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ゼロポイント・解毒

2018.07.08 05:36

Facebook・中村 臣市郎さん投稿記事  最後の審判

それは聖書に記録されていた。

ある意味で自然の摂理であるが、また宇宙の定理、物質と生命の永遠の循環、輪廻であるが、一つだけ有限な生命に許された自由があった。

それは精神の覚醒であり、自然の原点に救命の光があるということである。

それが永遠に普遍的に貫く宇宙の生命力でありそれは物質と生命に伝達された。

植物はその与えられた天性の生命力を環境でさらに新しい創造的な力として進化させた。

個体と種を支えているのは永遠に向かう意識であり不屈な永続の意思であった。

それが生命の普遍的な液体免疫である。

その形式は多様で1000万種あるが、現代科学が解明しているのは1億分の1に過ぎない。

液体免疫の多様性、その不可欠なものが免疫力であり、土のようか環境においても有利に乗り越え府生体抵抗力増強であり、生体に害があるものの解毒分解である。

00チンの副作用、毒性を緩和させ無毒化するものは薬草の世界を見れば山ほどある。

それらは科学的に研究し分析し薬理物体の化学構造を決定し生体にどんな生理的な有益活性作用があるが検証すべきであるが、少なくとも古人の直感、経験に従えばそれらの薬物は選択される。

生体抵抗力増強薬物、冬虫夏草、高麗人参、エゾウコギ、チャウセンゴミシ、タラノ木、霊芝、日本山人参、田七人参、ツルニンジン、

チクセツニンジン、などオ多くのものがある。

これらは医学体に非特異的抵抗力増強作用のある薬物、適応源、アダプトゲンと定義される。

この薬物は免疫力を一般的にもつ。

臓器、器官、筋肉、脳、骨、神経組織に対する機能の増大と耐性が期待できる。

異物、化学物質の解毒する薬物

松葉、タンポポ、ナツメ、クロマメ、ケイ素水

これは電磁的な分子結合によって毒の中和、排泄をやる。 オミナエシ、クズどの部分でもよい。

キクの花、できれば白と黄色

キバタ、ドクダミ、ヨモギ、ギシギシ、イタトリ、ヤブガラシ、ヤブタバコ、エビズル、フキ、ニガウリ、など山ほどある、

生体の毒を分解する機能がある臓器は腎臓と肝臓である、この方面も強める必要がある。

それを強める薬物

重複するが大一番はチベット伝統医学で、医学的に臨床で公式に認められた冬虫夏草、タンポポ、オウギ、キササゲ、トウモロコシの毛、

ヒトツバ、クリハラン、ノキシノブ、スギナ、

オオバコ、ジオウ、伝七人参、日本山人参、

、霊芝、オミナエシ、ネズミモチ、トチュウ、

など豊富であり後は確率の問題である。

各種 2種、または3種以上の複合でもよい。

一種の薬物 20グラムを越えないこと。

コップ5杯の水で半量、または60分煎じる。

多方面の効用が期待される。


Facebook・蛯名 健仁さん投稿記事 ·

酸化グラフェンを弱毒化する方法は抗酸化物質"グルタチオン"


https://gendai.ismedia.jp/articles/-/84776  【みんなの大疑問!日本のコロナワクチン開発はなぜ遅れたのか?】より

掘り下げてわかった残念すぎるその理由

瀧澤 美奈子科学ジャーナリスト

プロフィール

2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症は、世界各国をいっせいに襲ったために、各国が抱える課題を炙り出すと同時に、各国間の科学力の対比をも容易にした。とりわけ欧米諸国では複数のワクチンが数ヵ月で完成したのに対し、日本のワクチン開発は完全に出遅れた。

「科学技術立国」を標榜していたはずの日本に、いったい何が起きたのか。

背景を取材して見えてきた課題から、今後の改善策を探る──。

先進7ヵ国で最下位

世界では、ファイザーやモデルナ、アストラゼネカなどによる新型コロナウイルスワクチンの接種が進み、それに呼応するように感染者数が激減した。6月上旬までに国民の4割が接種を終えた米国では、現金給付を柱とした政府の経済対策ともあいまって、経済回復のペースが加速している。

接種率が米国とほぼ同程度の英国では、インド変異株による感染拡大が懸念されてはいるものの、死者数には目立った増加傾向は見られない。国際通貨基金(IMF)が4月に公表した「世界経済見通し(World Economic Outlook)」によれば、GDP成長率のトップは英国で、先進7ヵ国(G7)中の最下位は──、日本である。

その日本でも、海外からの輸入ワクチンの接種が進みつつあるが、国産ワクチンについては6月末現在、最も早いものでも最終段階の臨床試験中という状況だ。

科学技術立国を標榜していたはずの日本がなぜ、即座に自国産ワクチンを国民に供給できない状況に陥ったのか?

そして、このことから学ぶべき教訓はいったい何だろうか?

【写真】ワクチン製造自国産ワクチンを国民に供給できないのはなぜか? photo by gettyimages

「ワクチンは儲からない」

すでに多くの論者が指摘していて繰り返しになるため、くどくどとは述べないが、国の感染症に対する備えが不十分だったことが最大の原因であることは指摘せざるを得ない。

じつは、「ワクチンは儲からない」というのが、かねて製薬業界の常識となっている。したがって、どの国であっても、感染症ワクチンへの資金投入は、リスクを引き受けられる政府でなければできない仕事である。

長く外資系の大手製薬会社の日本法人で開発責任者を務めた経験をもつ山梨大学副学長の岩崎甫(いわさき・まさる)さんは次のように話す。

「感染症というのはふしぎなもので、重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)がそうだったように、突然、まるでオバケのように消えてしまうこともあるんです。そのため、感染症ワクチンは、流行から終息までの正確な需要量を見通すことができません。加えて、市場での寡占性が高く、ハイリスクでもあります。安全性が高くて効果も高いワクチンがいったんできてしまえば、後発品をあえて使う必要はないわけですから。

後発品では、臨床試験に参加する人を募るのも難しくなり、余計に費用がかかります。研究開発や臨床試験、生産にかかる莫大な費用を、一民間企業である製薬会社が単独で負担することは不可能なんです」

岩崎さんは現在、国の医学研究のファンディング機関である日本医療研究開発機構(以下、AMED:https://www.amed.go.jp)で、専門家の立場から予算配分された医療研究の課題を把握したり、関係者間を調整したりするプログラムディレクター(PD)も務めている。

AMEDは、首相をトップとして内閣に設置された健康・医療戦略推進本部が司令塔となり、関係省庁(厚生労働省、文部科学省、経済産業省、総務省)と決めた医療研究プログラムの予算(年間約1400億円)を執行(研究者への公募、採択、進捗管理、調整)する実行部隊である。

「国家としての危機意識」の欠如

SARSやMERSの流行を受けて、日本でも将来必ず発生すると見られていた新興感染症に対し、国による備えの重要性が感染症の専門家から指摘されていた。にもかかわらず、政府はムダ金になるリスクを嫌ったのか、子宮頸がんワクチンなどに関係する訴訟が影響したのか、ワクチンの研究開発には小規模な予算しかつけていなかった。

日本とは対照的に、米国、英国、中国、ロシアはワクチン開発を「国の安全保障の柱」と位置づけ、欧米では少なくとも数千億円規模の予算を投入して着々と研究開発を進めていた。

彼我の差は、国家としての危機管理意識の違いというしかない。パンデミックやバイオテロへの備えとして、世界ではワクチンが安全保障上のカギになると認識され、国を挙げて準備が進められていたのである。

日本のワクチン開発はなぜ、遅れたのか──。

我々一般人にしていれば、当然このような疑問を抱く。ところが、国内の製薬関係者からは当初、「日本が遅れたのではなく、彼らが異常に速かったというのが正直な感想だ」という声が漏れ聞こえてきた。

米・英・中・露のワクチンに対する迅速な動きは、「専門家も驚くほどだった」というのだ。しかし、以下に示すとおり、その認識こそが、日本が知らないうちにガラパゴス化し、世界に遅れをとっていたことを如実に示しているのである。

どういうことか。

日本でも完成間近だったmRNAワクチン

衝撃だったのは、「mRNAワクチン」の開発をしていた研究者が日本にもいて、完成間近だったという事実だ。東京大学医科学研究所の石井健教授である。

mRNAワクチンとは、今回のパンデミックにおけるゲームチェンジャーであり、医薬品のパラダイムシフトともなった、ファイザーやモデルナの開発したワクチンと同じ基本原理のワクチンだ。

石井教授は、2003年まで米国のFDA(アメリカ食品医薬品局)でワクチンの基礎研究や臨床審査を経験し、海外のワクチン開発に精通した専門家である。2003年に帰国し、2016年に当時在籍していた医薬基盤研究所で、パンデミックに備えてmRNAワクチンの開発を始めた。医薬基盤研究所と第一三共株式会社、霊長類医科学研究センターとの共同研究で、年間3000万〜6000万円の研究予算だった(石井教授は同時期にAMEDの戦略推進部長も兼務していたため、倫理規定によってAMEDの予算ではなく、医薬基盤研究所の運営費交付金での研究となった)。

そのmRNAワクチン研究は2018年までに、MERS、ジカ熱、インフルエンザ、HPV(ヒトパピローマウイルス)などの感染症ウイルスに対して順調に開発が進んだ。特にMERSウイルスでは、サルを使った実験による効果も認められたことから、研究所を通して国に対して数億円規模の臨床試験の予算要求をした。

ところが、国からの返答は「企業に出してもらえ」というものだった。一方で、第一三共としては、MERSは韓国で収束し、日本には来なかったため、「開発理由がなく、つくれない」という当然の判断を下すほかなかった。

【写真】韓国でのMERS流行MERSは韓国で収束し、日本には来なかったため、「積極的な開発理由がない」という判断がなされた photo by gettyimages

「犯人は私です」

国と企業の双方から資金提供を断られ、石井教授らのmRNAワクチン開発は臨床研究に入ることなく頓挫した。当時作成された資料を見ると、もしもこのとき、スムーズに臨床研究に進んでいれば、2021年には承認申請にいたるスケジュールだった。なんとも残念な経緯である。石井教授は次のように話す。

「誰が真犯人なのかと聞かれることが多いのですが、真犯人は私自身じゃないかと思っています。もし、モデルナやビオンテックのように、私がベンチャー企業の社長だったなら、命を賭けて、生活を賭けてでもやっていたと思います。当時の私は、AMEDの部長職も兼任して多忙を極めており、世界中を駆けめぐって予算確保に走りまわるようなことをしなかった。後悔先に立たずで、お恥ずかしく、本来なら外に出せない話ですが、何かしら反省の材料にしていただければと思って、お話ししています」

石井教授は紳士的にこう話すが、実際には国の責任が大きい。ほぼ同じ時期の2016年、米国のモデルナでもmRNAワクチンの実現性が視野に入る段階になっており、保健省の生物医学先端研究開発局(BARDA)から第1相の臨床試験として800万ドル、第2相、第3相の臨床試験も加えると最大で1.25億ドル(1ドル100円換算でそれぞれ8億円、125億円。以下、ドル表示の円換算は同)の研究支援を受けている。

つまり、日本にも新しいワクチンの技術があったにもかかわらず、政府が感染症ワクチンに関して安全保障上の備えを怠っただけでなく、mRNAワクチンという先端技術の見極めをも誤ったということなのである。

アストラゼネカのスピード感

いったん新興感染症が発生すれば、ワクチンの開発生産はタイムレースになる。伝えられるところによると、中国では、ワクチン開発に1000人の研究者を投入したという。

英国で開発されたアストラゼネカ製のワクチンは、オックスフォード大学ワクチンセンターの2人の教授が率いる研究チームによるものだ。彼らは、2020年1月11日に中国のウイルス学者が新型コロナウイルスのゲノムをインターネット上で公開してから、わずか3ヵ月後の4月23日には臨床試験を開始している。

このようなハイスピードでの対応が可能だった理由は、いざ必要となったら可能なかぎり短期間でワクチンが完成することを目的として、「ワクチンの器」となるものをあらかじめ準備しており、「ウィルスの出現を待つだけ」という態勢を整えていたからだ。

「ワクチンの器」とは、「ウイルス・ベクター」とよばれるもので、チンパンジーに感染する一般的な風邪のウイルス(アデノウイルス)を運び屋(ベクター)として、ウイルスの遺伝情報の一部を体に届けるためのしくみである。これによって、抗原の遺伝情報さえ入れ替えれば、迅速にワクチンを作製することができる。

しかも、彼らには新型コロナウイルスと同じコロナウイルスの一種であるMERSワクチンを開発した経験があり、抗原となるスパイクタンパク質のことも知っていた。十分に準備ができていたのだ。

詳しくは後述するが、「ワクチンの器」を準備していたのは米国のmRNAワクチンも同様だ。米国国防省の国防高等研究計画局(DARPA:通称ダーパ)が、有事に備えて10年前から次世代型のRNAワクチンの研究をおこなうベンチャー企業や大学に資金投入していたのが、今回みごとに結実した。

【写真】アストラル・ゼネカ製のワクチンアストラゼネカは、ハイスピードで対応できた photo by gettyimages

「ワクチンの器」をもっていた

米国の動きは特筆すべきものだった。

特にファイザーとモデルナは、新型コロナウイルス感染症の流行を契機に、mRNAワクチンという、新しいしくみのワクチンを一挙に普及させた。ともに95%という高い有効性(95%の割合で感染を防げる)をもち、いま確認されているかぎりにおいては安全性も高い。

しかも、新型コロナウイルスのゲノム配列を入手してからわずか数日でワクチンとしてパッケージ化するという、mRNAワクチンの最大の武器である「スピード」を遺憾なく発揮した。それが可能だった理由はアストラゼネカと同様、「ワクチンの器」を準備しておき、抗原のゲノム情報さえ入手できれば、ワクチンにできるしくみを備えていたからだ。

最初にこのニュースを知ったとき、筆者にとって最も印象深かったのは、これらワクチン開発の重要なプレイヤーがいずれも、ベンチャー企業であった点だ。今回、mRNAワクチンをいち早く世界に供給した2社のうち、ファイザーのワクチン開発の中核を担ったのは、2008年にトルコ系ドイツ人科学者らによってドイツで設立されたベンチャー企業「ビオンテック」であり、一方の「モデルナ」も、2010年に米国の幹細胞学者が設立したベンチャー企業なのである。

今回の成功を受けて、mRNAワクチンは今後、HIVやマラリア、インフルエンザなどのワクチンのプラットフォームとして広く使われるようになると見込まれている。また、ベンチャー各社はコロナ以前の段階では、mRNAワクチンを体の免疫システムの力を借りてがん細胞を攻撃する「がんワクチン」実現のために研究してきた経緯がある。新型コロナワクチンで思いがけず莫大な資金力を得たいま、彼らはさらにこのプラットフォームをがんワクチンを含め、幅広く展開していくことになるだろう。

アメリカが先行できた2つの理由

そもそも、ファイザーやモデルナはなぜ、このような革新的なワクチンを実用化することができたのか。米国がmRNAワクチンを生み出しえた理由は、前述の国の安全保障に対する姿勢以外に2つあると筆者は考えている。

1つは、国防高等研究計画局(DARPA)のようなファンディング機関が、将来花開くポテンシャルをもった科学や技術のアイデアを見極める「目利き力」をもっていて、研究の早期段階である“芽生え”の時期から投資できるシステムを構築しているということ。

もう1つは、米国に、製薬のスタートアップ企業や大学・研究機関、ベンチャーキャピタルや行政などが相互に関与して絶えまなくイノベーションが生まれる素地となる「イノベーション・エコシステム」が存在することだ。

日本が今回の失敗を奇貨としたいのなら、これら2点をこそ学ぶ必要があるだろう。

mRNAワクチンとは何か

mRNAワクチンの開発経緯を理解するために、mRNAワクチンについてあらためて確認しておこう。

ワクチンは、病気の原因となる物質(抗原)をあらかじめ体に認識・記憶させ、実際に体内に侵入してきた際に破壊するよう、免疫を訓練するものである。免疫反応を刺激できるギリギリまで病原性を弱らせたものを使ったり、病原性をなくして免疫をつくるのに必要な成分だけを製剤にしたりすることで作製する。

抗原としては、病原体が人体に感染する際の足場となる病原体表面のタンパク質や糖質の断片を使う(新型コロナワクチンの場合には、ウイルス表面にある「Sタンパク」とよばれるタンパク質を抗原としている)。

mRNAワクチンの場合はこのとき、抗原そのものではなく、抗原の遺伝情報であるmRNA(メッセンジャーRNA。遺伝情報を担う核酸の一種)の文字列だけを使う。それを脂質ナノ粒子(LNP)とよばれる小さな油滴の中に入れてパッケージ化する。

こうして作製されたmRNAワクチンを人体に投与すると、細胞の中でmRNAの指示どおりに抗原がつくられるしくみだ。すなわち、人の体が「ワクチン生産工場」になるわけだ。

人体に入るのは病原体の全遺伝情報ではなく、抗原をつくる部分だけなので、感染性(病原体が宿主内でコピーをつくる能力)は備えておらず、病原体の細胞成分が混入する心配もない。つまり、原理的にいえば、従来のワクチンよりも安全性が高いと考えられている。

【図】mRNAワクチンの概略mRNAワクチンの概略(米・スノホミッシュ保健局資料ほかを参考に作成)

「次世代ワクチン」のホープが頓挫していた理由

このようなスマートなしくみであるため、mRNAワクチンは「次世代ワクチン」の筆頭候補と目されてきた。その歴史は意外と長く、おおもととなったアイデアは1990年代、現在のフランスの製薬会社・サノフィ・パスツールの研究者が生み出した。

しかし、壊れやすいmRNAを細胞で働かせるのが難しいことと、mRNAを包むために使われていた膜が人体への使用に向いていないという安全面における課題があった。いくつかのブレイクスルーを経て、現在のmRNAワクチンに用いられているmRNAの安定化技術や安全性の高い脂質ナノ粒子(LNP)を開発するまで、長い年月を要したのである。

【写真】RNAワクチン生んだフランスの製薬会社・サノフィ・パスツール社mRNAワクチン生んだフランスの製薬会社・サノフィ・パスツール社。しかし、安全面における課題をクリアするのに長い年月を要した photo by gettyimages

この研究を実用化に向けて後押ししたのは、先にも登場した米国国防省の国防高等研究計画局(DARPA)である。DARPAは2012年、ノバルティス、ファイザー、アストラゼネカ、サノフィ・パスツールなどの大手製薬企業に対し、mRNAワクチンや治療薬に対する研究資金の提供をはじめた。

データは良好だったが、大手各社はまったく新しいコンセプトに基づくワクチンの実用化に二の足を踏んだらしい。実際、2013年の新型インフルエンザ流行時には、ノバルティスがこの感染症に対するmRNAワクチンをつくり、マウス実験までおこなっているが、当時は臨床レベルのmRNA製造技術の能力が限られていたために、ヒトに試す治験段階にまではいたっていない。

結果として、ノバルティスは2015年、グラクソ・スミスクライン(GSK)にワクチン事業ごと売却している。2015年の時点で少なくともノバルティスは、mRNAワクチンに期待をかけていなかったということだろう。

医薬ベンチャーへの惜しみない資金提供

一方、ベンチャー企業の動きはどうだったのか。

mRNAワクチン理論の実用化に世界で初めて取り組んだのは、2000年にドイツ南部の大学都市、テュービンゲンで設立されたキュアバック社(CureVac)である。このドイツの小さな会社に対し、DARPAは早くも2011年の時点で、3310万ドル(33.1億円)の研究資金を拠出している。

また、2010年に米国で幹細胞生物学者であるデリック・ロッシが起業したモデルナは、創業3年後の2013年に、やはりDARPAから合計6500万ドル(65億円)もの資金提供を受けており、2015年には新型鳥インフルエンザ用のmRNAワクチンの臨床試験を開始した。

そのほか、2008年にトルコ系ドイツ人科学者らによって、こちらもドイツで設立されたのがビオンテックである。がんワクチンの候補としてmRNAワクチンを研究していた同社は2018年、インフルエンザ用のmRNAワクチンの開発に向け、ファイザーと研究開発協力を開始した。

以上の経緯をざっくりまとめると、大手よりもベンチャーが“粘り腰で”mRNAワクチン研究を推進してきたといえる。注目すべきは、それは米国だけでなくドイツでもおこなわれてきたという点にある。そして、それら各社に少なくない資金を提供したのが、米国国防省傘下にあるDARPAだった。

「技術的な想定外」をなくす

この事実に、科学として卓越した可能性を秘める研究であれば、海外のベンチャー企業に対しても惜しみなく助成するというDARPAのユニークな姿勢を見てとれる。

DARPAは、1957年に旧ソ連がスプートニク衛星を打ち上げた後に設立された。いわゆる「スプートニク・ショック」の反省のもとに、米国がふたたび「技術的な想定外に見舞われることのないよう」に設置された組織であり、国防高等研究計画局という名称とはうらはらに、武器だけを開発することを目的とはしていない。

2019年度の年間予算で34.3億ドル(3430億円)を擁するDARPAがカバーするのは、実用化に向けた研究プロジェクトである。過去、インターネットや携帯電話のチップセット、ステルス技術や暗視装置、GPSや自律走行車、手術支援ロボットなどを開発したことで知られる。いずれも「ああ、あれだな」とイメージできる、世界を変えた革新的なイノベーションである。

【写真】DARPAが開発した義肢DARPAが開発した義肢を視察する、オバマ政権時のチャック・ヘーゲル国防長官。実用的な技術開発・研究に多くの予算を割く photo by gettyimages

世界最先端の研究動向に精通した研究者たち

DARPAの卓越性は、どのように生み出されているのか。

DARPAをDARPAたらしめているのは、プログラム・マネージャー(PM)の存在である。DARPAの組織はフラットで、局長、室長、PMの3層しか存在しない。PMは、産業界、学術界、軍から約100名の研究者が3〜5年間の期限でDARPAに出向し、研究プロジェクトの立ち上げから遂行までの責任を追うしくみとなっている。

選抜されるのはいずれも、世界最先端の研究動向に精通した研究者たちである。PMは、科学技術上の新しいアイデアに基づいた新しい研究のビジョンをDARPAの経営陣に売り込み、それが成功して初めて、自分が主導できる研究プログラムとして立ち上げることができる。

このとき、PMは決して、隆盛期を迎えている科学技術を経営陣に売り込むのではない。物理学、化学、生物学など諸分野の最前線に焦点を合わせるのだ。そして彼らには、リスクの高いアイデアを追求することが奨励される。

こうした背景があるからこそ、mRNAワクチンのように「ハイリスクではあるが、インパクトの大きい」研究アイデアが支援されるのである。また、既得権益や官僚主義的な弊害が生じないよう、組織は必要に応じて柔軟に改変され、人材もひんぱんに入れ替わる。

DARPAが資金提供する研究プログラムに、10年後に大きく花開くかもしれない「科学的な先見性」が反映されているのは、外部の専門家をうまく活用する、流動性の高い体制が整えられているからだ。

現在、本家・米国のNIH(国立衛生研究所)の中にDARPAに倣った組織を立ち上げることが計画されているほか、イギリス、ドイツ、オーストラリアなどでもDARPAのアプローチを参考にした新組織の設立が検討されているようだ。

組織文化における最適解は国によって異なりうるだろうが、重要なのは、失敗を許容しつつも責任の所在が明らかで(つまり、成功すれば積極評価されるということ)、先見性の高い長期投資を可能とする体制づくりである。こうしたしくみを整備することこそが、パラダイムシフトを起こすような大きなイノベーションにつながるのではないか。

日本の現実

日本の現状はどうか。

残念ながら、AMEDで予算執行されている研究プロジェクトの立ち上げの経緯は公表されておらず、透明性や公平性が担保されているとはいいがたい。制度上、はっきりしているのは、戦略を決めるのは首相をトップとして内閣に設置された健康・医療戦略推進本部であり、それに沿ってAMEDで予算執行されるということである。

個々の研究プログラムの立ち上げがどのようなプロセスを経ているのかは推測するしかないが、必ずしも最先端の科学研究に通じているわけではない官僚が、内々に懇意の有識者に話を聞いて研究プログラムを決めているのではないかという指摘もある。

決まった研究プログラムには多くの人々が関与するが、DARPAのPMのように、オーナーシップ(個人が与えられた職務やミッションに対して主体性をもって取り組むマインド)を発揮できる環境は整っておらず、責任の所在もあいまいだ。

政府は6月1日、司令塔である健康・医療戦略推進本部で「ワクチン開発・生産体制強化戦略」(以下、「戦略」)を閣議決定した。「ワクチン敗戦」の要因分析と今後の改善策をまとめたものだ。文書は健康・医療戦略推進本部の官僚組織である内閣府の健康・医療戦略推進事務局が作成した。

この「戦略」の中で、政府が早い段階のワクチン研究に予算をあてなかった反省として、「医療研究開発機構(AMED)による支援は、(中略)収集された情報の質や量も少なく、政府が必要とする情報収集には貢献できず、政府と一体となった戦略的なワクチン開発を牽引できなかった」とある。

しかし、事実は少々異なる。

理想にはほど遠い組織体制

mRNAワクチンに対しては、年間1000万円という少額ではあるものの、2017年からAMEDによる研究支援で、第一三共株式会社が細々と研究を続けていた。このことが、今回のパンデミックにおける国産mRNAワクチンの開発に寄与した面がある。つまり、AMEDの現場レベルではこの技術の重要性が理解されていたが、国の大きな意思決定にはつながらなかったというのが真相だ。

健康・医療戦略推進事務局は、AMEDに責任を転嫁してはならない。実行部隊には「こうすべきだ」という思いはあっても、予算配分などの権限がない。現場を知っているだけに、そこに彼らの苦悩がある。上に立つ者に、それを吸い上げるだけの見識や度量、責任感が欠如していれば、ふたたび同じあやまちが繰り返されることになるだろう。この懸念をさらに抱かせるのが、次の部分だ。

今回の敗戦をふまえ、「戦略」ではAMED内に先進的研究開発戦略センター「SCARDA(スカーダ)」(仮称)を新設し、戦略性をもった研究費のファンディング機能を強化するとしている。

「戦略」によれば、SCARDAの予算配分を主導するのは健康・医療戦略推進事務局である。また、意思決定は、新たに置かれるフラッグシップ拠点長とプロボスト、そして健康・医療戦略推進事務局長がおこない、緊急時には厚生労働省医務技監も加わるとしている。

先に、DARPAの組織はフラットで、局長、室長、PMの3層しかないと述べたが、日本の官僚組織はピラミッド型の多層構造である。それに加えて、新組織では予算権限は健康・医療戦略推進事務局が握りながら、フラットにはほど遠い、多くの上級役職者たちが意思決定に関わることになる。

ぜひとも、科学の最先端の状況に精通したAMEDの現場や研究者の声が意思決定に反映されることを望みたい。

DARPAが存在しうる理由

最後にもう一点、つけ加えておきたい。

以上の議論は、「失敗をしないための処方箋」ではない。DARPAにおいても、失敗を許容していることを思い出してほしい。むしろ、前向きで小さな失敗を多く重ねることによって活力を生み、「長期的に大きな成功の確率を上げるための処方箋」である。

さらにいえば、DARPAが存在しうるのは、PMが参照できる価値のある基礎研究が存在するからだ。それには、たとえば米国の保健分野でいえばNIHのように苗床となる基礎研究への長期的で信頼性の高い投資、いわゆる「ハイトラスト・ファンディング」によって、価値の高い基礎研究が担保されなければならない。そのためにも、予算面でのゆとりが必要不可欠である。

次に、米国でmRNAワクチンの開発を担ったプレイヤーを生み出した環境を見てみよう。米国ではなぜ、複数のベンチャー企業がmRNAワクチンを研究する状況が生まれていたのか。

「クレイジーなアイデア」を重視せよ

「ハリウッドの映画業界と同じです。米国では、大手製薬会社が新しい薬をつくっているわけではありません。小さな企業がつくったものを、『これ、面白そうだな』といって買い上げ、大規模に展開するのが大手の役目になっています」

こう話すのは、AMEDで研究開発統括推進室長を務める岩本愛吉東京大学名誉教授だ。岩本さんは東京大学医科学研究所で、HIV感染症の臨床と研究に長く携わってきた。

米国では、小さくて活気のある組織の中で、誰からも相手にされず、クレイジーと思われるような画期的なアイデアやプロジェクトが、人知れず生み出される。そういうアイデアを、ベンチャーキャピタルや政府が手厚く支援することで、イノベーションを絶えまなく生み出す土壌を保持し続けている。

このような斬新なアイデアのことを最近、米国の物理学者でベンチャー起業家でもあるサフィ・バーコールは「ルーンショット」という造語でよび、2019年に上梓した著書『LOONSHOTS<ルーンショット> クレイジーを最高のイノベーションにする』の中で、ルーンショットやそれを生み出せる組織の条件を考察した。

【写真】サフィ・バーコール米国の物理学者で、ベンチャー起業家でもあるサフィ・バーコール氏 photo by gettyimages

「ルーン」とはクレイジーの意味で、「ショット」はムーンショット(月に探査機を送るような大事業)にかけた表現だ。

「AMEDでもみんなに話していることですが、日本はまったくそういう構造になっていません。日本はいまも、リニアモデルでやっています。大学や研究機関での基礎研究によって薬のタネを探す、細胞や動物を使って治療効果があるかどうかを確認する、ここまでが文部科学省。そこを超えたあたりで厚生労働省の予算を使って臨床試験や医師主導治験、治験などをおこなって産業に渡す、という流れです」(岩本さん)

ところが、この流れが機能していないことが明らかになったのが、今回のワクチン開発だった。岩本さんがいう。

「米国政府はmRNA研究にかなり前から目をつけていて、ベンチャーを中心に支援をしてきた。その結果、技術も成熟していました。だから、昨年1月に中国が新型コロナウイルスの遺伝子配列を発表した直後から、『mRNAワクチンも使える』と見極めると、巨額の予算で素早く対応した。

一方、日本では、国立感染症研究所(感染研)がウイルスを分離して国が予算を決めるまで、製薬会社は待機していたのではないでしょうか。製薬会社にしてみれば、保険収載されて国内販路を確保することが目標だったのではないか。ありえないほどのスピード感の違いです」

日本にもいい基礎研究があるのに…

「米国がすべていいというつもりはありませんが、広い意味での研究を、国としてどう考えて、どう育てるかということを、彼らは1980年代に議員が先頭に立って徹底的に分析し、『ベンチャー企業こそイノベーションの推進力である』という答えに達したんです。

シリコンバレーの連中と話していると『お前、何かやりたいんじゃないの? やりたいなら弁理士やベンチャーキャピタルを紹介するよ』といわれます。なにより、チャレンジしようとする人を応援する空気がいい」

こう指摘する岩本さんには「日本にはいい基礎研究があるのに活かされていない」という忸怩たる思いがある。AMEDのPDを引き受けたのも、基礎から実用までをきちんとつなぐ必要性を痛感していたからだ。

「mRNAの研究は、日本の企業でも以前からおこなっていました。ただし、mRNAそのものは生体に入れるとすぐに分解されてしまうので、当時は実用化が難しく、開発を止めてしまった経緯があります。その点、海外ベンチャーはしぶとく研究を続けました。結局、科学に対する懐の深さが違うのだと思います」(岩本さん)

先に述べたとおり、欧米でもmRNAワクチンの開発を途中で断念し、部門ごと他社に売却した大手製薬企業があった。大企業には技術の選択肢がいくつもあるが、ベンチャー企業はその技術で行くと決めたら、それに賭けるしかない。それが吉と出るか凶と出るかはわからないが、真剣勝負の度合いが高いことは間違いないだろう。

「もちろん、お金の問題もあります。日本には、イノベーティブな研究を育てる環境がそれほど整っているわけではありません。日本でも、『よくわからないけど、面白いアイデアだからお金を出してみよう』という環境を、国も企業も醸成していく必要がある。成功確率の高い人は、失敗を経験した人です。何度もチャレンジする機会を得られることが大事です」(岩本さん)

米国の創薬ベンチャーの原動力の1つは、新薬開発の際に得られる莫大な利益である。ハイリスクではあるが、ハイリターンが期待されるため、ベンチャー・キャピタルなどから豊富な資金が投入され、エコシステムが形成されるのだ。

国民皆保険の日本では、薬価が安く設定されるため、新薬開発は典型的な「ハイリスク・ローリターン」事業になってしまう。イノベーションを推進するビジネス環境が整っているとはいえないのは確かだ。日本の制度のなかで成立するイノベーション・エコシステムを模索するしかないだろう。

一方で、政府が創薬分野に限らず、ベンチャー企業を育てるために、日本版SBIR(中小企業技術革新制度)制度を再スタートしたり、自治体・大学・金融機関・ベンチャー支援機関の連携を促したりと、ベンチャー企業を育てる機運が高まっている。これについては、機会を改めて考察することにしたい。