「ただ弾ける」から「一流の演奏家への道」 その2.音楽的な演奏を極める
①作品の背景知る
作曲された年代を知ること
作品は時代の影響や流れ、当時の流行等も伝えてます
◆当時の鍵盤楽器の機能
これを知ると指や体の使い方がわかります。
1800年代になりやっとピアノが現代ピアノ に近くなり、
響きや強弱の幅がひろがります。
コラム「ここは教えて欲しかったポイント」3参照
◆芸術(美術··絵画、彫刻、建造物や文学等)
当時の美的センスがわかります。
バッハの時代のゴシック建築、
ドビュッシーの時代のフランス印象派の芸術
以上からも音楽以外の芸術が大きなヒントになります。
◆社会情勢 (貴族社会、政治、経済、戦争)
テンポの捉え方や表現の方向性がわかります
社会の影響は音楽にも現れます。
トルコ行進曲は、
当時優勢だったトルコの音楽の影響
ショパンのエチュード12番が革命と言われる理由
などを調べると、当時の社会情勢がわかります、
◆生活スタイルや流行 (土地に伝わる文化、ファッション)
例…
汽車が発明された1800年後半と
それまでの馬車やのどかな時代とは
作品の速度感が違います。
これを知るだけでもかなり雰囲気がつかめてきます
②作品を分析する
楽曲分析とは
◆構成を知る
三部形式、ソナタ形式、ロンド形式等、
構成にはさまざまな種類がありますが、
これがわかると、 譜読みや暗譜が早くなります。
演奏にメリハリやドラマが生まれます。
作品の全体像がわかると
新しい街が馴染みの街に
なるような感覚になります。
◆和声を知る
楽譜を拍毎などに分けて、和音にして弾いてみます。
和声の変化に気づくと、
演奏の色彩感を出すヒントが見えてきます。
◆演奏法を知る
どんな技術が必要なのか
技術の為のトレーニング
音階?
アルペジオ?
オクターブ?
3度等の和音?
跳躍?
等
それぞれに必要な練習方法があります ·
どんな表現が必要なのか
完成する速度を意識して、
弾ける速度より少しゆっくりから練習開始
③アーティストが語るヒント
バレンボイムやアシュケナージ、ブレンデル等巨匠たちが
公開レッスンやインタビューなどで
共通して語ることは、
演奏に必要な技術や知識を充分に準備した上で、
舞台では、
その作品のバックグラウンドを知らない聴衆にも
演奏に込めた表現が伝わるかどうかを意識することでした。
予備知識を持つことで感情移入しやすくなったり、
聴くたびに好きになる曲もあります。
まずは、 聴いた瞬間に感動が共有出来ることがすごく大切です。