イーハトーヴの夢カレー

2017.01.23 04:24

まぁ、20代後半のことだから、ずいぶん昔のことだ。

倉敷市児島で、MASALAという手作りカレー専門店があって、人事課の後輩に連れられてお昼に食べに行った。

確か、カウンターのみの狭いお店で、店主はおばあちゃんだったように思う。

野菜を煮込んだやさしい味わいのルーに、何を具として組み合わせるか、選ぶようなメニューだったかな?

ボクは確か、牛肉のカレーを選んだ。

牛肉のステーキをカットして、ライスの上にトッピングして、カボチャ・メインの野菜のルーをかけていただく。

当時は、まだ若くて濃い味のコッテリした食事が好きだったボクは、アッサリしたカボチャのルーに、ちょっと物足りなさを覚え、その後MASALAには行ってなかった。


今日、久しぶりに近くを訪れたので、うろ覚えの店の場所まで来たところ、ドアにMASALAの文字が見えたが、もうとっくに閉めた後のようだった。

ちょっと残念に思いながら、隣のカフェに入ると、何やら見覚えのあるメニューが・・・なんか、MASALAのカレーっぽい。

エスニック・ドライと野菜ルーの組み合わせの夢カレーを注文。

果たして・・・やっぱり、MASALAの野菜ルーだ。

20年以上の歳月は、このマイルドなルーを堪能するのに十分な、ボク自身の熟成をもたらしていた。


美味しかった。


たぶん、今でも、若い人には物足りないかもしれない。

しかし、こんなカレーが長らく続いていることに遭遇し、ボク自身の世間の狭さを改めて思い知らされた。

世の中、いろんな価値観があっていいと思えるステキな再会。

食後のコーヒーも、ほろ苦くてボク好み。

また、忘れないうちに、再訪したい。


支払いを済ませてお話しを伺ったところ、まだあのおばあちゃんが、80歳を超えた今もルーを作っているのだと。

いつまでも、お元気で、やさしく美味しいカレーを作ってくださいね。