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マスク着用の弊害についての論文を和訳しました

2021.07.05 00:40


2021年6月30日

健康な子どもたちにおけるマスクの有無による吸入される空気中の二酸化炭素濃度の実験の評価 (ランダム化比較試験)


Harald Walach, PhD1; Ronald Weikl, MD2; Juliane Prentice, BA3; 他


JAMA 小児科, 2021年6月30日 オンライン公開


doi:10.1001/jamapediatrics.2021.2659


多くの政府がマスクを児童・生徒に義務的なものとしている。 その土台となる根拠は説得力に欠ける (*1, 2) 。 マスクが吸入される空気中の二酸化炭素濃度を増やすかどうかは命に関わることである。 25930名の子どもたちのデータを用いた大規模調査は、治験に参加した子どもたちの68%がマスクを着用することに起因する問題を抱えていたことを示している (*3) 。

屋外における二酸化炭素濃度は通常、体積比で約0.04% (すなわち400ppm) である。 ドイツ連邦環境省は、そのレベルは0.2% (2000ppm) が室内における限界であり、この数値以上は容認できないとしている (*4) 。


◆ 実験方法

私たちは優れた品質管理の下で作られた均質な2種類のマスクの有無で、この短期研究に志願してくれた健康な子どもたちが吸入する空気中の二酸化炭素濃度を測定した (参照: eMethods の Supplement 1) 。この研究はヘルシンキ宣言により行なわれ、ウィッテン / ヘルデッケ大学の倫理委員会へと提出された。 子どもたちは全員、説明を受けた上で承諾書にサインし、16歳未満の子どもたちについては両親もそれにサインした。 マスク無しでの二酸化炭素レベルのベースラインには3分間連続測定が選択された。 両タイプのマスク着用時には9分間連続測定が用いられた (つまり、吸気と呼気の継ぎ目における二酸化炭素濃度を計測するために3分間、空気を吸っている間の二酸化炭素濃度を計測するために3分間、空気を吐いている間の二酸化炭素濃度を計測するために3分間とした) 。 複合的な換気装置を用いることによって、被験者周囲の空気の二酸化炭素濃度は常に体積比で0.1%未満となるようにした。 2種類のマスクを着用する順番は無作為に抽出され、その無作為抽出法は見えなくされ、子どもたちの年齢によって階層化された。 私たちは重要性閾値をP < 0.05として、度重なる測定のために線形モデルを用いてデータを分析した。 その治験計画はオンラインで入手可能である (*5, 参照: 治験計画は Supplement 2) 。 データは2021年4月9日・10日に収集され、Statistica バージョン 13.3 (TIBCO) を用いて分析された。


◆ 実験結果

子供たちの平均年齢 (とその標準偏差) は10.7歳 (2.6歳) で、その範囲は6歳から17歳、被験者には20名の女子と25名の男子がいた。 測定結果は表に示されている。 私たちは結びつけられるものと結果と照合した。 ただひとつ年齢だけが、吸入される空気中の二酸化炭素濃度と関連づけられた (y  =   – 0.0555 x + 1.9867 の直線 ; r  =  –0.39 ; P  =  0.008 ; グラフを参照) 。 したがって私たちはそのモデルに、連続的共変量として、年齢を加えた。 これはひとつの関連を明らかにした (部分的に η^2  =  0.43 ; P  < 0 .001) 。 対比すると、これはベースラインの値と両タイプのマスクの値の差のせいだったということが示された。 2種類のマスクの間での値の差は大きくはなかった。 サージカルマスクまたはFFP2マスクを着用の下、計測された吸入される空気中の二酸化炭素濃度の平均値 (とその標準偏差) は13120ppm (384ppm) と13910ppm (374ppm) の間となり、これはドイツ連邦環境省が「受け入れがたい」と考えている2000ppmより6倍も高い数値だ。 これは計測開始から3分後に到達した数値だった。 学校では普段、子どもたちがこのようなマスクを平均270分間 (その四分位範囲は120分から390分) 着用しているのだ (*3) 。 表は、最も低い二酸化炭素濃度を有した子供でも、その値は体積比で0.2%としているドイツ連邦環境省の規制値より3倍大きかったことを示している (*4) 。 被験者の中で最も若い7歳の子どもたちが最も高い値を有しており、ある7歳児の二酸化炭素濃度は25000ppmにもなった。


◆ 科学的考察

この調査の限界は、実験室的環境におけるその短期的な性質と、計測期間中に子どもたちが研究所を占有し住んでいたわけではなかったので、子どもたちが気を遣ってしまっていたかもしれないという事実であった。 子どもたちにより報告された心身の不具合や不満は、吸入される空気中の二酸化炭素濃度の上昇による影響と解釈できる可能性があり得る (*3) 。 これは着用されたマスク内の非常に限られた空間の体積によって引き起こされており、そしてそれはマスクが呼気中の二酸化炭素を直後に素早く吸気に取り込んでしまうことを意味している。 こうして新鮮な空気に二酸化炭素を混ぜてしまい、マスク内で吸入される空気中の二酸化炭素濃度の上昇してしまうことは若い子どもたちほどより顕著であるということが、この研究で示された。 これは子どもたちを将来、過炭酸ガス症に起因する障害へと至らしめてしまう。 最近行なわれた再調査は、そのようなマスクを着用することによる副作用の十分な証拠があると結論を下した (*6) 。 したがって私たちは、医療政策や教育政策の意思決定者がこれらの実験的な測定値によって示される確かな証拠をしっかりと考察するように提案する。 そして、それは子供たちがマスクを着用することを強制されるべきでないことを示唆している。


◆ 論文情報

Accepted for Publication: June 7, 2021.

Published Online: June 30, 2021. doi:10.1001/jamapediatrics.2021.2659

Corresponding Author: Harald Walach, PhD, Poznan University of the Medical Sciences, Pediatric Clinic, ul. Szpitalna 27/33, PL-60-572 Poznań, Poland (harald.walach@uni-wh.de).

Author Contributions: Dr Walach (principal investigator) had full access to all of the data in the study and takes responsibility for the integrity of the data and the accuracy of the data analysis.

Concept and design: All authors.

Acquisition, analysis, or interpretation of data: Walach, Weikl, Diemer, Traindl, Kappes, Hockertz.

Drafting of the manuscript: Walach, Traindl.

Critical revision of the manuscript for important intellectual content: Walach, Weikl, Prentice, Diemer, Kappes, Hockertz.

Statistical analysis: Walach.

Administrative, technical, or material support: Weikl, Prentice, Diemer, Traindl, Kappes, Hockertz.

Supervision: Weikl, Diemer, Traindl, Kappes, Hockertz.

Other–liaising with all other authors: Walach.

Conflict of Interest Disclosures: None reported.

Funding/Support: Mediziner und Wissenschaftler für Gesundheit, Freiheit und Demokratie eV, a public charity, has organized this study and covered only essential expenses, such as travel.

Role of the Funder/Sponsor: The funder had no role in the design and conduct of the study; collection, management, analysis, and interpretation of the data; preparation, review, or approval of the manuscript; and decision to submit the manuscript for publication.

Data Sharing Statement: See Supplement 3.


◆ 引用

*1.

Xiao  J, Shiu  EYC, Gao  H,  et al.  Nonpharmaceutical measures for pandemic influenza in nonhealthcare settings —personal protective and environmental measures.   Emerg Infect Dis. 2020;26(5):967-975. doi:10.3201/eid2605.190994 PubMedGoogle ScholarCrossref

*2.

Matuschek  C, Moll  F, Fangerau  H,  et al.  Face masks: benefits and risks during the COVID-19 crisis.   Eur J Med Res. 2020;25(1):32. doi:10.1186/s40001-020-00430-5PubMedGoogle ScholarCrossref

*3.

Schwarz  S, Jenetzky  E, Krafft  H, Maurer  T, Martin  D. Corona children studies “Co-Ki”: first results of a Germany-wide registry on mouth and nose covering (mask) in children. Published 2021. Accessed June 15, 2021. https://www.researchsquare.com/article/rs-124394/v1

*4.

Mitteilungen der Ad-hoc-Arbeitsgruppe Innenraumrichtwerte der Innenraumlufthygiene-Kommission des Umweltbundesamtes und der Obersten Landesgesundheitsbehörden.  [Health evaluation of carbon dioxide in indoor air].   Bundesgesundheitsblatt Gesundheitsforschung Gesundheitsschutz.  2008;51(11):1358-1369. doi:10.1007/s00103-008-0707-2PubMedGoogle ScholarCrossref

*5.

Walach  H, Weikl  R, Traindl  H,  et al. Is carbon dioxide content under nose-mouth covering in children without potential risks? a measurement study in healthy children. Published April 14, 2021. Accessed June 15, 2021. https://osf.io/yh97a/?view_only=df003592db5c4bd1ab183dad8a71834f

*6.

Kisielinski  K, Giboni  P, Prescher  A,  et al.  Is a mask that covers the mouth and nose free from undesirable side effects in everyday use and free of potential hazards?   Int J Environ Res Public Health. 2021;18(8):4344. doi:10.3390/ijerph18084344 PubMedGoogle ScholarCrossref