肋骨の緊張
質問の内容は側胸部の緊張と捻れは関係あるのかという質問でしたが、もう少し深く切り込むと、側胸部の緊張にも大きい小さいがあります。
昨日の動画では、右の下部胸椎の緊張が大きく、左の上部胸椎の緊張は弱くなっていました。
軽く触診をすると一瞬でそれがわかりますが、この動画の場合も右の第9、10肋骨の緊張が顕著でした。しかし、第8肋骨にはありません。
各肋骨によって緊張状態が違うというのがよくわかります。 異常緊張が強い場合は、上下の異常幅より前後の幅が大きくなります。特に第7肋骨から下は、前後の異常が顕著です。
これは肋骨の走行と無関係ではないと考えられます。肋骨に沿って緊張することが多くなるので、当然の結果だろうと思います。肋骨は斜めに走っているというのが大きなポイントです。背中側から下方向に斜めに走っています。
その角度が一番キツイのが第7肋骨あたりでしょう。このあたりから下が胸脇苦満と大きく関係するというのは、偶然の一致とは思えません。 構造的な一致があるのではないかと思います。つまり、構造的には第7肋骨あたりから下が他の肋骨にも影響を一番与えやすいと考えられます。
この動画の方の場合、異常の強い右肋骨下部に手を当てて、僅かに右回旋をしても前屈した時と同様に緊張は緩みます。これを自分で意識してやろうとすると背中やお腹につりそうな筋緊張が起こるのも確認できます。しかし、殆どの人は、このような肋骨の動きを意識したことはありません。
この感覚が肋骨が動く感覚です。ホンの僅かな動きでしか感じることはできません。大きく動かすと、その動きは必ず肩甲骨から肩方向に力が逃げ代償運動してしまうからです。
胸脇苦満と肩の異常が関係するのは、このようなこともあるからかもわかりません。
体幹部の捻れは、触診によって簡単にわかります。それによって様々なことを連想することができます。診察の一つの手引きとなります。
つづきます。