提案『日常生活の練習・環境への配慮』
毎週月曜に子育てに関するサジェスチョン記事を書いていますが、先々週より子供の運動敏感期を最大限に活かす『日常生活の練習』のアナウンスをしています。
先々週は『基本的運動』について、先週は『社交的な振る舞い』、そして今週は『環境への配慮』を中心とした動作の記事を記していますのでそれぞれの領域を意識されてみてください。
子供が学ぶに当り必要不可欠なのが『動き』であることは7月12日の『日常生活の練習・基本運動』で記したとおりで、一つ一つの動作を身につける事ができるようになると次は幾つかの動きを組み合わせた環境を対象とした取組みを行うことになります。
『環境への配慮』は人間以外の生物(動物・植物)や無生物を対象とした動きをさし、生物の世話や環境を整える動きを身につけていきます。ではどのような取組みがあるのかを列挙していきます。
1、ものの持ち運びや置き
2、箒で掃く
3、ブラシをかける
4、はたきをかける
5、机や窓、観葉植物の葉を拭く
6、洗濯をする
7、食器を洗う
8、食卓の準備をする
9、アイロンをかける(オモチャから本物へ使用段階を踏む)
10、鏡磨き
11、棚の整理
12、小動物のお世話
13、花の水遣り
14、庭仕事
15、植物の栽培
16、野菜の皮剥き
文明の進化や時代の変遷により日常生活が機械化され生活がとても楽になりました。洗濯や掃除、床拭き、食器洗いなど手動で行っていた行動が電化製品に取って代わり、大人にとっては便利になったと同時に、子供にとっては手で行う動作性のチャンスを失うこととなりました。子供にとっては大きな損失です。
よってその失われた動きを補う必要があります。無駄の無い秩序だった美しい動きを身につけることで、他者に依存せず自分で考え行動をとる事ができる自立した子供に成長します。
使用する道具も場合によってはオモチャから本物へ使用をステップアップする必要もありますが、できるだけ子供のサイズに合った本物を使用することにより危ないものや壊れるものを慎重に扱える動作を獲得させる練習が必要になります。
関東の私立小学校ではこのような行動がきちんと取れているかを判断する受験内容も組み込まれている学校もあります。合格を勝ち取るために私塾ではいろいろなトレーニングを行いますが、本来は幼児の頃から確りと生き抜く力を身に付けることが本来の姿だと考えます。
賢い子供を育てることは学習だけでは不十分、社会性や自立した行動を確りと身に付けることも重要なことなのです。
自分のことは自分でをマスターさせ、人のために行動が起こせる次のステージに上がるためにもこの取組みを喜んで進んで働ける子供に育てましょう。