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13th hour garden

各方面の反応~やじきたCの場合(「始まりの日」番外#1)

2017.03.05 02:33


(その一)


「聞いたよ、剣望くん。卒業したら、甲賀へ帰るんだって?」

「耳が早いな」

「そっかあ、寂しくなるねー」

「でも、大学の入学試験は受けるんだろ」

「まあ、実力試しってことで」

「雪也が飛び級して大学受験ってのにも驚いたけどね。まあ、あいつらしいといえばあいつらしいけど」

「小鉄も同じトコ受けんだろ。無事受かったら、また徳成邸に戻んのかい?」

「多分な」

「そっかー。卒業したら、離れ離れになる訳か。二人とも寂しくないかい?」

「?何が?」

「だって、甲賀と東京だろ。遠距離恋愛って訳じゃん」

「ははは、何言って・・・」

狭霧は笑いかけ、一瞬後、ぎょっとして矢島と篠北を見た。

「おおおお前たち?!」

矢島と篠北は、にやにやとした表情で狭霧を見返した。

「ふっふっふっ、あたしらが気付いてないと思ってたのかい?」

「甘く見てもらっちゃ困るねえ」

「なっ何で・・・」

焦りながら狭霧が聞くと、二人は互いの顔を見ながら、

「そりゃね。雰囲気で分かるよ」

「うん。あ、できた!って思ったもんね」

なんで、こいつらは、余計な事にまでこう鋭いんだ・・・狭霧は頭を抱える思いだった。

「心配しなくても、雪也なんかは鈍いから気が付いてないよ」

苦悩する狭霧の背に、篠北の慰めにもならないフォローが飛んだ。


(その二)


「まあ、人生いろいろだからね。でも、二人ともAIDSだけには気をつけておくれ」

「エッ、エイズ?! きっ、気を付けろってどーゆー意味だよ?!」

「え?じゃ、まだそこまで行ってないの?」

「だから、行くとか行かないとか、一体何の話だよ?!」

「それじゃ、小鉄は一年も据え膳に手ぇ出さなかったのかい? すごいね、流石人間できてるね。鉄の自制心だねー」

「やじさん、剣望くんには刺激が強すぎるよ、その言い方・・・」

直截すぎる矢島のセリフに殆ど地面にめり込んだ狭霧を、篠北は気の毒そうに見て言った。