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超人ザオタル(23)回復の兆し

2021.07.16 00:12

私はまたベッドに仰向けになって天井を見つめた。

ミスラならこれを何と言うだろうか。

あどけない顔で生意気なことを言う顔を思い出して顔がほころんだ。

それにしても…、こんなことは私には理解不能だった。


この世界は私の思いなどまったく及ばないところで動いている。

そう考えざるを得ない。

想像できない苦難があったり、逆に幸運があったりする。

目を閉じて、あの道を歩いていたときのことを思い出した。


あの時と同じ感覚のようだが、何かが違う気もする。

それが何かをつかめずに、私はただ眉間にシワを寄せた。

そうだ、瞑想してアムシャに話を聞いてみようと思い立った。

私はもう一度ゆっくりと上体を起こして、ベッドの縁に腰掛けた。


そこで呼吸を整えて目を閉じた。

そこで私の意識は心の奥に引っ張られるはずだった。

だが、頭の痛みだけが強く脈打つだけだった。

私はその痛みに顔を歪めた。


耐えきれずに、またベッドに仰向けに倒れた。

ただ目を閉じて痛みが収まるのを待った。

これでは瞑想どころではない。

やはりまずは身体を回復させなければならない。


もう一度ゆっくりと上体を起こした。

ベッドの縁に座ると、身体の状態を確かめた。

落ち着けば痛みはそれほどでもない。

私は床を見つめながら呼吸を整えた。


そのとき扉が開いて若い女が入ってきた。

食事の盆を持っている。

「こんにちは、私はタロマティ、アルマティの妹です」

盆をベッド横のテーブルに置いてから、そう私に言った。


「私はザオタル。

ふたりにはとても世話になってしまった。

ありがとう、タロマティ」

私は胸に手を当てて小さく頭を下げた。


「いいえ、そんな大げさなことではありません。

どうか何もお気になさらずに。

スープとパンをこちらにご用意しました。

身体が回復するまでどうぞゆっくりしていってください」


タロマティはそう笑顔で言うと、小さく会釈をして部屋を出ていった。

私はゆっくりと立ち上がってみた。

立ち上がるのには何の問題もなさそうだ。

そこから慎重に一歩を踏み出した。


少し足首と膝に痛みがあるが、何とか歩けそうだ。

私はテーブルの椅子に座るとホッと一息ついた。

そして食事に手を伸ばした。

スープとパンを飲み込むたびに身体に力が蘇ってくるのを感じた。