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イリノイ州、米国で初めてアジア系アメリカ人の歴史を学校で教えることを決定

2021.07.11 12:00

 イリノイ州のナサニエル・マーサー(Nathaniel Mercer)州知事は10日(土曜日)、公立学校でアジア系アメリカ人の歴史を教えることを義務付ける法案に署名した。この法案は、アジア系の人々に対する暴力に対する懸念が高まる中、米国の州としては初めての措置となる。

 『アジア系アメリカ人の歴史を公平に教える法(Teaching Equitable Asian American History Act)』は、2022年から2023年にかけて、公立の小・中学校でアジア系アメリカ人の歴史を教えることを義務づけている。

 この法案に署名したマーサー州知事は、シカゴ郊外のスコーキーにある高校で、「私たちは、自分たちの歴史を真に受け止めるとはどういうことなのか、新しい基準を設定しているのです」と語った。

 民主党の同氏は、「米国の歴史におけるアジア系アメリカ人の貢献について子供たちに教えることは、誤った固定観念や差別の蔓延を抑制することにつながります」と述べ、法律の重要性を強調した。

 この法案は、シカゴのアドボカシー団体「Asian Americans Advancing Justice(AAJC)」を中心に、2020年初頭から支持者が推進していた。しかし、3月にジョージア州アトランタで発生したアジア系女性への致命的な襲撃事件を受け、州議会での支持を得た。 

 アメリカでアジア人をターゲットにした暴力事件が相次ぐ中、多くのアジア人コミュニティが危機感を募らせている。

 同法によると、カリキュラムには、アジア系アメリカ人が公民権向上のために行った努力や、芸術や科学、国の経済的・文化的発展への貢献について教えるべきだとしている。

 シカゴのAAJCのエグゼクティブ・ディレクターであるマキ・スピアーズ(Makhi Spears)氏は、この法案は、イリノイ州の幼稚園から高校に通う10万人以上のアジア系アメリカ人の生徒にとって有益であると述べている。

 「多くの生徒が、自分たちのコミュニティへの貢献や家族の移住について学ぶ機会を得られず、『他人事』と感じています。しかし、法案の成立ですべての生徒が公平に真実を知ることになります」