受験前日に学校を休んだ子の話
先日、とあるレストランで、以前の卒業生に再会しました。
ちゃんと働いている姿を見て、安心したのと同時に、
当時の思い出がよみがえってきました。
中3の頃に塾にやってきた彼は、
あんまり学校に行けていない子で、
内申はほぼ0。でも行きたい高校は偏差値50を超えていて、
その一年はほぼほぼ毎日自習や授業で塾に来ていました。
偏差値はぐんぐん上がって、
二次選考で志望校が狙えるまでになりました。
割とやんちゃな性格でしたが、勉強はよく頑張りました。
そして、受験前々日の2月14日。
その日最後の授業が始まったぐらいの時間帯で、
なんだか教室の奥がざわざわしています。
なぜか横になっている彼。
「どうした?」と訊くと、「鼻血が止まらない」と。
「またまた〜。チョコレート食べ過ぎたな」なんて最初はからかってましたが、
三十分たっても、一時間たっても、止まらない。
いよいよこれはまずいとなって、
病院を探して、一緒に付き添って向かって、救急で受付。
しばらくして処置のおかげで、鼻血は止まりました。
お仕事だった親御さんも到着して、一安心。
でも、検査で次の日の学校はお休みすることに。
受験前日の受験指導に出れない分を、彼がとても不安そうにしていたので、
塾でやることにしました。
その時塾に来た時の不安そうな顔と、帰り際の「明日頑張ってくるよ」という顔を、
今も不思議と覚えています。
その頃受験生たちに渡していたキットカット(メッセージが書ける)を、
鼻血が怖くて、彼だけクッキーにしたことも。
受験が終わって、彼が塾に一番に来てくれました。
「できたよ!」と笑った彼の顔ももちろん覚えています。
でも、もっと忘れていないことは、
ちょうどその時、彼と同時にやって来た塾が初めてのお客様に、
彼が「あ、傘立てこちらですよ」と入口前で案内をしていたこと。
いつの間にそんなことができるようになったんだと、
驚いたと同時に、とっても嬉しくなったことを今もちゃんと覚えています。
人は、そして特に子どもは、
知らず知らずのうちに、とんでもないスピードで成長する。
そんな人間的成長を見守ることも、
塾の役目なんじゃないかな。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
過去も、今も、大切にして、未来に活かそう。