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パレイドリア効果

2018.07.16 05:05

https://news.infoseek.co.jp/article/mikata_35968/ 【怖い怖い…うわぁお化けだぁ!!あれ?よく見ると違う…「幽霊の正体見たり枯れ尾花」に迫る!!】より

■指の隙間から見た「恐怖」の後にやってくる「恐怖」

夏になるとよくテレビでは「心霊特集」や「ホラー特集」が放送されます。

怖い怖いと思っているのに、つい「ちょっとだけ…」と指の隙間から覗いてしまう、「怖いもの見たさ」については、こちらの記事で紹介しました。

「怖いのについつい見てしまう…これってどうして??」

今回は、「怖いものを見てしまった後に感じる怖さ」について考えてみましょう。

怖い映画を観たり、恐怖体験談を聞いたりした後は、自分の周囲にも幽霊がいるのではないかと、ビクビクしませんか?家のどこかで音がしたり物が落ちたりすると、過敏に反応してしまったり、白いカーテンが風に揺らめいているのを見て「幽霊だ!」と勘違いしてしまったり…。

このように、怖い怖いという恐怖にとらわれて、何でもないものまでが幽霊に見えてしまう現象のことを「幽霊の正体見たり枯れ尾花」と言います。

恐怖心や疑いの気持ちから、勝手に自分で恐怖を演出してしまうのですね。

■どうして幽霊だと勘違いしてしまうの?

疑心暗鬼になって、幽霊ではないものが幽霊に見えてしまう…どうしてこんなことがおきてしまうのでしょうか?その理由の一つに「シミュラクラ現象」が考えられます。シミュラクラ現象とは、3つの点が集まった図形が人の顔に見える現象のことです。

簡単に言うと、(∵)←これが顔に見える現象です。

数学の「なぜならば」という記号ですが、あなたにはもう、これが顔にしか見えなくなっていませんか?人の顔は目や口のパーツが逆三角形に配置されていることから、このシミュラクラ現象が起こりやすくなっているのだといわれています。

「幽霊の正体見たり枯れ尾花」でも、同じことが考えられます。怖い話を聞いた後、神経が過敏になり、わずかな音でもドキドキしてしまう…そんな中、部屋の中にある3つの点、例えばコンセントの差込口を人の顔だと錯覚してびっくりしてしまう、といったこともあるのです。

■実は心霊写真の多くは錯覚??

そしてもう一つ、多く言われているのが「パレイドリア効果」と呼ばれる心理現象です。これは、ごつごつした岩の形が顔に見えたり、天井のしみが動物の形に見えたりする錯覚のこと。小さい頃「月にはうさぎが住んでいる」というお話を聞いたことはありませんか?「月の模様がうさぎに見える」といわれているのも、パレイドリア効果の一種なのです。

人間の脳は簡単に騙されてしまいます。テレビで放送されている心霊写真の多くは、この「シミュラクラ現象」と「パレイドリア効果」によって説明がつく、単なる錯覚であるといわれることも少なくありません。怖いと感じる心理現象と、人間の脳が起こす錯覚とが、より強く恐怖を演出してしまうのですね。

人間の脳の不思議を学べる学問、心理学とは?

幽霊なんていない!錯覚なんだ!と安心しましたか?

でも、シミュラクラ現象とパレイドリア効果は、あくまでも心霊写真の「多く」を説明できるだけです。残念ながらすべての心霊写真に対して科学的な説明をつけることが難しいのも事実なのです。

結局幽霊はいるの?いないの?筆者は怖いものが大の苦手ですし、もしいるのならば、一生自分の目にはしたくないものです。

……ああ、でも、どうやら目にしてしまったようです。

ほら、あなたの後ろ。

白い着物を着た、髪の長い女の人が立っていませんか?

【参考】

謎解き超常現象3 ASIOS(著)

脳が生み出すイリュージョン 日経サイエンス編集部 訳


https://uxdaystokyo.com/articles/glossary/pareidolia/ 【パレイドリア効果】より

意味のない対象に知っている意味を当てはめてしまう錯覚。

視覚や聴覚からの刺激に対して、本来存在しないにもかかわらず知っているパターンをあてはめてしまう現象を「パレイドリア効果」、または「パレイドリア現象」と言う。

例えばイタリアの地図がブーツの形に見えるというのも、この現象の一種である。

「月の模様がウサギの餅つきに見える」なども、脳が知っているパターンを当てはめて解釈した結果である。

幽霊が写っていると言われる心霊写真も、パレイドリア効果によって、別のものが顔や人体に見えてしまうことが原因であることが多い。

シミュラクラ現象

人は3つの点があつまった画像を「人間の顔」だと錯覚してしまう。これをシミュラクラ現象と言い、パレイドリア効果の一種である。

人類の進化の過程で、周りの動物が敵なのか味方なのかを判別する必要があったため、本能的に脳が人間の顔かどうかを識別しようとすることから起こる錯覚と言われている。

例として以下にNASAが撮影した火星の地表写真を挙げる。

火星の写真

(引用:wikipedia)

赤い丸で囲った岩があたかも人の顔のように見えるため、実際にはただの岩であるにも関わらず、火星人が作った人工的な建造物だと騒がれたこともあった。

ロールシャッハ・テスト

パレイドリア効果を応用した例として、ロールシャッハ・テストがある。スイスの精神科医Hermann Rorschachヘルマン・ロールシャッハが1920年代に考案した心理テストである。

ヘルマン・ロールシャッハ

ヘルマン・ロールシャッハ

引用:wikipedia

ロールシャッハ・テストでは、無作為にインクを垂らした紙を半分に折り、左右対称の形を作る。出来上がったものを被験者に渡して、何に見えるかを答えてもらう。

ロールシャッハ・テスト

(引用:wikipedia)

インクの染み自体に意味はないが、そこにどんなパターンを当てはめ、どんな意味を見出したかで心理状態を診断する。

無意識の心理を分析できるということで、現代でも利用されているテストである。ただし科学的な裏付けがないことや、診断が非常に難しく効率も悪いことから、批判的な意見も多い。