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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

仏王処刑2-封建的特権の廃止

2021.07.16 08:13

バスティーユの襲撃を合図に、暴動は地方に飛び火した。フランス国民は皆ギリギリだったし、いろんな噂に怯えていた。貴族やイギリス人がやってきて、食物を隠匿したり略奪しようとしているという噂が走り、貴族の館や修道院が襲撃された。「大恐怖」の到来である。

これを見た貴族達は一斉に国外亡命に走った。王弟アルトワ伯は、パリを脱出してメスで戦うよう求めたが、ルイ16世が従わなかったので、妻の実家を当てにトリノに亡命した。パリ民衆は、栄華を誇っていたポリニャック派の処刑を求めたので、彼らも亡命した。実はルイ16世はこのとき脱出すればよかった、と後にフェルゼンに語ったらしい。

国王の求めで、ネッケルはまたスイスから戻ってきて財務長官になったが、公債は暴落してなすすべがない。そして憲法制定国民議会に改名された議会は、この熱に反乱を確認するように8月4日「封建的特権の廃止」を宣言した。

国王ルイは、第一、第二身分が払った犠牲を称賛した。しかしその犠牲への代償を求め、また法令にもそれが記されている。しかし無政府状態のフランスで、実施は不可能であり、封建制の残渣は解体されていく。