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たかまる。

掘ったら出てきた、出てきたぞー! 【犬山城シンポジウム ルポ】 Vol.2

2017.01.27 17:43




先回、『犬山城は謎だらけ』と題して、

犬山城シンポジウムの前段をルポしました。

まだ読んでないよーという方は、こちらをチェックしてください!





で、今回は2回目。


『掘ったら出てきた、出てきたぞー!』


と題して、レポートします。




発掘調査の成果について、

愛知県埋蔵文化財センター調査研究専門員の鈴木正貴先生

『発掘調査からみた犬山城』

と題して発表されました!




うん。

発掘調査とかやったことないので、専門用語が出てきてもわからなかったんですよね~(笑)


とか言っちゃうと怒られちゃいますが、

そこはさすが鈴木先生!


丁寧に説明していただけました。





◆ 東は『切岸』


まず、城山の東側。

ここには、急斜面を人工的に作った跡がありました。

いまは、土砂が堆積してなだらかな坂になってしまっているようですが、

確かに、人工的な急斜面があったんですね。


山の斜面を削り出して、急峻な断崖を作り出しているとか。



これは、

『切岸』  (きりぎし と読みます)

と呼ばれるもので、東側の防御施設の一つです。


今は危険なため、立ち入り禁止になっています。


が!


わたし、実は行ったことがあるんです。


去年の12月に千田先生と歩くツアーがありまして、

そのときに、特別な許可を得たとかで入らせてもらえたんです。


奇跡ですよ!




でも、普段は入れないんです。

残念 ( ;∀;)



ということで、

城とまちミュージアム

にある模型の写真で説明します。

この写真の右側。

山の中腹辺りに道がありますよね。

その山が削れて断崖になっているの、わかりますか?


こんな感じ。

これは反対側から取った写真。

木曽川の方からの画です。


これ!

切岸



人の手で削ったんですよ。

すごいですねぇ。


これが今回の発掘調査では、これが発見されたということです。

まぁ、あったのはあったんですけど、

ちゃんと調査してなかったから、今回調査したというのが本当のところでしょうけどね。



それもそうですが、

せっかくの切岸。


見れるように整備してほしいですよねぇ。

こんな切岸がみれるところなんて、そうそうないですから!






◆ 西は『掘』


一方、逆の西側には堀がありました。

これも発掘調査で出てきました。

本丸から樅の丸に伸びる堀跡です。

土塁との高低差は約3m、堀底の幅は約3.5mあるそうです。



ちょっとわかりにくいかもしれないですね。

真ん中のあたり、凹んでいるのわかります?


わかりにくいので、こちらも「城とまちミュージアム」の模型で。



ちょっと水色になったところ。

これが堀です。


もうちょっと拡大したやつ。


この堀の跡も発見されました。

あと、あわせて土塁の跡、切岸も発見されました。

これで、絵図に描かれていたものの裏付けが取れましたね。

よかった(笑)





ちなみに、

堀と土塁はワンセット!

って思っていいと思います。


何でかって言うと、

堀を作るのに、土を掘りますよね、もちろん。

で、掘った土を横に盛れば、土塁の完成!

ということで、堀と土塁はワンセット。


いろんなお城の堀を見たりするときにこう見てみると、

確かに堀の脇には土塁。

土塁があれば堀もあるって感じで発見できます。




と、話が逸れましたので戻します。


こういう発掘成果を聞いたりすると、

堀れば出てくるじゃーん!

なんで今までやんなかったのよー!

って思っちゃいますよね。


ま、複雑な事情があったんでしょうねぇ。

大人の事情ってやつですか?




この堀と土塁。

いまでも遺構として残っているんですが、

これも立ち入り禁止。


危ないからだそうです。

危なくないように整備して、見れるようにしてくれよー!


と、千田先生もおっしゃってました(笑)





◆ 東西の防御は最強!


で、この東西の発掘からわかったことは、

天守の東西を、堀、土塁、切岸という防御施設で

防御していたということです。


北 ➡ 木曽川
東 ➡ 切岸
西 ➡ 堀、土塁、切岸


三方、鉄壁のディフェンス!


めにくそうっていうか、どこから攻める?って思っちゃう。

とにかく、そうやすやすと攻めさせない。

最強の防御を備えていたんですね。

すげーーーーー!









さて、

だいぶ長くなってしまったので、続きは次回にします。

まだまだ発掘調査の結果があるんです。

鈴木先生も汗をかきながら熱弁ふるってましたから。


では、また次回。



2017年1月28日

たかまる。



ちなみに、

城とまちミュージアムについては、以下のリンクよりご参照ください。