「慰安婦像」を子供にどう説明するのか⑤
<「二宮金次郎像」と比すべきもない慰安婦像>
韓国の大人たちに突きつけられた問い、「慰安婦像について子供にどう説明するのか」に、どう対応するのか教えてほしい。
と同時に、大人たちからどういう物語を聞かされようが、当の子供たちが少女姿の慰安婦像からどういうメッセージを受け取り、何を学び取るのか、大いに興味を駆り立てられる。
昭和の初めから、日本では全国の小学校の校庭に「二宮金次郎像」が置かれた。つねに子供たちの目に触れる身近な存在として親しまれてきた。二宮尊徳金次郎は経世済民の農業指導者、江戸時代の思想家・篤志家として実在した人物であり、名前も出自も分からない慰安婦像の物語とはまったく異なる。
薪を背負い歩きながら本を読む少年像のメッセージは明確だ。働きながらも時を惜しんで学ぶことの大切さ、貧しくても刻苦奮励して努力すれば必ず、金次郎のように世の中のために活躍できる立派な人材になれる。勤勉と清廉、報恩報徳の思想は、江戸、明治以来、日本の学校教育を貫く基本でもある。校舎の立替などで、最近は金次郎像もだいぶ数を減らしたが、「歩きスマホ」を推奨するのではという批判もあるなかで、今度は木株に座って本を読む金次郎の坐像も現われるなど、まだまだ金次郎精神は学校現場では健在のようだ。
薪を背負って本を読む気高い少年の像と、恨みつらみ、怨念を一身に背負わされた少女の像など、比較するのもおぞましい。初めから比較の対象にはならないが、しかし、日本と韓国の教育観、教育風土の違いを如実に示すシンボルといえるかもしれない。はてさて、この慰安婦像から韓国の子供たちはいかなるメッセージを受け取るのであろうか?
好奇心あふれる純真な子供なら、この女の子はどこの誰なのか?名前は?歳は?と矢継ぎ早に質問を重ねることだろう。「慰安婦」だとか「性奴隷」だと説明されて、「慰安婦」とは何をする人なのか、「性奴隷」ってどのような人なのか?と疑問が疑問を呼ぶ。しかし、いくら説明を受けても、小さな頭では想像すら及ばない世界だろう。大人の世界にはそんな理解不能で、理不尽な事情があるのかと絶望し、大人になる夢を捨て、未来に希望を持てなくなるのではないかと心配する。それでなくても、韓国の子供たちを取り囲む現実は、「ヘル朝鮮」と蛇蝎のごとく嫌悪する若者ばかりの社会である。
そして自分で考える力を持った子供なら、こんな悲しい運命の少女がいるのはなぜなのか。連れ去られる少女を親たちは必死になって守ってくれなかったのか?日本軍が少女たちを残酷にいじめたというなら、その日本軍と勇敢に戦って撃退し、なぜ少女らを助け出してくれなかったのか?日本はいまだに謝罪も心からの反省もしていないというが、幼かった少女が80歳、90歳の老女になるまでの長い間、いったい韓国政府は何をしていたのか?20万人もの少女はいったいどこに消えたのか?どこにお墓があるのか?「慰安婦」という少女が20万人もいたのに、そのうち名前が分かっているのはせいぜい200人しかいないというのはどういうことか?韓国政府は、連行され行方不明になった少女らの名前や住所を調査し記録しようともしなかったのはなぜか?けがれない子供の頭で考えれば、おそらく分からないことばかりだろう。
<ベトナムでの組織的性暴力を謝罪せよ>
ところで、そもそも韓国の大人たちは「慰安婦像」を教材にして、子供たちに戦前の日本の悪行をあげつらい、「真実の歴史」を教えられるほどの高尚な人々なのか。というのは、ベトナム戦争に、アメリカの同盟軍として参戦した韓国軍は、多くのベトナム女性を強姦し、彼女たちを韓国兵のための慰安婦として強制的に働かせていたという事実があるからだ。
以下の記事は、産経新聞・岡田敏一記者【エンタメよもやま話】(韓国軍がベトナム女性数千人を強姦…慰安婦に「日本より先に謝罪を」米国メディア警告)に教えられた。
FOXニュースのオピニオン面(電子版)に載った米共和党の元上院議員Norm Coleman氏(ミネソタ州選出2003~09)の投稿記事である。
Forty years ago, Park Chung-hee – the current president’s father and a former general, led over 320,000 of his U.S.-allied troops into the War in Vietnam. Throughout the war, South Korean soldiers violently raped and sexually assaulted thousands of young women, some as young as 13 and 14 years of age. Many of these women bore children as a result of these assaults. Today, between 5,000 and 30,000 children of mixed Korean-Vietnamese ancestry, called the “Lai Dai Han,” live at the margins of Vietnamese society.
(40年前、現大統領の父親で軍の将軍だった朴正煕(パク・チョンヒ)は32万人以上の韓国兵を米同盟軍としてベトナム戦争に派兵した。この戦争の間、韓国兵は13歳から14歳の少女を含む数千人のベトナム女性に対し暴力的にレープし性的暴行を行った。暴行の結果、多くの女性が妊娠・出産し、ライダンハンと呼ばれる韓国人との混血児が、現在でも5000人から3万人が、ベトナム社会の片隅で暮らしている。)
現在、韓国兵による性暴力被害を受けて生き残っているベトナム人女性はわずか800人ほどだというが、その中の一人で、母親と共にレイプ被害に合い、韓国との混血児を育てているというベトナム女性Nguyen Thi Bach Tuyetさんは、「韓国兵による組織的な性暴力に対してパク・クネ大統領が公式に謝罪するようを求めて記者会見を行い、Change.Org による署名集めのキャンペーンを呼びかけた(署名集めはすでに終了している)。
Apologize for the Systemic Rape of Vietnamese Women During the Vietnam War
しかし、これだけの被害者が現にいて、謝罪を求めているのにも関わらず、韓国政府は今に至るも、ベトナムでの性暴力をいっさい認めていない。NguyenさんやNorm Coleman氏は、韓国政府によるこれ以上の沈黙は許されないと世界に訴える。
ベトナム戦争中に韓国軍が犯した民間人の大量虐殺事件について、ベトナム各地を二回に渡って現地調査し、各地に残る慰霊碑や墓碑銘などから虐殺被害の実態を調査した北岡俊明氏(「シンクタンク戦略大学」代表)と北岡正敏氏(神奈川大学名誉教授)によると、韓国軍によるベトナム住民虐殺の事件の現場はベトナム全土で100か所に及び、犠牲者の数は1万人から3万人に及ぶと推定されているという。(「現地取材によって初めて明らかになった「蛮行の記録」 韓国軍のベトナム人強姦・放火・殺戮・虐殺 この戦争犯罪に時効なし!」)SAPIO緊急増刊朝鮮半島代激震!韓国「破裂」2017年1月)
ベトナム南部には、米軍兵士や韓国兵を相手にする売春街が各地にあった。旧サイゴン市内には、「韓国軍による韓国兵専用の慰安所」があり、ここでは売春行為が行われ、多くのベトナム人少女が働かされていた。その事実は米軍側も知っていて犯罪捜査の対象としていたことを示す米軍の書簡が米国の公文書館に残っていることが、TBSの山口敬之元ワシントン支局長のスクープ記事(『週刊文春』15年4月2日号)で明らかになっている。(「韓国軍慰安所では10代のベトナム少女が連夜、乱暴な兵士の相手をさせられていた」SAPIO特別増刊)
隠せないほどのこれだけの大量の証拠がありながら、ベトナム人女性に対する組織的な性暴力や性奴隷行為に関しては恥知らずにも沈黙を守る。その一方で、日本に対しては声高に非を唱える。東方礼儀の国を自負する韓国の人々には、良心の呵責などいっさい関係ないようだ。