まるで、大きな鍋つかみ!
クッキング用の鍋つかみか、ミトンのように見えますが。
ハープのカバーは、ロイヤルブルーに、ゴールドのロゴです。
よく見ると、2つは、違うロゴなのです。
私のペダルハープは、中身は、両方ともライオンヒーリーなのに、
わざと1つのカバーは、Lyon Healyでなくて、Salvi のを。
カバーの色は同じように見えますが、Salviカバー のほうが、厚みがあり、
一番大事と言われているベースのカバーが(この写真に写っていません)
Salviのほうは、2つに分かれるデザインになっていて、
そのほうが使いやすいのです。
ところで、代表的なこの2つのハープメーカーにとって、
Victor Salvi 氏という方の、存在が大きいのです。
1980年代ですが、苦境に陥ったシカゴのライオンヒーリー社を、
イタリアのSalviハープ、サルビ氏が救済し、もう一度、立て直されました。
氏のお考えは、ライオンヒーリーハープ社がこれまで培ってきた、
ハープ制作の理念や伝統をそのまま生かし守るという姿勢で、
この2つのハープメーカーをひとつにしてしまうのでなく、
それぞれの制作過程の独自性を保つという経営方針を貫かれました。
ですから、デザインだけでなく、音色や、楽器の性質や持っている存在感なども、
それぞれ、混ざることなく、双方の特色が生き続けて、今日に至っています。
それは、ご自身は、若き頃、トスカニーニの頃のNYフィルで、ハーピストであり、
それを土台に、世界を代表するハープメーカー2つを率いた、
卓越したビジネスパーソンでもあったVictor Salvi氏。
合理性だけで判断されなかった方が、経営者になられたことは、
本当に素晴らしいことですよね。
2015年に95歳でなくなられるまで、ハープ界での大きな存在の方でした。
ところで、Salvi には、私の心惹かれるハープがあります。
以前、銀座十字屋さんで、ランチタイムコンサートの演奏時に、
弾かせていただいた美しい Minerva 💚
とても、弾きやすい、かつ高音部の愛らしい響き、
うっとりするようなハープでした。