りは映画が終わらない=脱出ができないという『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ! 夕陽のカスカベボーイズ』システムである本作は、思ったよりも『Friday the 13th: The Game』である。ほらあれ、13日の金曜日のゲーム。治安が悪すぎて実況者たちが「治安が悪すぎて動画にできない」と次々やめていった伝説のゲーム(だいたいピー音がつくから見ようね。2broのやつとか)。『13日の金曜日』だよね。とはならないのは、メタを利用して殺人鬼を倒そう。とするシーンとか、「部屋に入ってくるのが分かっているから、先に罠を設置しておく」というのがどうしてもゲーム的になってしまうからだとは思うんだけど。あと、殺人鬼が出てくる条件を知っているので(女が脱ぐ、セックスを始めるなど)、その対策をしてしまっているせいで、後半まで殺人鬼はでてこないし、途中キルスコアが『車の事故』の方が高くなってしまっているのも、まあまあ事故だな……という気持ちもある。
あと作内で主人公は映画の中にいる自分の母親と再会することになるけど、『映画の中の世界』なんだから、そこにいるのは『母親』ではなく、『登場人物』に過ぎなく、別人にたいして「あなたは私の母親」と言っていることにならないか? と思わないでもない。でもニコラスケイジはニコラスケイジだし、ロック様はロック様だし、サミュエル・L・ジャクソンはサミュエル・L・ジャクソンだし、山田孝之は山田孝之じゃない? と言われたら悩みどころ。
それはそれとして、回想シーンとかエンディングシーンとかのメタ的演出は結構好き。『ファイナルガール現象』を逆手に取ったラストも良いではないでしょうか。そこまでシステム的にしなくても! という気もするけど(結果的にファイナルガールになってるみたいなことではなく、マジでシステム的)