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My季語集「幽霊」「百物語」

2018.07.16 04:03

http://100nenhaiku.marukobo.com/?eid=1293522 【夏井いつきの100年俳句日記】より

次回『NHK俳句』第三週夏井いつき選~兼題は「百物語」「幽霊」

昨日5月10日が「緑陰」「木下闇」の〆切でした。ご投句ありがとうございます。

次回の兼題は「百物語」「幽霊」です。『NHK俳句』に掲載した兼題解説を以下、転載ぢゃ!

「百物語」 晩夏

「幽霊」 夏?

「幽霊」は季語か? 『現代俳句歳時記』(現代俳句協会編)が夏の季語として載せていますが、それ以外に「幽霊」を季語とする歳時記には出会っておりません。『現代歳時記』(たちばな出版刊)および現代俳句協会ホームページには、春夏秋冬新年以外の「雑」というジャンルで「幽霊」が採録され、それぞれこんな例句が載っています。

    淋しい幽霊いくつも壁を抜けるなり 山川蟬夫

    幽霊も鬱なるか傘さして立つ 高柳重信

 

 山川蟬夫は、高柳重信の別号。季語とは種類の異なる美意識をもった言葉として「幽霊」が使われています。かたや「百物語」は、蝋燭を百本立て、怖い話をする度に一本ずつ消していく夏の夜の趣向。最後の一本が消えた時、本物の幽霊が出るといわれていました。俳人好みの季語として古くから愛されてきたに違いないと思っていましたが、「百物語」を季語として採録する歳時記は意外に少なく、必然的に例句の数も少ない。今回、沢山の秀句が生まれると、未来の歳時記に載る可能性大です!

以下、番組ホームページより投句できます♪

http://www4.nhk.or.jp/nhkhaiku/

頂いた花束を飾ろうとしてたら、

鯛ちゃんが一本ずつベランダにもってって、プランターに挿した幻の花園~(笑)

薔薇の幽霊かもね。

あ、明日は『プレバト!!』です♪

全国TBS系の局にて夜7時~ご家族皆さんでお楽しみ下さい!


https://ameblo.jp/haikudaisuki/entry-12182303207.html 【My季語集「幽霊」「百物語」】より 

NHK俳句7月17日 夏井いつき先生 ゲスト 尼子騒兵衛さん(漫画家・忍たま乱太郎)

「百物語」・・・夏の季語

「幽霊」・・・現代俳句歳時記のみ夏の季語

ザ・俳句十万人歳時記「夏」(お化け屋敷)傍題で「幽霊」あり。

心理的な涼しさをもたらせば季語になる。

幽霊の指に力がありにけり     相原澄江 

*触覚に訴える怖さ。

淋しい幽霊いくつも壁を抜けるなり  山川蟬夫

幽霊も鬱なるか傘さして立つ     高柳重信

コカコーラ持つて幽霊見物に 宇多喜代子(1935-)

白萩に幽霊の絵を売る男 鈴木鷹夫 春の門

今も髪伸びている百物語 二村典子

戸袋のからつぽの百物語 正木ゆう子

百物語つきて鏡に顔あまた 柿本多映

百物語九十九までの夜番の拆 後藤綾子

百物語舞台に椅子のひとつだけ 小田允夜

春の夜や百物語升落し 春の夜 正岡子規

特選

一席

目を縫い潰したる幽霊に朝陽が差して白い 千葉県柏市 川口 誠司さん

*自由律。「目を縫い潰す」が怖い。夜でなく朝に出る幽霊も怖い。

二席

引潮や幽霊の列ゑんゑんと     東京都練馬区 森丘 信行さん

*戦時中の水漬く屍か、大震災で津波に呑まれた方々か

成仏できぬ思いが幽霊となるのであろう。「ゑんゑん」の「ゑ」が幽霊っぽい。

ゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑ

三席

抽斗に蜘蛛の幽霊飼うてをる    東京都中野区  内藤 羊皐さん

*古い船箪笥か。「蜘蛛の幽霊」が象徴的。

入選

寵姫ゆうれいの子をやどしたるらし   静岡県芦屋町 宗澤 美子さん

*「遠野物語」風、異類婚の怪異か。

膝の猫の冷たくなりぬ百物語    愛媛県松山市  吉田 保呂さん

*「冷たくなる」は「死」か「魔界」のものに変化したか。ぞー

子を抱き幽霊掛け軸に戻る     愛媛県大洲市  渡辺 瀑さん

*円山応挙の掛け軸の幽霊が有名。此の世に残した我が子が恋しいか。

飴屋通いをする「子育て幽霊」の話が多く残っている。

幽霊の襦袢に雨と乳の香よ     滋賀県彦根市 飯島 白雪さん

*これも「子育て幽霊」か。乳の香がせつない。

幽霊の消えてピアスの穴に膜 岐阜県本巣市 板柿 せっかさん

*「ピアスの穴に膜」が怖い。手の甲に膜は半魚人だ。

信長の百物語首五千    中国 江蘇省   新納 敦子美さん

*信長の残虐さは「怪談」を越えている。秀吉もしかり。

権力者の横暴こそ、怖ろしい。

季語道場

幽霊のそっと触れたる盆の窪

*オノマトペをうまく使う。

○幽霊の触れたる盆の窪ぬるぬる

○幽霊の触れたる盆の窪ずきずき

こわごわと百物語つくもがみ  尼子騒兵衛

〇百物語床の香炉のつくも神

名句があれば季語となり得る。・・・万緑

二百面相落選句

大川に幽霊船の漕ぎ出でぬ

大いびき百物語尽きる頃