(症例)経皮的眼窩内脂肪移動術
東京(有楽町)の東京日帰り手術クリニックで金曜日に下まぶたのたるみ,クマを専門に治療しています形成外科・美容外科の奥村仁です.
今回は経皮的眼窩内脂肪移動術(ハムラ法)についてお話しします.
(1)眼窩内脂肪とは?
(3)眼窩内脂肪移動術はどの様な人に適応されるのか?については,ブログのリンクをご参考にして下さい.
①麻酔
点眼麻酔+局所麻酔
②切開
睫毛下切開〜外嘴より外側約1cm
③手術内容
突出の原因である眼窩内脂肪を切除せずに,血流を保ったまま隣接する頬の陥凹部分に移動する方法です.
(1)突出脂肪が頬部陥凹を改善する十分量がある事
(2)陥凹部位に眼窩内脂肪が届く事
が問題となってくるため,脱脂+脂肪注入に比べて自由度が若干低く,適応が限られる術式です.
頬部の陥凹の原因は(1)下垂と(2)骨・萎縮です.下垂を改善する為に中顔面のフェイスリフトをすれば,残った加齢による骨・軟部組織の萎縮を眼窩内脂肪で補充すればいいので,脂肪量が少なくて済むので,適応範囲を広げる事ができます.
最後に眼輪筋を外側で骨膜に固定する事により,眼窩脂肪の突出を前方から抑えられますが,眼輪筋自体が加齢性に萎縮していると,効果が十分ではありません.
④手術時間
両眼で90〜100分
⑤術後処置
抗生剤内服3日 抗生剤塗布1週間
瞼に2日間テーピング
⑥術後診察
術後1週間(抜糸),1ヶ月,3ヶ月,6ヶ月
⑦術後生活上の注意
○術後1週間は出来るだけ座位で瞼を保冷剤・アイスノン・氷水を入れた袋等で冷やすようにすると腫れが強く出にくいです.
○洗顔・シャワーはテーピングを濡らさないようにして術翌日より可能です.
○血流が良くなる行為(入浴,サウナ,運動,飲酒)は1週間止めてください.
○化粧は翌日から可能です.ただし2日間はテーピングしているので,それ以外の部位になります.
○コンタクトは1週間使わないで下さい.
⑧術後経過
○内出血や腫れに左右差がある事があります.
○内出血は赤〜紫→黄→回復まで約1〜2週間かかります.
○1〜2週間で大きな腫れは引きますが,小さな腫れは1〜2ヶ月かけて徐々に引いていきます.
○結膜浮腫→約1〜2週間で引きます.
○目がゴロゴロしたり,目ヤニや涙が多くなる事が1ヶ月程度でる場合があります.症状に合わせて点眼薬を処方致します.
○治る過程で傷は1〜2ヶ月固くなった後に,3〜6ヶ月かけて柔らかくなって馴染んでいきます.固い時期は,瞼を触ったり,目を動かした時に違和感がありますが,柔らかくなるにつれて,気にならなくなります.
⑨リスク
眼窩内脂肪移動量により突出の残存・陥凹がでるリスクがあります.眼窩内脂肪の量によっては頬の陥凹がだけすると余計にクマが目立つ事があります(+脂肪注入の適応)
⑩合併症
血腫,感染
11値段(東京日帰りクリニックでの値段です.)
両眼27万5000円(片眼のみは16万5000円)(税込)
○局所麻酔料金・術後内服・外用薬処方代を含みます.
○術前・術後(術直後,術後1ヶ月後,術後6ヶ月後)の目元の写真(上眼瞼のモザイクあり)はホームページ・ブログ・インスタ・学会・院内患者説明用の掲載にご協力頂いております.